「鎌倉殿の13人」第37話:明かされた「オンベレブンビンバ」の意味。笑顔、でも悲しい。
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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。
本記事では、第37話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「鎌倉殿の13人」第37話レビュー
畠山重忠を喪ったショックから抜け出せないが、立ち直るまで待ってくれているほど鎌倉はそんなに優しくはない。執権・北条時政(坂東彌十郎)を蚊帳の外に置き、新たな体制で動き始めた義時(小栗旬)。政子(小池栄子)を中心とし、大江広元(栗原英雄)らと共に鎌倉を動かしていくことになる。
しかし、そんな状況を見てりく(宮沢りえ)が黙っているはずがない。実朝(柿澤勇人)を退け、娘婿の平賀朝雅(山中崇)を鎌倉殿に押し上げる計画を立て始める。正直に言って、めちゃくちゃではないか。
そんなことは、きっと時政は分かっている。しかし、りくはわからない。
いざとなれば、政子や義時を討つことにもなる、というりく。
自分が子を喪った悲しみを知っていても、他人の気持ちを慮ることができなくなっている。
複雑な表情を浮かべる時政を押しに押しまくる。そして、時政はりくが一番大事なのだ。たとえ、計画がうまくいかなくても、自分の命をかけることになっても、時政はりくの願いをかなえようとする。
そして、その計画に、三浦義村(山本耕史)を巻き込む。
義村は、自分に勝ち目と得があればそちらに寝返ることもあり得そうなのだけれど、いまのところ、義時に勝るものがないのだろう。時政の案にのったフリをして、義時にそっと計画を伝える。
実朝を自身の屋敷に連れてこさせ、そこで出家するように起請文を書かせようと企む時政。
その前に、時政は政子のもとを訪れる。りくに話していた「やっておきたいこと」である。
政子と義時、実衣(宮澤エマ)、時房(瀬戸康史)と宴を開く。
そこでブツブツと「オンベレブンビンバ、オンベレブンビンバ……」とつぶやく。先週から多くの視聴者を戸惑わせていた「オンベレブンビンバ」である。
実は、大姫が唱えていた呪文「オンタラクソワカ」のことだった。
「オン」しか合っていない……。そのあともっとひどい……。
確か、「元気になるおまじない」だったか。
しかし、誰も正しくいうことができず、その場はオンタラクソワカの大喜利状態になる。おもしろいシーンのはずなのに、これが全員が揃う最後の場面だと思うと悲しくて仕方がない……。
その後、実朝は義村に連れられて、時政のもとへ。起請文を書かせようとするが、実朝は拒否する。
自分が書いたことで、畠山重忠が亡くなっている。きっと、彼の心にも残っているはずだ。
そして、出家する旨を書くように言われても政子や義時に相談をしたいと頑なに言う。
頼朝とも頼家とも異なる鎌倉殿。実朝は少しずつ、一歩ずつ、鎌倉殿になるために学んでいる。
義時は、時政の謀反を宣言。北条、骨肉の争いへ発展するのか。
りくがいなければ、歴史は変わったのかもしれない。でも、時政はりくを愛してしまった。
今、少し不安なのは、のえ(菊地凛子)がちょっとりくと似ているような気がすること…気のせいであれ……
それにしても、今回は大姫や武衛の名が出てきたり、なんとも物悲しい気持ちになってしまった。
(文:ふくだりょうこ)
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