「クロサギ」第1話:平野紫耀から目が離せない……圧倒的存在感で魅せる
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King & Princeの平野紫耀主演のドラマ「クロサギ」が2022年10月21日放送スタート。
人気マンガ「クロサギ」が2022年を舞台に、新たにドラマ化。平野が演じるのは詐欺によって家族を失った主人公・黒崎。詐欺師を騙す詐欺師「クロサギ」として暗躍、そして家族を奪った最大の宿敵に挑んでいく。
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「クロサギ」第1話レビュー
金銭狙いの詐欺師、シロサギ。恋愛詐欺師、アカサギ。そして、詐欺師を騙す詐欺師、クロサギ。
2006年にドラマ化された「クロサギ」が2022年、平野紫耀を主演に、再びの登場だ。
第1話でクロサギ・黒崎高志郎(平野紫耀)がターゲットとするのは起業セミナーを運営する春日(高橋光臣)。詐欺の被害者となった吉川(船越英一郎)の元を訪れ、だまし取られたお金を取り返さないかと持ち掛ける。
黒崎もまた、詐欺の被害者だった。黒崎の父は起業セミナー詐欺に遭っていたのだ。
追い詰められた父親は一家心中を図り、その中で黒崎だけが生き残った。
今の黒崎の目的は父を騙した御木本を見つけ出すこと。黒崎は、春日が御木本と通じているのではないかと考えるが……。
どちらというと、明るいイメージが強い平野紫耀。
警察の手から逃れるため、ドラマ冒頭では金髪ウィッグに派手なアロハシャツという陽気な装いだったが、物語が進んでいくにつれて、凄みが増していく。目の力がすさまじい。
一方で、口いっぱいに頬張っている姿や、ふとしたときの表情がとてもチャーミング。そのギャップがたまらない。
また、過去を振り返っているときの苦し気な表情が、グッと視聴者の心を掴んでいく。詐欺師ということで、さまざまな扮装も披露するが、変化する平野の表情そのものからも目が離さなくなる。
そんな平野演じる黒崎に反発するのが吉川の娘・氷柱(黒島結菜)だ。
正義感が強く、詐欺という行為自体が許せない。いくら父が詐欺でだまし取られたお金が戻ってくるとしても、黒崎の行動も、協力しようとする両親のことも受け入れられない。
両親の元にお金が戻ってきても、氷柱は「こんなふうにお金を取り戻して喜ぶ人間になりたくない」と黒崎に向かって言う。それが彼女の正義だから。
黒崎は、氷柱の言葉に怒るわけでもなく、穏やかに答える。
「吉川さんはそう思って生きていったらいいよ。それで済むなら幸せな人生なんだから」
つ、辛い……。
ダークヒーロー、クロサギに対して、氷柱は自分の正義を訴え続けられるのだろうか。
黒崎と接触はないものの、宿敵・御木本の姿も作中では描かれている。御木本を演じるのは坂東彌十郎。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では北条時政を演じたが、時政とはまた異なる重厚な空気を醸し出す。
さらに、腐った大企業を標的とする詐欺師・白石を山本耕史が演じる。またこれも食えない役柄のようで活躍が楽しみだ。
そして、甘味処「かつら」の店主で、詐欺業界のフィクサー・桂木に三浦友和。
黒崎に詐欺を教え、シロサギの情報を売っている人物だ。
黒崎の味方のようにも見えたが、1話ラストで、白石が桂木に「御木本の起業セミナー詐欺の設計図を描いたのはあなたですよね?」という場面も。つまり、黒崎にとっては、桂木もまた敵のひとりになるのではないか……
くせの強いキャラクターばかり。が、1話だけで俄然、期待が高まってきた。早くも2話が待ち遠しい。
(文:ふくだりょうこ)
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