インタビュー
白石和彌・西島秀俊『仮面ライダーBLACK SUN』対談|バイク秘話から変身への想い、お気に入り怪人までたっぷりと語る
白石和彌・西島秀俊『仮面ライダーBLACK SUN』対談|バイク秘話から変身への想い、お気に入り怪人までたっぷりと語る
——仮面ライダーと言えば、バイクで走るシーンが見どころのひとつです。西島さん演じる南光太郎がバトルホッパーで疾走するシーンをファンも楽しみにしていると思います。
西島:僕はもともと、チェリーズカンパニーの黒須嘉一朗さんに自分のバイクを組んでもらって、乗っていたんですね。でも、諸事情によりそれを手放すことになり、黒須さんのところに返すことになって。そしたら、「バトルホッパーをよろしくお願いします」ってメールが来て。「どういうこと⁉」ってびっくり(笑)。
白石:そうだったんだ(笑)。
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西島:黒須さんにバイクを返したら、バトルホッパーになって戻ってきたみたいな(笑)。黒須さんもバトルホッパーにだれが乗るのか知らずに組んでたらしいです。組みあがってだれが乗るのか聞いたら、僕だったという。これがまた乗ると怖いんですよ。黒須さんに「なんか怖いです」って伝えたら、「魂こもってるんで」って言われました(笑)。
白石:本当にすごい縁。
西島:ちなみにダイワマンのモビールも黒須さんが組んでます(笑)。
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——怖いというのはどういう感じなんでしょうか?
西島:迫力がすごいし、重たいんですよ。全部鉄で作られてますからね。飾りのパーツはほとんどなくて、本物のターボが搭載されてるんですよ! 運転するときも、加速の仕方が普通のバイクとは段違いなんです。これは本当に楽しみにしていてほしい!
白石:僕はバイク乗りではないから、詳しいことはわからなかったけど、とにかくかっこよかったですね。バイクをイチから作ることは決めていたので、走らせてなんぼだと思ってたんです。そこで唯一悔しかったことは、ノーヘルで走ってるもんだから、公道で撮れないんです。バトルホッパーを公道で走らせられなかったことだけは後悔してますね(笑)。
西島:いや、でもあれはノーヘルでしょう!
白石:かっこいいシーンは撮れましたけど、撮影は大変でしたよね。
西島:そう、結構な砂利道とかでね(笑)。意外に怖かったですよ!
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——仮面ライダーといえばもうひとつ、変身シーンが何よりも見どころです。本作ではストーリー前半で南光太郎は黒バッタ怪人として描かれているため、なかなか変身シーンが出てこなくてやきもきさせられます。
白石:最初の変身シーンを撮影したのは、撮影が開始して一か月半くらい経った頃でした。「どんな変身シーンになるんだろう」という感じだったんですが、もう段取りの段階から僕も田口清隆さんも、西島さんを見て号泣しちゃって。撮る前におなか一杯になりかけちゃった(笑)。この企画やってよかったと心底思いましたね。
——そこまでの変身シーンになってるんですね! 中盤まで変身させないという構想は初めからあったのでしょうか?
白石:はい。そのために黒バッタ怪人の状態をあえて作りました。
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——演じられた西島さんはいかがでしたか?
西島:これまで仮面ライダー作品を見てきた中で、やっぱり考えるんですよ。「自分だったらどう変身するか」ということを。それで毎回思い描いていたのは、かっこ悪いくらいに感情丸出しの変身シーン。『仮面ライダーBLACK SUN』の脚本が、まさにその通りだったんですね。変身シーンの撮影は特別な緊張感に包まれていて、照明、効果、CG、すべての撮影チームの意図がバチっと一致しないと決まらない。スタッフ全員が集中して作り上げた空間に自分の感情がかみ合ったとき、ピークに達した感じがしました。きっと、歴代の仮面ライダーファンの方々にも満足してもらえる変身シーンになっているんじゃないかと思います。
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(C) 石森プロ・東映 (C)「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT