続・朝ドライフ

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2022年11月02日

「舞いあがれ!」第23回:”干からびた犬”になった貴司(赤楚衛二)はどうなる

「舞いあがれ!」第23回:”干からびた犬”になった貴司(赤楚衛二)はどうなる


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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。

本記事では、第23回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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岩倉舞の朝は早い

ドキュメンタリー番組のパロディのようにはじまりました。
なぜ? という語り(ばらもん凧/さだまさし)の質問にカメラ目線で答える刈谷(高杉真宙)から順になにわバードマンの面々をカメラが移動しながら追っていく場面はとてもなめらか。

なにわバードマンの部員たちもだいぶ印象に残ってきましたが、ここで改めて紹介することで由良(吉谷彩子)から舞(福原遥)にパイロットが代わり、新たな気持ちで取り組む結束力が伝わってきます。由良が少しお気の毒ではありますが、なにわバードマンwith舞という感じ。

舞はトレーニングとダイエットに励みます。お昼ごはん一瞬で終わった……と持て余す昼休みの間を祖母・祥子(高畑淳子)へ電話をかけることで紛らわします。
五島列島の人々が久しぶりに登場。みなさんお元気そうです。

さくら(長濱ねる)が念願のカフェをOPENさせていました。さくらもコツコツと夢を叶えたことはきっと舞には励みになったことでしょう。舞の頑張りが、なにわバードマンの人たちを思ってのみならず、遠い五島列島の恩人たちのことへの思いも込められているように感じ、とてもあたたかい気持ちになります。あの一太くんも元気にやってるようです。

舞が目下、苦しんでいるのは食事制限。お弁当はちょっとだけ。祥子が送ってくれたジャムも我慢しようとしますがこれは食べてしまいます。お好み焼きは、特製プロテイン入りの油と炭水化物抜きのねぎ焼き。その甲斐あってあと目標体重の半分までいきました(減らす分の半分)。

お好み焼き・うめづで、久しぶりに幼馴染3人が集まりますが、貴司(赤楚衛二)は「干からびた犬」という言葉を書いていて、それは自分だと言い、舞たちを心配させます。

干からびた犬、なかなか強烈な負を感じさせるワードです。

楽かと思って入った会社が本業のSEだけでなく営業もやらされていてその成績が最下位で悩む貴司。そのわりに仕事の合間に、舞の家の工場のホームページ作成を手伝っているのですが……。
「息ができないほどしんどいときに生まれるのが詩や」
古書店の八木(又吉直樹)にそう言われて、気持ちを切り替える貴司。「干からびた犬」という詩的な言葉も怪我の功名なのでしょう。日曜劇場だと、貴司のような人はノルマに苦しんで苦しんで追い詰められていきがちですが、「舞いあがれ!」では工場がピンチになった浩太(高橋克典)も大丈夫でしたし、貴司もそこまで悪いことにはならないのではないでしょうか。

貴司は仕事の苦悩を言葉にし、舞は肉体の苦悩がやがて飛ぶことで昇華されるはず。そのとき、舞の行為は詩になるのです。
【朝ドラ辞典 食事(しょくじ)

朝ドラには食事シーンがよく出てくる。基本、ホームドラマなので食卓が主な舞台になる。また、食が題材になり、ヒロインが料理を作る物語もちょくちょくある。家族や仲間たちが食事をしながら語り合う場面では美味しそうな食事が出てくる。舞台になった地域ならではの食も見どころのひとつ。
朝ドラに出てくる食べ物は美味しいという評判だと聞く。だが俳優たちは食べながらセリフを話すのがなかなか至難の業。聞いた話だと食器を移動させるときなど音をさせないように気を使っているそうだ(少なくとも「おしん」の頃はそうだった)。これらができると芸達者。しかもワンテイクでOKではなく何度か同じ場面を演じるので何度も食べないといけない。ほのぼの見えて演じてるほうは気が抜けないのである。


(文:木俣冬)

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