「ジャパニーズスタイル」第5話:市川実日子×モトーラ世理奈の個性がぶつかり合う!ルーシーと哲郎の未来は?
本作はさびれた温泉旅館のセットを舞台に、俳優たちが観客の前で“ほぼ本番一発勝負”の演技を繰り広げるテレビ朝日初の本格シットコム。仲野太賀のほか、市川実日子、要潤、KAƵMA(しずる)、石崎ひゅーい、檀れい、柄本明ら豪華俳優陣が登場する。
本記事では、第5話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「ジャパニーズスタイル」第5話レビュー
「ジャパニーズスタイル」第5話には、個性豊かな女性3人が初登場となった。哲郎(仲野太賀)の元カノである、もう一人の“ルーシー”ことイチ子(モトーラ世理奈)と霊媒師の尾崎(宮澤美保)。二人はこれまで映像で登場していたが、舞台上に現れるのは今回が初めてだ。そして、哲郎の母で「虹の屋」の女将・廻瑠(キムラ緑子)。いつもよりもカオスな物語になりそうな予感が漂う。怪しさ極まりないにもかかわらず、これまで意外な形で予言を的中させてきた尾崎。そんな彼女の新たなお告げは「別れの時近し。ハンカチのご用意を」というものだった。誰かが「虹の屋」からいなくなるのでは?とざわつく一同。ルーシー(市川実日子)だけは旅館の貴賓室に連泊中のイチ子がそうであってほしいと期待する。
アバンギャルドで危険な香りのするWルーシー。同族嫌悪からなのか、いがみ合う二人のバトルが今回は見どころだ。彼女たちの対立を極めるのは、どちらが哲郎の父親である、「虹の屋」の社長の見舞いに行くかどうかという問題。というのも、女将の廻瑠が突然帰宅し、社長がもういつ息を引き取ってもおかしくはない状況であることを知らせにきたからだ。
廻瑠は社長を安心させるため、哲郎とルーシーが結婚するとウソをつくよう指示する。しかし、哲郎との結婚を狙っているイチ子がそれを妨害。凛吾郎(石崎ひゅーい)、梅越(柄本明)、浮野(KAƵMA)を続々と味方につけ、周りを固めていく。
それにしても、イチ子役にモトーラ世理奈を抜擢した人はすごい。どことなく江口のりこや安藤サクラの雰囲気に似ていると思うのは私だけだろうか。歩く芸術というか、ただ佇んでいるだけで何かを訴えかけてくるような存在感がある。あの瞳に見つめられたら骨抜きにされるのも無理はない。
市川実日子も同じことが言えるのだけど、彼女の場合は独特の安心感があって社長がルーシーのことを気に入るのも納得。哲郎と結婚するフリにも意外とまんざらでもなさそうで胸キュンしてしまった。
それなのに、まんまとイチ子の話術にハマっていく哲郎。仲野太賀の情けない顔がなんとも愛らしい。どうしようもないクズだけど、Wルーシーが自分のおもちゃにしたくなる気持ちもわからなくはない。
だけど、哲郎もついに改心したのか? 最後の最後でイチ子を突き放す。そんな哲郎を「よくやった!」褒めてあげるルーシー、男前すぎやしないか。哲郎と結婚し、尻に敷きながらも良い方向に引っ張っていってくれる未来が容易に想像できる。
一方、イチ子に恋した凛吾郎が「虹の屋」を出て行ってしまった。尾崎が告げた別れとは、浅月親子の別離だったのだ。この二人の過去もかなり謎に包まれているが、どうやら桃代(檀れい)の方は支配人の影島(要潤)と旅館の乗っ取りを画策している様子。一難去ってまた一難。ようやく少しまともになってきた哲郎は「虹の屋」を守ることができるのだろうか。
(文:苫とり子)
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