続・朝ドライフ

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2022年12月09日

「舞いあがれ!」第50回:大河内教官は全然鬼教官じゃないのにわかっていない未熟な舞と柏木学生

「舞いあがれ!」第50回:大河内教官は全然鬼教官じゃないのにわかっていない未熟な舞と柏木学生

2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。

本記事では、第50回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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舞が熱出した

珍しくアヴァンなしで主題歌はじまりでした。

舞(福原遥)がソロフライトの訓練で頑張りすぎて発熱、寝込んでしまいます。子供の頃はよく熱を出していた舞。久しぶりに当時のいろいろ考え過ぎて熱が出てしまう体質がぶり返したのでしょうか。

不思議なのが、東大阪のめぐみ(永作博美)です。舞が熱を出したことを電話で聞いてもあまり心配した様子ではありません。浩太(高橋克典)のほうが心配しています。子供の頃はあれほど舞の状態にぴりぴりしていたのに。めぐみもキャラ変?

舞は五島に行った以降、すっかり治ってしまって、その後、まったく心配なかったのかもしれませんが。いまのめぐみには投資をやってる悠人(横山裕)のほうが心配なのです。

舞を心配してくれる人はほかにいます。同室の倫子(山崎紘菜)も親切ですし、柏木(目黒蓮)大河内教官(吉川晃司)も。

まず、柏木が倫子にアイスを託します。「熱があるときはアイスだろ」とぶっきらぼうに言う柏木に「いちいちずれているのよ」と倫子は懐疑的な反応です。部屋に冷蔵庫がないからでしょうか。

柏木「これ」
倫子「えっ 何これ くれんの〜」
柏木「いや 分かるだろ 察しろ」
倫子「はい むかつく」
柏木「熱があるときはアイスだろ」
倫子「あんたやることはいちいちずれてるのよ」

この会話は現代っ子の軽味があってよかったです。

大河内もアイスを差し入れますが、こちらはクーラーバッグに入れてあり、少しだけ気が効いています。でもそれは預かってきた宮田という人(似顔絵が書いてあった人?)の気配りでしょうか?

舞は倫子とふたりでアイスを食べます。二段ベッドの前で座ったふたりはいい画でした。舞は柏木のくれたアイスバー、倫子は大河内のカップアイス。ほんとうは半分こにするなり、味見をするなり、してほしかったけれど、コロナ禍の撮影、そういうことはできないかもしれません。

このときまだ舞は大河内が差し入れてくれたのかわかっていません。「教官から」とだけ聞いて大河内のわけないだろうと思っていたら、そうだったという意外性。

大河内は舞と話をします。それを聞くと、ただの鬼教官ではなさそうです。いや、傍からみたら全然、鬼に見えてないですけどね。

でも柏木はこのまま厳しい教官のもとではフェイルになってしまうと舞を心配し、教官を代えてもらおうと言い出します。

面白いのは、柏木と大河内が実はちょっと似ていること。ぶっきらぼうで完璧主義で、でも決して意地悪なわけではない、志のある人。病人にアイスを差し入れる人。気のせいか、低めの抑揚のない声で話すのも似ています。面長で高身長であることも。


【朝ドラ辞典 病気(びょうき)】

朝ドラに限ったことではないが、主人公が突如、倒れることは往々にしてある。病気がドラマの主題に関わる場合と、単にメリハリをつける場合とがある。前者はあざとくないように、後者は肩透かしにならないように気を配る必要がある。

関連語:病院



(文:木俣冬)

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