続・朝ドライフ

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2023年01月10日

「舞いあがれ!」”お父ちゃんがおらんようになって工場までなくなるとかほんとしんどいわ”<第68回>

「舞いあがれ!」”お父ちゃんがおらんようになって工場までなくなるとかほんとしんどいわ”<第68回>

2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。

本記事では、第68回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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社長代行になったものの……

「舞ちゃんの操縦する飛行機に家族が乗っていたあのシーンは幻だったのか」という「おはよう日本」の朝ドラ送りのごとく、舞(福原遥)の進路は急激に変化していきます。

まるで航空学校の訓練で天候悪化により帯広空港から釧路空港へ急遽、着陸地が変更になったようなものです。そう、人生にはいくつもの進路変更がつきもので、そのときどう冷静に行うかが大事です。

浩太(高橋克典)が亡くなり、めぐみ(永作博美)が社長代行を務めることになります。その矢先、頼りにしていた古川(中村靖日)が辞めてしまいます。この状況で自主的に辞める社員があまりいないのは、退職金も期待できないし、不景気で再就職がままならないからしがみつくしかないのかもしれません。
章(葵揚)といい、優秀な人は船を降りていきます。笠巻(古舘寛治)だけが頼り。

「逃げるの早、もうおしまいやな」と、山田(大浦千佳)が感じ悪いことを言いながら居座っていることに毎度いらっとしますが、古川がいなくなったらますます山田をリストラするわけにもいかなそうです。古川を責めるように言うのは意外と愛社精神があるのでしょうか。そのうちそういうところが出てくるのかもしれませんが、ここまで厭味ったらしい人物に設定しなくてもいいのでは……。いい人しか出てこないとスパイス足りないとも言えますが。

社長代行になったもののどうしようもない感じで、めぐみは早々に「たたむわ」と諦め気味です。舞は祥子(高畑淳子)に「よう探したらできることはある」と自分のやれることを探すことを教わって(祥子はお弁当を作っています)、努力していますが……。

工場をたたむことになって落ち込んでいる舞に、柏木(目黒蓮)から電話がかかってきます。「お父ちゃんがおらんようになって工場までなくなるとかほんとしんどいわ」とかなりはっきり口にする舞。でも柏木が「そっち行こうか」と言っても舞は気を使って断ります。

断られても行ってあげてほしい。パイロットとはなかなか時間がとれないものなのかもしれませんが、貴司(赤楚衛二)がすぐに戻ってきたこととどうしても比べてしまいます。
「パイロットになって親孝行すればいい」という励ましもどこか的外れな気がして……。どうなっていくのでしょうか、遠距離恋愛

【朝ドラ辞典 遠距離恋愛(えんきょりれんあい)】

遠距離恋愛はなにかとドラマティック。『カムカムエヴリバディ』(21年後期)では安子が岡山、稔が大阪と離れた際は文通し思いを深めた。娘のるいは、愛する錠一郎がデビューの準備で東京に行き、滞在先のお嬢様の出現で不穏なムードになる。
『おかえりモネ」(21年前期)ではモネと菅沼がやたら入れ違いになって遠距離を続けた。
恋愛ではないが、夫が単身赴任先で浮気するのは『青春家族』(89年)。『おひさま』(11年)のヒロインの夫も一時期、自宅を離れて、ヒロインを心配させた。


(文:木俣冬)

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