続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年01月24日

「舞いあがれ!」菱崎重工の本部長(鶴見辰吾)登場で日曜劇場化してきた<第78回>

「舞いあがれ!」菱崎重工の本部長(鶴見辰吾)登場で日曜劇場化してきた<第78回>


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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第78回を紐解いていく。

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てっぺん目指す舞

舞(福原遥)はおとなしく見えてなかなかガッツがあります。IWAKURA の経営が安定してきたら、父・浩太(高橋克典)の悲願である航空機の部品づくりを目指そうと考えはじめます。高い山に昇ることに燃える性分は、人力飛行機を操縦するときからありました。つつましそうに見えて、高く高くーーと高みを目指すキャラなのです。要するに「てっぺん」目指す、なにわのヤンキー的なひとなのです(若干偏見)。兄・悠人(横山裕)が金髪なのも、そう思うとわかりやすい。じつは、岩倉家、オラオラ系なのではないでしょうか。回想シーンで悠人が黒髪だったのが、こんな時代もあったなーと懐かしく思いました。

そんな舞と比べて、貴司(赤楚衛二)は意外と気弱です。短歌賞に応募するにあたり、短歌は自分のすべてだから、それを審査されると思うと緊張してしまうようです。あちこち、旅してきて、五島の灯台で野宿(たぶん)するくらいのたくましさのある人ですが、心はとても繊細です。だから、舞の無邪気な前向きさに救われるのです。

ガツガツ働く舞が仕事で疲れてデラシネに来ると、貴司が料理を作る(第77回)というのは、なかなかいい関係性だと思えます。
デラシネ常連になっている子供が、「なあ、ふたりつきあってんの?」と訊くのも無理はありません。でも、舞は即行「友達」と否定します。福原さんがおっとりしっとり、ビジュアルもお嬢様ふうにしているから、そう見えないのですが、舞はわりと、さばさばした、恋よりも機械と戯れることが好きな人なんだと思います。

舞が買ってきた食材を「見せて」とのぞいて、料理のアイデアを提案する貴司の場面が、なんともいい雰囲気でした。

西のひとには、女性がやたらと元気で、男性がやらかい感じの組み合わせをよく見る気がしていて(個人調べ)、舞と貴司ってそういう感じがします。貴司って京都の老舗も若旦那役が似合いそう。

ほんとうは舞もナイーブ設定だったはずですが、飛行機と出会って強さが際立っていった感じがします。

さて、舞は、飛行機部品に参入しようと猛勉強をはじめ、セミナーに参加して、浩太が昔つとめていた大手企業・菱崎重工の事業本部長の荒金正人(鶴見辰吾)に出会います(荒金という苗字が猛々しい印象)。飛行機部品の道が開かれそうで……。

荒金は、各々、プライド高く思惑のある中小企業が力を合わせることが可能かと訊くと、舞は自信満々にできると言う。人々を束ねていこうとするのもどこかオラオラ系ですよね。


【朝ドラ辞典 新キャラ(しんきゃら)】

朝ドラに限ったことではないが、話の途中で新キャラが出てくると、
新展開がはじまる予感がして、空気が変わる。大きな転換の場合、有名俳優がキャスティングされ、貫禄の登場となる。

(文:木俣冬)

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