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2023年01月23日

「Get Ready!」第3話:泣けそうで泣けないシリアス×コメディ、鈴木亮平のサプライズ登場も話題に

「Get Ready!」第3話:泣けそうで泣けないシリアス×コメディ、鈴木亮平のサプライズ登場も話題に

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妻夫木聡主演のドラマ「Get Ready!」が2023年1月8日放送スタート。

本作は、多額の報酬と引き換えに、手段を選ばず患者の命を救う正体不明の闇医者チームの活躍を描いたダーク医療エンターテインメント。闇医者チームのメンバーには、主人公で孤高の天才執刀医・波佐間永介(通称:エース)を妻夫木、その相棒である交渉人・下山田譲(通称:ジョーカー)を藤原竜也、凄腕オペナース・依田沙姫(通称:クイーン)を松下奈緒、若き万能ハッカー・白瀬剛人(通称:スペード)を日向亘が演じる。

本記事では、第3話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

「Get Ready!」第3話レビュー


エース(妻夫木聡)とジョーカー(藤原竜也)が誰かを追っている。二人がたどり着いた場所には、何者かに刃物で刺された男性の姿があった。エースはその場ですぐに処置を施し、男性の命を救う。

一体彼らは何をしているのか。冒頭から怒涛の展開に引きつけられた「Get Ready!」第3話。

日本で未承認の術式や薬剤を使った手術に、患者との法外な取引。犯罪組織として警察にも目をつけられている闇医者チームを揺るがす出来事が起きる。


エースたちが追っていたのは、男性を刺して逃げた犯人の方だった。安達(杉本哲太)という名の犯人はエースの患者であり、末期の原発性脊髄腫瘍に侵されている。余命3ヶ月を言い渡されたが、3千万と引き換えにエースの手術を受けるはずだったという。

権力と地位を持った第1話の渋谷(池松壮亮)、第2話の坊城(柄本明)とは違って、ごく普通の会社員に見える安達。だが、その実、彼は身を燃やし尽くすような復讐心を抱えていた。

10年前、とある女性が3人の男から性的暴行を加えられた上に、生き埋めにされ殺害された。その女性こそ、安達の愛娘。安達は3人の男が全員刑期を満了したタイミングで、自らの手により、彼ら一人ずつを殺めようとしていたのだ。


日本でも実際に起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件を彷彿とさせる事件の内容に辟易する。その胸糞の悪さを少しでも和らげようとしているのか、今回は安達を追う警視庁特務捜査課のメンバーが終始大暴れしていた。

THE・体育会系の東堂(菅原琢磨)は勢いに任せて会社の扉を壊すわ、課で唯一の女性である菊川(片山友希)はかなりポンコツで何度もズッコケる。コテコテの関西弁を使う加須(吉田涼哉)に関しては初回から癖の強そうなキャラクターだと思っていたが、どうやら特務捜査課は基本的に全員が個性的ということがようやく見えてきた。

そんな彼らの行動で笑わせようとするコミカルな演出が目立つものの、それでも安達の娘が犠牲となった事件の胸糞悪さは一切拭えないし、そもそも拭えるものじゃない。


安達が刺した男たちを見つけては、その命を救うエース。これにはSNSでも「そんな奴らを助ける必要ある?」という声が挙がっていたが、作中でもクイーン(松下奈緒)がエースに反発する。

ジョーカーも安達を追う警察たちに自分たちの存在を知られてしまうことを懸念し、今回の案件から手を引くようエースに言い聞かせるも彼は全く聞く耳を持たない。エースは、亡くなった娘のためにも安達は生き延びる必要があると判断したのだ。

ようやく、見つけ出した安達に「娘さんはあんたを人殺しにするために生まれてきたんじゃないだろう」と問いかける。その言葉で安達は考えを改めるのだが、あまりにもあっさり折れたので拍子抜けしてしまった。10年もかけて復讐計画を立てていたのに、エースの割とありがちな説得に応じるだろうか。

たしかに娘は安達が犯罪者になることを望まないだろうが、本人が望んでいようといまいと、愛する人の命を奪われたら奪った相手に復讐したいと願う人も必ずいる。ましてや、あれだけ卑劣な事件だ。安達の覚悟はエースの言葉だけで揺らぐようなものではないと思うが……。


今回もゲストである杉本哲太の演技は素晴らしい。娘を失った父親の哀愁とともに、復讐にとらわれた連続殺人犯としての狂気も感じさせ、まるで映画を見ているかのように錯覚する瞬間もあった。

特に、叶わなかった娘との待ち合わせが空想上で行われた場面には思わず涙が溢れそうになったが、やはりストーリー上で気になるところが多々あって完全に入り込めないのも正直な気持ちだ。一種のシリアスコメディとして考えれば楽しめるのだが、これだけ豪華で実力のあるキャストが集まっているのに!という勿体なさも。

今回はラストで闇医者チームが雇っている謎の運び屋として、鈴木亮平も登場したので、徐々に物語が面白くなっていくのを期待する。

(文:苫とり子)

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