「夕暮れに、手をつなぐ」5話:デザイナーの才能を開花させる空豆(広瀬すず)と、相方歌姫が決まらない音(永瀬廉)
広瀬すず主演、永瀬廉(King & Prince)が共演する火10ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」が2023年1月17日放送スタート。本作は、片田舎で育った女の子・空豆(広瀬すず)と、都会の平凡な男の子・音(永瀬廉)の、互いの夢を応援し合う青春ラブストーリー。共演は田辺桃子、黒羽麻璃央、松本若菜ら。
本記事では、5話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「夕暮れに、手をつなぐ」5話レビュー
前回「秘密のキス」があったとは思えないほど、いつもどおりの距離感で話す空豆(広瀬すず)と音(永瀬廉)。音は寝ている間にキスされたため記憶にないのはわかるけれど、キスをした当人である空豆さえもどこ吹く風で、デザイナー事務所「アンダーソニア」に正式に採用になったことを喜んでいる。音が「コタツの90度が適切な距離、僕たちの」と言っていたように、前回は不自然に近づいたように思えた音と空豆の距離が、今回はまた離れてしまった。それは、元の位置に戻った、ということなのだろうか。
才能を花開かせようとしている空豆の横で、デビューを目前にしながらなかなか前進できない音。曲はあるものの、それを歌ってくれる適任の相方が見つからない。スポンサーの娘であるという「ゴスロリ娘」をあてがわれそうになるが、プロとしてのプライドを芽生えさせた音は「(曲を)よそに持っていきます」とその申し出を退けた。
スポンサーや社長の顔色を窺っていたユニバースレコードの磯部(松本若菜)は、主張を一転させ、謀反を起こすことに。歌の上手い友人を呼び、空豆がドレスを作り、社内で即興のゲリラライブを敢行。タイミングよく通りかかった社長が意思を変え、ゴスロリ歌姫はクビとなった。
一件落着……な展開にも思えるけれど、結果的に音の相方はまだ見つかっていない。着々とデザイナーへの道を歩み始める空豆を前に、音は少しずつ焦りを募らせ始める。
近づいたり離れたり、不安定な音と空豆の距離感に“テコ入れ”してくれそうな新キャラが登場した。空豆が新入りとして採用された「アンダーソニア」のパタンナー・葉月(黒羽麻璃央)である。
事前に「(新入りに)手を出すなよ」とデザイナーの久遠(遠藤憲一)から釘を刺されていたところを見ると、少々手が早いタイプのようだ。案の定、入ってきたばかりの空豆を何かと気にかけ、「夜のウインドウショッピング」に連れ出し、帰りに二人で蕎麦屋に来る仲にまでなっている。
新しい歌姫を紹介してもらうため、同じタイミングで音と磯部も店内にいた。鉢合わせした音と空豆は、なんだか気まずい雰囲気に……。
気になるキャラといえば、もう一人いる。セイラ(田辺桃子)だ。音との一件があって以来、前回は姿を見せなかったが、今回はなんと空豆と電話している。夜に取り込まれそうになって不安になり、助けを求めたのだろう。音のスマホに着信した電話を、空豆が代わりに取り、なんだか楽しげに会話をしていた。
セイラとしては、音を恋愛対象として見ているわけではなく、シンプルに「寂しい夜に話す相手」が欲しいだけのようにも見える。空豆が「なんだか、チクッとした」とモノローグで言っていたが、セイラが恋のライバルになるような気配は、一周まわって感じ取れない。
近づいたり、離れたり。微妙で不安定な音と空豆の距離に、きっと視聴者も振り回されている。それが狙いなのだとしたら、まんまと手中にはまっているのかもしれない。
(文:北村有)
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