「星降る夜に」第5話:鈴に忍び寄る魔の手。一星vs深夜が勃発!?

吉高由里子主演、北村匠海が共演するドラマ「星降る夜に」が2023年1月17日スタート。

本作は、恋愛ドラマの名手・大石静が紡ぐ大人のピュア・ラブストーリー。人に本音を吐けない孤独な産婦人科医・鈴(吉高)と、音のない世界で自由に生きる遺品整理士・一星(北村)。10歳差の2人が既成概念をひっくり返し、新たな価値観を見せる物語から目が離せない。

本記事では、第5話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「星降る夜に」第5話レビュー

妻のうた(若月佑美)が妊娠したが、「自分なんかが父親になっていいのだろうか」といつまでなら中絶できるか深夜(ディーン・フジオカ)から聞いた春(千葉雄大)。うたが腹痛を訴えて緊急搬送され、彼女の身に何かあったらと取り乱す。うたの腹痛は盲腸だった。安堵する深夜だが、うたは「あの人(春)は、私が流産すればよかったと思ってると思います」と言う。妊婦がこんな風に言わねばならない状況はつらい。

一星、自信喪失

呼び出された鈴(吉高由里子)と一緒に病院を訪れ、その様子を見ていた一星(北村匠海)は、自分の無力さを感じて自信をなくす。医療従事者ではないので何もできないのは当たり前なのだが、言い合いになった春に「お前みたいに耳が聞こえなかったら、お前みたいに自信満々に笑って生きられない。もし生まれてくる子の耳が聞こえなかったら、そんなの俺は無理だよ。抱えきれないよ」と言われたことも少なからず関係しているようだ。

仕事中も明らかに落ち込んでおり、北斗(水野美紀)たちに「春がいないと一星も静かね」「(声を出さないから)いつも静かなんだけどうるさいもんね」と言われていたのはちょっと笑ってしまう。一星だってもちろん人間なのでこんなときもあるのだろうが、初っ端から自信満々な一星を観てきた視聴者はちょっと戸惑ったのではないだろうか。

考え直す春

春が復帰してきた日、2人とも気まずそうだが、飲みに行くことに。ひどいことを言ったと気にしていた春が謝ろうとすると、先に一星が謝ってくる。春も前の仕事を辞めて引きこもっていたときに隣の部屋の遺品整理にきた一星たちを見て一緒に働きたいと思ったこと、普段言えない言葉も手話なら言えたこと、一星を尊敬していることを伝えた。序盤で一星にはわからないように鈴にだけ伝えた「尊敬する先輩です」を直接伝える展開が熱い。お互いに思い合う素晴らしい友情だ。

耳が聞こえるのに手話をマスターしている春、一星のために覚えたのかなと思っていたけれど(もちろんそれも理由の一つだとは思うが)、春自身が手話を使うことに救われていたとは。春は自分に価値がない、というようなことをたびたび言うが、ずっと手話を第一言語としてきた一星とあそこまで話せるのはすごいことなのに。

あらためて一星に悩みを打ち明けた春。「俺がうただったら今一番一緒にいてほしいのは春だけどな」と一星に言われてハッとする。うたの退院の日、勇気を出して話す。「うたは俺といて幸せ?」と聞くと「ケンカ売ってんの?」と返される。妊娠や出産への不安を伝えたうえで、産みたいという意思を示したうた。「春とお休みの日に昼から熱燗飲んで暴れたい」「すごいじいさんばあさんだね」という会話がいい。息子と言ううたに「息子なの?」「なんとなく。知らんけど」「春に似たかわいい顔した息子」「うたにも似るといいな」と続くのも微笑ましい。産みたいという意思を聞いて泣きそうになって喜ぶ深夜、本当にいい人。

鈴に忍び寄る魔の手、三角関係が激化

一方、鈴の身には大変なことが起きていた。前回ラスト、SNSに「雪宮鈴は人殺し」と書き込まれたのを発端に、家にも「人殺し」と書かれた多数の貼り紙をされ、盗撮した写真(一星や深夜も写っているし、家もわかる)をネットにアップされ、果ては家にレンガを投げ込まれる。これはさすがに嫌がらせを通り越して犯罪ではないか。

犯人は鈴を相手に裁判を起こした、危険な状態で運ばれてきて死亡した妊婦(子供は助かった)の父親なのだろうか。当時の回想シーンも出てきた。元同期に「他の病院には受け入れてもらえず、断られてしまった」と頼み込まれて引き受けたが、実際に運ばれてきた妊婦は聞いていた以上に危険な状態だった。元同期、大事な部分を伏せて押し付けるなんてひどくないか。また、鈴の当時の上司がひどいのは以前のシーンからも明らかだが、鈴の元職場はもともと30分に5人以上の診察を詰め込むなど、いいやり方をしてない状態だったようだ。さらに問題が起きたら、「そんな面倒な妊婦を受け入れた君の責任」だなんて、ひどい……。

患者さんを助けたい一心で引き受け、できる限りの対処をした結果、こんなことになってしまうなんて。
やるせない気持ちになる。

訴えた患者も患者で、逆に言えば鈴のところに運ばれてきたから子供は助かったのかもしれないのに、逆恨みをするなんて。でも、誰かを恨まないとやっていけないような精神状態なのだろうか。もちろんどんな理由があっても、こんな行動は許されないが……。

そしてここで一星と深夜の三角関係(?)が激化。ひたすら鈴を心配して行動する深夜。一星に友好的に手話で挨拶するが、一星は敵意むき出しで「鈴と付き合っている、お前には渡さない」とめちゃくちゃ早い手話を返すが深夜には伝わらない。むしろ一星を鈴の弟だと勘違いした深夜は、ハグしてきて、一方的な敵意である。深夜、めちゃくちゃズレてるけど面白い。

ちゃんと”キュン補充”できるシーンもある。
キスしてきて「何急に」「かわいいから」というやりとりや「鈴、好きだ」「知ってる」というやりとりがかわいい。情熱的でまっすぐなのが一星のいいところ。

でもレンガを投げ入れられたとき、先に部屋に入っていた深夜を見た一星は、おびえている鈴に「俺が耳が聞こえなくて頼りないからこいつに助けを求めたのか」と詰め寄る。気持ちはわかるけど、この状態の鈴にそんな言い方をするのはやめてほしい。深夜、勝手にきただけだし、そのおかげでレンガの直撃を受けずに済んだし。でもだからこそ余計、一星はつらかったのだ。

院長かっこいい……!

嫌がらせに驚く看護師たちの前に、「菜の花摘んできた~♡」とルンルンで表れる院長(光石研)、かわいすぎて最高である。しかも、裁判のことなどすべて知ったうえで彼女を雇ったことを告げ(それはわかるだろうけど)、動揺して「鈴宮先生にはしばらく休んでもらったほうがいいんじゃ」という看護師に「僕たちはいつも通り、何も変わらない。そうでしょ?」と言うの、かっこよすぎる。

確かに、やましいことがないのに休む必要なんてない。

照れ隠しなのか大騒ぎして去っていくところまで含めていい。鈴もこの人に救われたのだろうなぁ。

北斗の娘・桜(吉柳咲良)はひそかに一星のことを好きで、彼が鈴に会いに行くと知ってわざと車に乗せてもらい、鈴に見えるようにキスをした(そう見えただけで違うかもしれない)。

次回、三角関係(四角関係?)と鈴への嫌がらせはどうなる……?

(文:ぐみ)


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