(C)2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 (C)2013 石塚真一/小学館
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映画コラム

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2023年02月21日

アニメ映画『BLUE GIANT』が全細胞を沸き立たせる大傑作である「5つ」の理由

アニメ映画『BLUE GIANT』が全細胞を沸き立たせる大傑作である「5つ」の理由


(C)2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 (C)2013 石塚真一/小学館

お願いがあります。今すぐ『BLUE GIANT(ブルージャイアント)』の劇場情報をチェックし、観に行ける上映回を予約し、映画館に足を運んでください。

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▶︎『BLUE GIANT』を観る

前置き:今すぐ予約して、映画館で観なければならない理由

なぜなら本作はアニメ映画、青春映画、音楽映画、それぞれのジャンルの歴史をまるごと塗り替える大傑作だからだ。それは、レビューサイトのFilmarksと映画.comで4.3点の高評価(記事公開時)、そして連日のSNSでの絶賛の嵐が証明している。

しかも本作は、ありとあらゆる映画の中でも、トップクラスの絶対に映画館で観るべき作品でもある。映画館で観てこその興奮や熱狂、いや二度とはない「最高の映画体験」がある。そして超絶高評価であることは『RRR』や『トップガン マーヴェリック』とも一致している。

しかも、観る人を選ばない。原作漫画を読んでいなくても問題ないどころか、予備知識ゼロでも子どもから大人まで楽しめる(もちろん、原作を知って観てこその面白さもある)。極めて間口が広い「観ればわかる」圧倒的な魅力と面白さがあるのだ。

何より、『THE FIRST SLAM DUNK』からわずか3ヶ月後に、またも革新的で、全細胞が沸き立つアニメ映画を観られるとは思いもしなかった。何度も前のめりになり、何度も涙を流したのでオールタイムベスト級の大傑作となった。

【関連記事】『THE FIRST SLAM DUNK』を褒めちぎりたい理由、そして思い知る原作の偉大さ

お伝えしたいことの本質は以上である。他に事前に知って欲しいのは、パンフレットがレコードを模しており、大きくて持ち運びにくくはあるものの、読みどころたっぷりで必読であること。エンドロール後にも1シーンあるので見逃さないで、というくらい。

繰り返しになるが、今すぐ『BLUE GIANT』の劇場情報をチェックし、観に行ける上映回を予約し、映画館に足を運んでください。お願いします。公式Twitterのツリーでは、Dolby Atmosなどの音響にこだわった上映がされている劇場のアナウンスもあるので、ぜひ参考にしてほしい。


それだけで終わりにしてもいいのだが、ここからはアニメ映画『BLUE GIANT』の具体的にどこが素晴らしいのか、核心的なネタバレに触れない範囲で、たっぷりと解説していこう。何も知らずに観たい方は、いいから、もう、先に映画館で観てください。



1:震えるほどの感動がある、ライブシーンの表現

本作は「ジャズ」を題材とした作品であり、全編の約4分の1程度をライブシーンが占めている。つまり「音楽がメイン」の映画だと断言して良い。公式サイトのプロダクションノートでは、このアプローチについて、以下の2つの「問題」が挙げられている


1:見せ方の問題:歌詞がなく、数分間にわたる楽器演奏シーンを、ジャズに興味のないお客さんにいかに飽きずに見てもらえるものにするか

2:アニメーション技術の問題:ミュージシャンの演奏する様子などをいかにリアリティをもって描くか


これらについて、本作は「凄まじい」と思える回答をして見せている。まず、ダイナミックな構図、原作漫画の荒々しくも躍動感のある「線」の表現などから、ただでさえ迫力の音楽を、ド迫力のアニメの表現で「魅せて」くれることにも感動があったのだから。

その表現は、違う監督の名前を挙げて申し訳ないが、湯浅政明監督の作風を連想させられる。演奏シーンの迫力は同じく音楽映画である『犬王』を、幻想的で「ドラッギー」とも言っていい表現は『マインド・ゲーム』も思い出したからだ。



それでいて、サックスを弾く時の身体、ドラムを打ち鳴らす時の手、ピアノを弾く時の指など、それぞれの動きがジャズの門外漢でも「本物そののままだ」と確信できるほどのリアリティがある。

作り込まれたアニメは、時に実際の人間の動きを「こうなんだよなあ」と思わせてくれることにも感動があるのだが、それに見事に当てはまった。実際のレコーディング時の演奏をモーションキャプチャーして劇中に反映する、アニメーターが様々な演奏風景を参考にするなど、まさに「本物」を意識して細部までこだわって作られているおかげだろう。

(C)2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 (C)2013 石塚真一/小学館

総じて、この『BLUE GIANT』は、良い意味で現実から拡張されたアニメの表現と、本物さながらの演奏時の動きが組み合わさり、もはや「異次元」。震えるほどのとんでもない映像を作り出している

先ほどの文言では、作り手は「飽きさせないこと」を目指したとあるが、実際に出来上がったライブシーンはそれどころではない。「この一瞬一瞬に作り手の血のにじむような努力があることがわかる」「その一瞬一瞬を大切にしたくなる」「表現のすべてに放心するほど圧倒されて涙が出てくる」のだから。それこそが、作品に集中できる映画館という空間で観てほしい、第一の理由である。

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