「インフォーマ」第6話:たった1話なのに痛いほど伝わる愛之介(横浜流星)への愛
桐谷健太主演のドラマ「インフォーマ」が2023年1月19日深夜にスタートした。
沖田臥竜の同名小説を映像化した本作は、情報屋のカリスマが週刊誌記者とともに連続殺人事件の謎を追うクライムサスペンス。情報屋・木原慶次郎を演じるのは初の連続ドラマ単独主演となる桐谷健太。共演は佐野玲於、森田剛ら。
本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「インフォーマ」第6話レビュー
横浜流星の存在感が凄まじかった。ポンコツ1号こと、愛之介(横浜流星)について振り返るナナ(北香那)。愛之介はナナの夫で、あい(寺田藍月)の父親、そして河村(淵上泰史)の弟だ。
5年前のこと。
情報屋「インフォーマ」として動き出した木原(桐谷健太)。愛之介はその運転手だった。ポンコツ2号の三島(佐野玲於)と同じ立場ではある。大きく違うのは、木原を尊敬しているところ。そして、強い。
一方で、子どもが生まれるのだからもっと頑張らなければ、という父親としての責任感に燃えていた。そんな愛之介を木原もかわいがっているようだった。「ポンコツ」と呼んでいても愛がある。
兄である河村も愛之介がかわいくて仕方がない、というふうに見える。
くしゃっとなる笑顔。それだけで、人懐っこく無邪気な様子を見せる愛之介は愛される人なんだろうな、ということが分かる。
そんなとき、キャバ嬢に扮した長澤(MEGUMI)が木原に情報を渡す。
雑誌記者として、調査を行っていたようである。ドレスアップしているけど、なんだか強そうだ、長澤。
長澤が提供したのは、大物実業家が別荘にアイドルやモデルを集めて乱交パーティーを開くという情報だった。
情報を売ってどうこうするわけではない。情報をコントロールすることを目的とするインフォーマ。
が、もちろん、金は得られる。
木原は現場を押さえるために愛之介とともに別荘へと向かう。
SPたちを軽々と倒していく愛之介。
さすが横浜流星……と唸るばかり。ここまで重ためのパンチを繰り出す人たちが多かったが、なんとも軽やか。そして蹴りの位置が高い、高い。見入ってしまう。
愛之介の働きもあり、木原はスムーズに決定的瞬間を抑えられたが、そこに現れたのは謎の男(森田剛)。老紳士(石橋蓮司)には「亮」と呼ばれていた。「お前が日本を守るんだ」と言う言葉と任務ともに別荘にやってきたようだが、その真意はいまだ分からない。
愛之介はキム(一ノ瀬ワタル)に倒され、木原も銃で足を撃ち抜かれる。
ターゲットに何か紙を渡し去っていく。木原は敵う相手ではない、と判断したが、「やられっぱなしというわけにはいかない」と愛之介は男たちのあとを追う。
木原が止めても聞かない。こういう深く考えずに動くところも愛される要因なのかもしれないが、場合による。
木原が敵わない、という相手だ。
顔の形が変わるほど殴られても立ち上がる愛之介。さらに男を挑発する。
ピクリと男の顔が動いたのはもしかして「チビ」というワードですか、それとも「弱そうだな」ですか……。
どちらにしろ何かが癪に障ったのだろう。男はためらいもなく愛之介に向かって銃の引き金を引いた。木原の目の前で。
愛之介が死に、泣きじゃくる木原の姿が胸に痛い。
バックボーンを深く描かなくてもわかる。どれだけ愛之介を大事に思っていたのかを。
泣きじゃくりながら河村に電話をかける木原。それを受ける河村の表情に悲しみと悔しさの深さを感じた。
ナナと愛之介の娘の名前は「あい」。愛之介からもらった名前だろうか。どんな気持ちでこの名をつけたのか。
時は戻り、レストランで撃たれ、倒れている河村。
動くことができない木原。倒れた河村を観ているだけ。
木原もまた、男に撃たれるのかと観ているこちら側が身構えるが、そのとき電話が鳴る。
銃口を下ろし、立ち去る男たち。
木原は命拾いしたのか。しかし、またひとり大切な人を、失った。
(文:ふくだりょうこ)
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