「どうする家康」第8話:続く絶体絶命。この国の主は家康(松本潤)なのか
2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。
古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。
本記事では、第8話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「どうする家康」第8話レビュー
家康(松本潤)による本證寺からの年貢取り立てがきっかけで起こった、一向宗徒による一揆。家康は武力で抑え込もうとするが、なかなかに厳しい。
「進まなば往生極楽、退かば無間地獄」という言葉のもと戦っている者たちは強い。
喜んで討ち死にするというところか。そして有能な軍師がついているのではないかと家康たちは推測する。
一向宗側の兵は膨らんでいくばかり。家康の家臣たちも、「だからあいつらに関わるなと言ったのに」というテンションである。
松平昌久(角田晃広)らも寝返り、家康の家臣たちに謀反を唆す始末。
おまけに、今の家康に求心力がない。
本多忠勝(山田裕貴)や小平太(杉野遥亮)らのもとにも文が届き、彼らを惑わす。そして、兵の中には多くの一向宗徒らもいる。寝返りが続出するのも止められない。それほどに仏の教えが強いのだ。
手段を選んでいられない家康は半蔵(山田孝之)らを本證寺に忍び込ませ、空誓(市川右團次)を討つように指示を出す。
さらに、家康自ら本證寺に出陣。
家康の姿を見れば心変わりをする者もいるのではないかという考えだ。
しかし、敵中に誘い込まれ、銃口に倒れる家康。そこに一向宗徒たちが襲い掛かる。絶体絶命。そんな家康をかばったのは土屋長吉重治(田村健太郎)だった。一向宗徒で、家康を敵中に誘い込んだ張本人だ。
裏腹な行動だが、信仰と主への思いに板挟みになったのだろう。
この時代に寺を敵に回すのは、つまりそういうことなのだ。
そして、寺側の軍師も発覚。本多正信(松山ケンイチ)だった。
その事実は家康の心を大きく揺さぶった。
失策もするし、おろおろするし、人の話を聞かずに右往左往もする。後の家康とは想像もつかない。が、このころの家康は20歳を少し過ぎたころ。
そんなときに、信じていた家臣たちに裏切られ、これから裏切るかもしれない人たちに疑心暗鬼を抱く。
なんとなく、よく知っている家康が今作られているんだな、という感じがする。
一方で、印象的に登場しているのが今川義元(野村萬斎)である。
家康の夢の中で、「この国の主は誰か」と問いかける。家康は、この国の主は自分だと思っていた。そこに驕りがあり、今回のようなことを招いた。
主は、民。
「民に見放された時こそ、我らは死ぬのじゃ」と説く義元。
この教えがどう家康に響くか。
国がひとつの家のように、と言っていた家康。
瀬名(有村架純)は「ひとつの家がばらばら」だと嘆いていた。
本当の意味で家康は国をまとめるきっかけはつかめるのか。
(文:ふくだりょうこ)
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