続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年03月06日

「舞いあがれ!」このままパイロットにならなくてもタイトル詐欺ではない理由<第107回>

「舞いあがれ!」このままパイロットにならなくてもタイトル詐欺ではない理由<第107回>


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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第107回を紐解いていく。

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御園も資本金を出した

「舞ちゃんたちの新会社がいよいよ離陸しました」(ナレーション:さだまさし)

「おはよう日本 関東版」でも「パイロットになる話じゃないんですか?」と話題になっていました。最近の「おはよう日本」は「朝ドラ送り」というより、「朝ドラ」に関する雑談ふうで、でもそれが自然な感じでいいです。「朝ドラ」送り論はさておき、「パイロットになる話ではないのか?」という疑問は多くの視聴者の代弁になっています。

でも、あながちおかしくもないのです。第107回の冒頭に出てきた「離陸」という言葉には経済発展に関する意味があることをご存知でしょうか。

おそらくシニア層の方ならピンと来ていると思うのですが、ロストウというアメリカの経済学者が、経済の発展には5段階あると説いていて、「伝統的社会」「離陸のための先行条件期」「離陸」「成熟への前進期」「高度大衆消費時代」としているのです。

「離陸(テイクオフ)」とは経済がぐっと成長発展していく時期を指すのです。ロストウは日本の離陸は明治時代と言っています。
60年代の説だからいまならなんというかわかりませんが。はたして日本は明治以来の経済的発展を迎えるときは来るのでしょうか。

「舞いあがれ!」の舞いあがれ!はおそらく、経済的にも舞いあがれ!という願いがこもっているのでしょう。だから舞が起業していても話がずれてはいないのです。

ということで、第23週「飛躍のチャンス」(脚本:佃良太 演出:小河久司)では舞(福原遥)御園(山口紗弥加)は資本金を出し合い、銀行から融資ももらって起業をします。
御園は退職金か貯金を資本金につぎ込んだようです。舞にただ乗りしたわけではなくてホッとしました。

事務所はまわりに助けてもらって引っ越し、家具等もまわりからもらったもので、節約しているようです。

最初の企画は、パンチングメタルを使った商品開発です。舞はランプを作ろうと考えます。「日常に特別な時間を灯す」をキャッチコピーにしました。

舞はやる気はあるけどややおとなしい分、御園のぐいぐい押しの強さで、いいコンビになっているようにも思います。

さて。経済面を担当している悠人(横山裕)久留美(山下美月)と時々会って、投資の話などをしているようです。佳晴(松尾諭)とも仲良くなっているとかで、ほんとうの父とはうまくいかないままお別れしてしまったけれど、疑似父のようになっているのかもしれません。

【朝ドラ辞典 タイトル(たいとる)】

朝ドラはタイトルが命。わくわくするすてきなタイトルが毎回ついている。
「ん」がつくとヒットする法則というものがあった。内容が想像できるもの、でも端的にひとつではなく、いろいろな想像が広がるものがいいタイトルな気がする。
(文:木俣冬)

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