続・朝ドライフ

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2022年10月07日

「舞いあがれ!」第5回:いきなり娘に帰れという母のスパルタ

「舞いあがれ!」第5回:いきなり娘に帰れという母のスパルタ


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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。

本記事では、その第5回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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よく知らない島でよく知らないおばあちゃんとふたりきり

さだまさしさんのこの↑ナレーションに尽きますね。第5回は舞(浅田芭路)がひとり島に残ることになります。

好奇心のまま磯実習にでかけた舞は見たことのない海の生き物に目を輝かせます。めぐみ(永作博美)のつくったお弁当は美味しそうでクラスメイトとも打ち解けます。
でもそこでちょっとしたパニックに陥ってしまって……。

そのとき舞は過去、徒競走で転んでしまったときのことを思い出します。舞のストレスはめぐみの過干渉ばかりではなく、舞自身が過去の失敗に囚われているようです。

舞の気持ちを慮ってめぐみが過干渉になったのか、めぐみが仕事と育児でいっぱいいっぱいになって頑張り過ぎていることが舞にストレスを与え実力を出せなくなったのか、それはわかりません。


めぐみは全部自分でやれると抱え込むタイプ。祥子が「島のみんなが見てくれとる」と言うものの、ひとりでやると意地を張ります。

若干、頑張っている自分に酔ってしまうところもあるから舞は気を使ってめぐみの言動をなんでも聞いてしまうのかも。自分のしていることを肯定してもらいたいめぐみの気持ちを慮って、舞は自分のしたいことを抑え込んでしまうという悪循環を、祥子(高畑淳子)がずばっと断ち切ります。めぐみにひとり、東大阪に帰れと言うのです。

ゆっくりでいい、と「おかえりモネ」みたいなことを伝えてくるドラマですが、展開は早くて、来た!帰った!みたいな感じなのですが、小さい子が、ひとり島に残されて、やだ!とごねないところが舞の立派なところ。でもそれも「わたしと一緒にいたらお母ちゃんしんどそうやから」と気を使ってのことなのです。健気過ぎる。そんなことし続けていたらそりゃあしんどくなりますよね。

祥子のおかげでガス抜きというか本音を口にすることができるようになった舞、おばあちゃんに島でたくましく育てられそうです。

祥子のあとを追うように海岸を歩きながら舞がばらもん凧を見る場面はなんだかジブリアニメを見るような気持ちになりました。

「なつぞら」では草刈正雄さんがヒロインなつ(広瀬すず)をたくましく育てるおじいさん役でした。そのときおじいさんの昔なじみの役だった高畑さん。今回はヒロインを育てる役割になりました。

            【朝ドラ辞典  祖母(そぼ)
基本はホームドラマである朝ドラには欠かせない存在。核家族以前の大家族で暮らす時代を踏襲し、朝ドラでは主人公が三世帯で暮らしていることが多い。主として祖母は主人公にやさしくあたたかく接する存在。名優がキャスティングされ、作品を引き締める。人気キャラになることもある(例:「あまちゃん」の夏ばっぱ(宮本信子)。「ちゅらさん」のおばぁ(平良とみ))。ときには途中で亡くなってナレーションとして見つめ続けることもある。(例:「ごちそうさん」「おかえりモネ」)
            関連語:祖父


(文:木俣冬)

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