続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年03月15日

「舞いあがれ!」貴司(赤楚衛二)が「ちゃうで」と勝(山口智充)にツッコんだ<第114回>

「舞いあがれ!」貴司(赤楚衛二)が「ちゃうで」と勝(山口智充)にツッコんだ<第114回>


「木俣冬の続・朝ドライフ」連載一覧はこちら

2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第114回を紐解いていく。

[※本記事は広告リンクを含みます。]

▶︎「舞いあがれ!」画像を全て見る

「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する

章が次期社長?

軽い脳梗塞で倒れた祥子(高畑淳子)を見舞って東大阪に帰ってきためぐみ(永作博美)舞(福原遥)

玄関に入るとき、隣のうめづで雪乃(くわばたりえ)が「おおきにありがとう」と客を見送る声が聞こえます。ちゃんと挨拶してから帰宅したほうがいいのに……、本来なら、梅津が舞の家にいまはなっているはずなのに……。

みんながつながって、助け合って……というわりに薄情。というお約束のドラマ小姑ツッコミをしておきます。

その後、勝(山口智充)と雪乃を呼び、五島の料理でお礼しつつ、祥子を東大阪に呼ぶ相談をします。
勝のボケに「ちゃうで」とツッコむ貴司(赤楚衛二)のやりとりにほっこりしつつ、なんで相談? 世話を手伝ってもらおうということ? 

基本、賛成で、手伝う梅津夫妻ですが、勝が懸念事項を挙げます。子育てはだんだん楽になるが、介護は逆であると言うのです。確かに。育って手が離れる子供と、衰えていくばかりの親……。「なんかきつい言い方してもうてたらごめん」と勝はちゃんと謝ることも忘れません。こういうとこばかり気遣ってますけど。そもそも、祥子をいきなり慣れない東大阪に呼ぶことを第一に考えることが違和感です。彼女の希望・五島で暮らしたいを叶えることができないだろうかと、もっと議論すべきではないのでしょうか。ーーと思ったら、

そこはちゃんと、ゆくゆくは章(葵楊)に譲ろうと考えていました。
舞にはあくまでもやりたいことをやってほしい。それがめぐみの思いです。

ドラマだとめぐみと舞が五島に行く可能性から議論すると当たり前過ぎて退屈になってしまうから、視聴者の、ん? という違和感で感情を動かさないといけないものなのでしょうか。こういうところこそ、丁寧にデリケートにやさしさのあまり逡巡し葛藤する様を書いてほしい(「なんかきつい言い方してもうてたらごめん」)。

めぐみと舞が帰宅して、貴司がカレーを作って待っていて、みんなで食べようと家族団らんを強調したあと、祥子が病院でひとりで食事している対比が、家族一緒がいいよねを強調していて、しんどかった。

舞は舞で、夢が広がっていきます。2025年の万博に東大阪も参加しようとか、空と東大阪をつなげることとかを考え始めます。「空だったら舞ちゃんの得意分野じゃない」と御園(山口紗弥加)に持ち上げられて。

御園がなんでうるさく感じるのかとずっと考えていたのですが、山口紗弥加さんが近年、やばい系の役を怪演していたので、強引な印象が強くなっているのではないかと気づきました。「家族狩り」(14年)の「私、産むから」と強引に迫る役、凄まじかったので……。

ドラマがとりとめないから本日はレビューもとりとめなく終わります。今週、メインライター桑原さんの担当でしたよね。ちょっと意外。気持ちはもう最終週なんでしょうか(「なんかきつい言い方してもうてたらごめん」)。

【朝ドラ辞典 あとを継ぐ(あとをつぐ)】

家族の物語なので、家業の継承問題もたびたび持ち上がる。


(文:木俣冬)

木俣冬著「ネットと朝ドラ」、現在好評発売中

「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)NHK

RANKING

SPONSORD

PICK UP!