続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年03月24日

「舞いあがれ!」思いつめパリに行く貴司を空港まで見送らない舞<第121回>

「舞いあがれ!」思いつめパリに行く貴司を空港まで見送らない舞<第121回>


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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第121回を紐解いていく。

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なにわバードマンの面々が集まってくる

舞(福原遥)の波が順調な分、貴司(赤楚衛二)の波が下がっています。
すっかり短歌が作れなくなり、長らく黙っていたけれど、ついに舞に、短歌をやめようと思っていると打ち明けます。

貴司の苦しみを祥子(高畑淳子)は気づいていましたが、舞は気づいてませんでした。貴司はやさしいから自分の悩みを見せないようにしていたと祥子は慮りますが、いや、でもさすがに、けっこう仲良いふたりなのに、気づけないってことがあるのでしょうか……。

勝手な想像ですけど、貴司の落ち込みの一部に、舞があるような気がします。舞を応援するために短歌を作っていたけれど、自分がいなくても生きていけそうだから落ち込んじゃうのでは……。

もちろんそれだけでなく、根本には孤独が貴司の原動力で、結婚し子供もできて家族生活が中心にデンっと置かれたとき、モチベーションを見失ってしまったわけですが。

そこへ恩師・八木(又吉直樹)からはがきがきて、いまはパリにいるそうで。貴司は梅津、岩倉の家族会議を行い、大好きなおっちゃんに会いにパリに行くことにします。

おっちゃんに会いたい とうずくまる貴司は少年に戻ったように見えました。

2、3日の観光ではなく永い旅に行くようで、それだけの財力はあるようです、さすが。デラシネは祥子に任せます。以前、旅仕事をするとき、バイト募集をしてましたが、結局、バイトは見つからなかったのでしょうか。旅仕事の話がすっぽり抜け落ちている気がするのは気のせいでしょうか。

いずれにしても、貴司からいま見えるのは、幸せ過ぎる悩みなのです。なかなか贅沢です。なんとなくセットが地味なのでうっかりしてしまいますが、岩倉家はひじょうに裕福で、貴司も優雅に古書店をやりながら短歌をつくる売れっ子作家のようです。順調に生きている者がこのままでいいのかとふと、立ち止まるような話です。これに共感する視聴者ってどの層なのでしょうか。パワーカップルと呼ばれるような層でしょうか。

さて。舞のほうは、貴司を送り出し(玄関先で送り出し、空港まで行かないんですよ、あっさりしています。いまどきのパワーカップル←しつこい ってこんな感じなの? 撮影の都合があるから仕方ないと理解しますが)、空飛ぶクルマづくりに邁進しています。

なにわバードマンOBの渥美(松尾鯉太郎)、西浦(永沼伊久也)、日下部(森田大鼓)も集まってきました。倉庫がかつてのなにわバードマンの部室のような雰囲気がすこしあって、皆、それぞれ大人になりつつも、時代が戻ったような感じがします。

こっちには風間(いちえ)と堂島(鈴木康平)という若い世代が手伝いに来ています。デラシネにもそういう人がいたらいいのに。

それにしても八木って何者? 資産家?


【朝ドラ辞典 常連(じょうれん)】

朝ドラにちょいちょい脇役で出演するおなじみの俳優たちがいる。
「舞いあがれ!」の風間役いちえは、大阪出身の俳優。朝ドラでは「舞いあがれ!」「おちょやん」「まんぷく」「べっぴんさん」に出演している、BK朝ドラ常連俳優のひとり。
「舞いあがれ!」堂島役の鈴木康平は「あさが来た」「べっぴんさん」「わろてんか」「カムカムエヴリバディ」「舞いあがれ!」に出演している。
 
BK 常連、最大の人気者は海原はるか・かなた

参照:蟷螂襲


(文:木俣冬)

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