<マリオの映画>すごい小ネタ&元ネタ「10選」を解説!かわいい星のキャラ“ルマリー”が怖い理由とは?
1:映画が始まる前のロゴにも小ネタが!
映画が始まる前、アニメスタジオの「イルミネーション」のロゴが表示された時、そのイルミネーションの人気キャラクター“ミニオン”が「マリオカート」シリーズのカートに乗って走るというサービスがある。しかも「Nintendo」のロゴはドット絵のマリオとルイージが中央に寄ってきてジャンプするといった、「ディスクシステム」の起動画面を思わせるものだった。映画がまだ始まっていないの時点で、このファンサービスぶりなのである。
2:あの意地悪なライバルキャラは、日本では別の名前で呼ばれていた!
ピザ屋でマリオとルイージを「シッパイマリオブラザーズ」などと呼んでなじってくる意地の悪いライバルキャラの名前は“スパイク”。彼はファミコンのゲーム「レッキングクルー」などに登場する悪役で、その帽子にはしっかり「WRECKING CREW」と書かれている。実は彼は日本で“ブラッキー”と呼ばれていたのだが、名前を欧米と同じスパイクへと変えることにしたのだそうだ。
なお、劇中でマリオとルイージが立ち上げた水回りの工事などを請け負う会社の公式サイトが実際に作られているのだが、そこで明らかにスパイクと思われる名前で「マリオとルイージには忠誠心ってものがない!」などと星1つをつけた口コミが投稿されている。その人間の器の小ささがみて取れる。ファミリーコンピュータ向けソフト『レッキングクルー』などに登場するキャラクター「ブラッキー」の名称を、欧米での名称と同じ「スパイク」に変更いたします。なお、2023年4月28日に公開される『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』での名称も、同様に「スパイク」となっています。 pic.twitter.com/HhTXEOmzxn
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) April 20, 2023
また、マリオの母が会社のCMを観て「映画館で観たいわ!」と、ルイージが「これは映画だよ!」と言ったのは、まさに「映画を観ている」観客に対してのメタフィクション的な“くすぐり”だろう。ちなみに、字幕版でマリオの父と、後述する「JUMP MAN」を遊んでいるジュゼッペというキャラの声を務めているのは、ゲームでマリオの声を担当していたチャールズ・マーティネーである。
3:初出動のシーンは初代マリオのステージを再現!
ルイージが水回りの初めての仕事を受けた電話の着信音が「ゲームキューブ」を起動した時の音、というのもわかりやすい小ネタだが、さらにゲームファンを喜ばせたのは、2人が初めての仕事に向かうまでのことだ。
そこで工事現場があったりするまあまあ危険な道のりをマリオが突き進む様を、横のカメラから捉えている。何より重要なのはここが初代「スーパーマリオブラザーズ」のステージの再現になっていることだろう。
ブロック(工事のために置かれたあれこれ)の配置は「1-1」面と同じであるし、最後に「キャッスルバーガー」という名前のレストランのポールに捕まって滑り落ちる様は「城の手前にあるポールがゴール」というゲームの流れそのままなのだ。そのレストランの形も、ステージの最後にある城そのものになっている。
余談だが、その「1-1」面は「段階的に学ばせて難所を乗り越えさせる」秀逸な構成になっているとの研究もある。おそらく、この映画でのマリオはこの道を日常的に進んでいたからこそ、簡単に乗り越えることができたのだろう。
そんなマリオは、後述するピーチ姫が用意した「お手並みを拝見するステージ」で大苦戦してしまうものの、後のドンキーコングとの共闘では勢いよく飛んだり跳ねたりをして見事な“攻略”をしていた。それをもって、いかにもゲームらしい「慣れた場所では簡単に乗り越えられる」という“努力”を肯定しているとも取れるだろう。
さらにもうひとつ。マリオとルイージは下水道に降りて、うっかり壁を突き破って異世界であるキノコ王国へとワープするのだが、ここに「LEVEL 1-2」という表示がある。つまりは初代「スーパーマリオブラザーズ」の「1-2」面で、天井の上を突き進んで「ワープゾーン」へと行く様もオマージュもしているのだ。
4:劇中のゲームにはマリオが存在しない…!?
ピザ屋にあるのは、1981年のアーケードゲーム「ドンキーコング」っぽく見えるが、その筐体に書いてあるゲーム名は「JUMPMAN」だった。
その「ドンキーコング」は実質的にマリオのデビュー作なのだが、発表当時には主人公の正式名称がなく、「ジャンプマン」や「救助マン」などと呼ばれていた。マリオという名前が付いたのは、その続編「ドンキーコングJR.」でのことだったそうだ。
その「ドンキーコング」らしきアーケードゲームに、ドンキーコングでもマリオでもない「ジャンプマン」という名前がつけられたということは……この映画内世界でのゲームにはマリオが存在しないということを示していたのかもしれない。だからこそ、配管工であったマリオとルイージが、映画内で文字通りにヒーロー、いや、後述もするが「ザ・スーパーマリオブラザーズ」になることに納得できる。
さらに、ブルックリンが水浸しになってしまうニュース映像では、「スーパーマリオ オデッセイ」の女性市長である“ポリーン”が登場。「ドンキーコング」で捕まっている女性は当初は“レディ”と呼ばれていたが、後に同じくポリーンという正式な名前がつけられていたりもする。
さらに、マリオがふてくされながら遊んでいたゲームはファミコンの「パルテナの鏡」。「I'M FINISHED!」という字幕に「ヤラレチャッタ」の字幕が付くのは、言うまでもなくそのゲームの再現だ。この映画の続編があるとすれば、その「パルテナの鏡」の主人公のピットが出てくる可能性も……?
5:比較的最近のゲームの敵キャラも登場!
“クリボー”、“プクプク”、(クッパの火で燃えると骨だけの“カロン”になる)“ノコノコ”、(クッパにその他大勢と呼ばれて気の毒な)“トゲゾー”など、多数のおなじみの敵キャラももちろん登場。
ルイージがゲームキューブの「ルイージマンション」のようなホラー的な場面で遭遇する“ヘイホー”と“ムーチョ”は、なるほどパッと見で怖い印象を見事に生かしていた。
また、マリオがキノコ王国で初めて出会うてんとう虫っぽいのは「スーパーマリオ 3Dランド」などの“テンテン”、2本の長い足で移動するのは「New スーパーマリオブラザーズ Wii」などの“イバラムシ”。やはり、8bitの時代だけではない、比較的最近の敵キャラクターも登場しているのだ。
さらに、オープニングからクッパと戦い、後にはルイージと同じく溶岩の上に吊るされた牢獄に閉じ込められるのは、「スーパーマリオ64」のペンギンたち。同ゲームで、母ペンギンのために子ペンギンを運んであげたり、長い長い滑り台のレースの思い出がある方も多いだろう。
そのペンギンが戦うオープニングで、マリオのゲームとは関係のない映画『キル・ビルVol.1』の楽曲、布袋寅泰による「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」がバッチリハマっていたのには笑ってしまった。
コング王国でのa-haの超有名楽曲「Take On Me」にアガッた方も多いだろう。
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