「ラストマンー全盲の捜査官ー」4話:オオカミ型の紋章が謎を呼ぶ。吾妻(今田美桜)が終始暗い顔をしていた理由
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福山雅治・大泉洋W主演の日曜劇場「ラストマンー全盲の捜査官ー」が2023年4月23日放送スタート。本作は、福山雅治演じる全盲のFBI特別捜査官・皆実広見が、大泉洋演じる人事課室長・護道心太朗とバディを組み、難事件を解決していくストーリー。永瀬廉、今田美桜、吉田羊らが共演。
本記事では、4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
「ラストマンー全盲の捜査官ー」4話レビュー
皆実(福山雅治)と吾妻(今田美桜)がランニングをしていると、「刺された」と言いながら倒れる男性を発見。被害者となった男性・狩野浩紀は死亡してしまった。彼には蜂の毒によるアナフィラキシーショックが出ていたが、またもや皆実の審美眼により、狩野浩紀の手の甲に刺された針の痕ならびに“動物の紋章”が発見される。ブラックライトによって浮かび上がる、どこかオオカミにも似たマークの正体は、なんと痴漢撃退スタンプ。吾妻、そして亡くなった狩野浩紀の妻・君香(河井青葉)もその存在を知っていた。狩野自身が痴漢事件の係争中だったことで、夫婦で「痴漢冤罪被害者の会」に入っていたという。スタンプは、その会で販売されていたものだった。
会の代表は大学教授の真鍋美雪(伊藤歩)。知り合いが痴漢冤罪の被害で苦しんでいることから入会、なりゆきで会長になった……と口にしていたが、真犯人はこの真鍋だった。
狩野以外にも何名か同じ手口で命を落としており、全員が重要な案件に絡んでいたことから、当初は「国家規模の要人暗殺事件」とされていた本事件。しかし、新たな被害者・松宮聡(前野朋哉)がギリギリのところで一名を取り留め、事情を伺うと……この事件に意外な側面が浮かび上がる。
被害者たちはSNS上で繋がって痴漢グループを組んでおり、情報を流し合って反抗に及んでいた。真鍋の婚約者は、彼らに罠に嵌められ痴漢の冤罪被害者に。世間の目が和らぐことはなく、苦に思った婚約者はその後、自死。真鍋は、痴漢グループへの復讐と世直しのため、毒針を仕込んだ痴漢撃退スタンプを考案したのである。
しかし、最終的には真鍋の婚約者自身も、じつは痴漢グループの一員だったことが判明。冤罪でもなんでもなかった。真鍋がしていたことは、護道(大泉洋)が糾弾したように「痴漢と同じ、人を不幸にする行為でしかなかった」と言える。
吾妻も、過去に陸上競技をやっていた関係で、心ない写真を撮られネットに流される嫌がらせを受けていた。行為はエスカレートし、ストーカー被害に発展。学生の頃、皆実へ手紙を送っていたことにも触れられる。
もちろん皆実はこのことをすべて承知していた。だからこそ吾妻をチーム内に引き入れ、ランニングの伴走者として抜擢までしたのである。
吾妻の過去を深掘りする回となった4話。彼女の過去や人となりが知れたとともに、彼女に思いを寄せているであろう泉(永瀬廉)の言動もいつもより目立った。吾妻と泉の恋愛模様がこれからもフィーチャーされるかは不明だが、早いところ護道の過去に触れる回もやってほしい、と思わずにはいられない。
前回に引き続き、閑話休題的なエピソードが続いている。……と、思っているのは視聴者側だけで、実は今後に繋がる重要なポイントが隠されているのだろうか? 護道家に隠された秘密がどれほどの大きさか、まだ全貌は見えてこない。
(文:北村有)
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