「合理的にあり得ない」第5話:ラスト1分!!松下洸平の狂気に満ちた怪演でドラマの雰囲気がガラリと変わった
本記事では、第5話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明」第5話レビュー
「助けて!私、殺されそうなの」と、上水流涼子(天海祐希)の探偵事務所に飛び込んできたのは、第4話で散々、涼子とやりあった美容家の愛原樹里亜(水野美紀)だった。
しおらしく涼子に助けを乞うのかと思ったら、それは最初だけ。
出されたコーヒーを口に含めば「まずっ。よくこんなの出せるね。なにこれ、泥水?」と毒づく。
さらに「どうせ経営厳しいんでしょ?助けてあげる」と上から目線。
涼子も負けてはいない。
「なんであんたの仕事引き受けなきゃいけないのよ」とそっぽを向くも、貴山(松下洸平)に話だけでも聞くように促され、樹里亜の話を聞くことに……。
前回に引き続き、天海と水野のやり取りが圧巻だった。
ここまで実績を積み上げてきた女優同士の真剣勝負。
見苦しさは微塵も感じず、むしろ爽快でずっと見ていられる。
樹里亜は「必ず殺す 地獄に落とす 震えて眠れ」という脅迫状を見せ、自分の警護と、この脅迫状を送り付けてきた人物を捕まえるように言い放った。
涼子は「あーやっぱり無理。きらいだわ、こいつ……」と言いながらも、樹里亜が出した現金1,000万円を目の前に詰まれると「やりましょう」と急に態度を変えた。
表向きはお金で釣られたような形ではあったが、樹里亜のせいで自殺をしてしまった西田真紀(市川由衣)の無念を晴らすために引き受けた涼子。
天海が演じる涼子は、正義感と強さが全面に出ているが、優しさにも溢れている。
激辛を好み、事務所に設置してあるサンドバックを蹴る描写からは、過度なストレスを感じていることもわかる。
樹里亜の警護をしながら、脅迫状を送った相手を探る涼子と貴山。
真紀(市川由衣)の元婚約者、悟志(小久保寿人)が怪しいと思い、貴山が近づくが犯人は悟志ではなかった。
結局、脅迫状を送ったのは樹里亜の自作自演だった。
注目を集め、政界進出を目論んでの行動だったことがわかった。
しかも真紀は自殺ではなく、樹里亜に殺されていたことも判明。
しかし、真紀は生きていた。
海岸で樹里亜に殴られ、海に突き落とされたが漁師に助けられていた。
樹里亜への復讐を企んでいたが、涼子のお陰で真紀が悪に手を染めることはなく、涼子が樹里亜へお灸を据える形で幕を閉じた。
樹里亜は「上水流涼子、絶対忘れないから……」と言って、警察に連行されていった。
婚約者の悟志も真紀が生きていたことを喜んだ。
そして前回、貴山のファインプレイで盗んだ樹里亜の2000万円のネックレスを真紀に渡す涼子。
「その代わり復讐しようなんて気持ちは捨てなさい。憎しみを抱いたまま生きるのは辛くなるだけよ」と力強い言葉を投げかけた。
今回もスカッとした結末を迎え、気持ちは晴れ晴れ。
(涼子たちはネックレスの窃盗、樹里亜の誘拐とスレスレの行動をしていることは気になるが……)
無事に事件が解決したものの、貴山はまた「猫カフェへ…」と言って父親の病室へ向かった。
貴山が病室に到着すると、心拍数が戻った父親の姿が。
看護師が喜んで医師を呼びに廊下に出た瞬間、貴山も一緒になって喜ぶかと思いきや、まだ意識のない父親の胸ぐらを掴みながら
「どうして母さんを殺した? おい、起きろ!絶対に許さない。僕が殺してやる」
と激高。
一瞬でドラマの空気感が変わった瞬間だった。
尋常でない貴山の豹変ぶりに闇を感じる。
いったい貴山の過去に何があったのか。
涼子が真紀に放った「その代わり復讐しようなんて気持ちは捨てなさい。憎しみを抱いたまま生きるのは辛くなるだけよ」という言葉は、貴山へのメッセージだったのかもしれない。
涼子は貴山を闇から救うことができるのだろうか――。
思いがけない展開にまだ胸がドキドキしている。
(文:駒子)
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