「合理的にあり得ない」貴山の怒りと悲しみが爆発。天海と松下の演技を余すところなく魅せた第6話。
本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明」第6話レビュー
前回のラストシーンで貴山(松下洸平)は意識不明の父、勇作(小林隆)の胸ぐらを掴みながら、「どうして母さんを殺した? おい、起きろ!絶対に許さない。僕が殺してやる」
と豹変した。
6年前――。
18歳で渡米し、大学院ですばらしい成績を残した貴山。
さぁこれから就職しようとしていた矢先、日本にいる母と妹が亡くなったと知らせを受ける。
就寝中、自宅に火を点けられ、母と妹は死亡。
当時、外務省の官僚だった父も火事に巻き込まれ植物状態に。
そして、その父が母と妹を殺した可能性が高いという。
自分がアメリカで学生生活を送っていた間に、いったい家族に何が起こったのか。
そこで第5話のラストシーン、「僕が殺してやる」というセリフに繋がったわけだ。
一人残された貴山の気持ちを考えると涙が出る。
今は涼子(天海祐希)という、頼りになるボスの側で働いているだけで救われているかもしれない。
側にいてくれるだけで…大袈裟に言えば、存在してくれているだけでこちらが救われるという人物は多くはないが存在する。
まさに貴山にとって涼子はそんな位置づけなのかもしれない。
何不自由ない生活を送ってきた久実(白石聖)にとっても同じく。
涼子は、まさに彼らにとって太陽のような存在なのだろう。
第6話はストーリーが大きく動いた。
ある日、上水流エージェンシーに線路に転落した夫の死の真相を調べてほしいという女性がやってきた。
調べていくうちに依頼人の夫は、八雲建設の社長、八雲治(浅野和之)と、現職の国会議員で外務副大臣の増本幸次郎(石黒賢)の不正を暴こうとして殺されたことがわかる。
貴山の父もまたこの2人の不正に気付き、告発しようとしていた矢先に事件に巻き込まれたのだった。
父が母と妹を殺したわけではなかったとわかると貴山は
「父さん、ごめんなさい。なにも知らなくて……。」
と意識不明の父に涙を流しながら謝った。
この時の松下の演技が秀逸。
まるで小さな子どもが父に甘えるような姿だった。
母と妹の死の真相が解明され、一件落着と言いたいところだが、まだまだ謎が多すぎる貴山。
金庫破りができたり、裏社会の浩次(中川大輔)と繋がっていたり、なんでもこなせるIQ140の貴山の6年間が気になる。
そんな貴山が次は涼子の過去を救うのだろうか。
クスっと笑えたかと思えば、ミステリアスな雰囲気もあり、視聴者を飽きさせない。
はたして最終回まで「合理的にあり得ない」話はあといくつあるのだろうか。
(文:駒子)
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