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2023年05月26日

「あなたがしてくれなくても」第7話:“肉体的依存”と“精神的依存”は、罪深さに違いがある

「あなたがしてくれなくても」第7話:“肉体的依存”と“精神的依存”は、罪深さに違いがある

奈緒が主演する木曜劇場「あなたがしてくれなくても」が、2023年4月13日にスタート。

ハルノ晴による同名コミック(双葉社刊)を原作とする本作は、セックスレスをテーマにした大人の恋愛ドラマ。奈緒と永山瑛太、岩田剛典と田中みな実が演じる2組の夫婦の関係が複雑にもつれていく様を描く。

本記事では、第7話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「あなたがしてくれなくても」第7話レビュー

世の中の男女の、”浮気”の定義が知りたい。

三島(さとうほなみ)と一夜限りの肉体関係を持った陽一(永山瑛太)と、精神的に助けを求め合い支え合ったみち(奈緒)と(岩田剛典)。

どちらのほうが罪が重いのか、なにをもって”被害者”というのか。
それは、その人がなにを大事にしているのかによって、大きく変わってくるものだ。

ただ、著者の場合は、”精神的依存”の方が罪が重いーーそう思えてならない。

だって、性欲はある程度であれば代替が効くが、精神的なつながりは”その人”以外考えられなくなってしまうのだから。

「自分の心に刺さってた杭抜いて、代わりに奥さんにそれ刺しただけでしょ?」
「奥さんに刺さったその杭、どうなるかわかります?」
「今度はそれ、不倫相手の女に突き刺すんですよ。」

禁断の告白をしたことを打ち明けられた三島のこの言葉たちが、深く深く胸に刺さる。
まったくもって正論すぎて、ぐうの音もでない。

そして、彼女と同じくらいすべてを達観している女性がもう一人。後輩の(武田玲奈)だ。
メインディッシュのカラオケに、ミックスピザにポテチにハニートースト、山盛りポテトフライをトッピング。さぁ、話を聞く体制は充分に整った。

「先輩一人だけが被害者なんですかね?」

全視聴者が第6話ラストで思っていたことを代弁してくれた彼女。

「私とはしないで他の人とするなんて」

……肉体的な依存よりも、精神的な依存のほうがよっぽど重罪だ。

それにしても、突き放したフリをして温泉旅行のお土産を持たせたり、「え〜先輩、温泉旅行楽しかったですか〜?」とあざとい発言したり、「旦那さんってそんな悪いことしました?」と真意を突いたり。
はい、第5話ぶり2度目の、『あなた、本当に23歳?』。華ちゃん、あなたには本当に脱帽です。

最初は自分のことを被害者としか思えなかったみちも、過去の自分を振り返るにつれて、陽一も被害者だったのだと気付く。

悩む陽一、責めるみち。
そう、陽一は、みちから逃げたかったのだ。
それはきっと愛情とは別の感情であり、むしろ愛情があるからこそ逃げたくなってしまうのだろう。

「許さないでいいから、それでもここにいてほしい」

こんなこと言われたらもう戻るしかないよ、陽ちゃん。


さて、三島と華の凛とした強さが目立つ中、いよいよ(田中みな実)が本気を魅せてきた。

誠の掴めない雰囲気に若干の違和感を感じていた楓は、ふと”カーナビのとある履歴”のことを思い出す。そう、水族館だ。

「誠、浮気してるでしょ」

躊躇なく本人に突きつける楓。

そして、肉体的にではなく、精神的に”浮気”していることを打ち明ける誠。

「もし、体だけの関係なら許せたかもしれないのに」

……ほらやっぱり、精神的依存の高い浮気の方がよっぽど罪深い。

誠のスマホを盗み見る楓は、とあるものを見つけてしまう。
ガラス越しにみちが写る、水族館でのあの一枚。
……誠、なぜこれだけ消さなかったのだ……。

いよいよ会社に乗り込む楓。
みちを見つけるなり、それはもうまっすぐに「夫と浮気してますよね」の一言。あまりにも恐ろしい。

そしてなによりも、次回予告映像の悍ましさ。あんなにも怖い次回予告、見たことないです私。

もうおそらく、誠が楓のもとに戻ることはないだろう。
そんな中で楓はどのような行動に出るのか、気持ちに変化はあるのか。
はたまた、みちの気持ちは陽一、誠、どちらに傾くのか。

(文:桐本 絵梨花)

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