インタビュー

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2023年06月15日

Jホラーの新機軸『忌怪島/きかいじま』出演!川添野愛が語る清水崇監督と西畑大吾ら共演者、そして自身について

Jホラーの新機軸『忌怪島/きかいじま』出演!川添野愛が語る清水崇監督と西畑大吾ら共演者、そして自身について

『呪怨』シリーズを筆頭に、<恐怖の村>シリーズ三部作などを世に送り出してきたJホラーの巨匠・清水崇監督が、新たなる恐怖映画を生み出した! メタバースに代表される仮想空間と怨念をクロスオーバーさせたその世界観は、まさに令和を象徴する哀しき呪いの物語。背景に日本のムラ社会的構造も見え隠れする『忌怪島/きかいじま』がいよいよ、そのベールを脱ぐ。西畑大吾が演じる主人公・片岡友彦とともに、異世界と現実世界にまたがる呪いの謎に迫るチーム「シンセカイ」の一員・三浦葵役の川添野愛に撮影期間を振り返ってもらいつつ、芝居の世界で生きることへの思いなども聞いた。

撮影現場では“バラエティー担当”に

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──別の媒体で西畑大吾さんと清水崇監督の対談も取材しましたが、清水監督がボケて西畑さんがツッコむという関係性が微笑ましかったです。川添さんは監督とは、どんな感じでしたか?


川添野愛(以下、川添):私は監督がボケているのに真に受けてしまうことが多くて(笑)。会話の中にちょいちょい冗談だったり盛ったハナシを入れてくるんですけど、私は「あ、そうなんですね」って素直に聞いちゃうので、逆に「いやいや、ウソだよ」って監督にツッコまれていました。そうやって私が何でも信じるのを面白がって、監督の話もどんどん盛られていくという──。生駒(里奈)ちゃんに対する扱いとは明らかに違っていて、気づいたらチーム「シンセカイ」のバラエティー担当みたいなポジションになっていたんですよ。

──その生駒さんとは1学年違いの同い年(※川添が早生まれ)ですが、共演されてみていかがでした?

川添:しっかりしているところと、ちょっと天然な面とのギャップもありつつ……繊細さも持ち合わせていて。それでいて責任感が強い人なので、思っていることをはっきり言葉にする強さもあって。そういう姿を見ていて、さすが乃木坂46のセンターを務めてきただけあるなと思いましたし、お芝居において妥協をしない生駒ちゃんに対して心から信頼を寄せていました。

川添野愛の役との向き合い方

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──そんな清水組の現場で、川添さんは三浦葵というご自身の役とどう向き合っていたんでしょう?


川添:監督さんのテンションや演出法にもよりますけど、私自身は現場に入る前にお話できる場があるのなら極力コミュニケーションをとって、役のイメージを共有した上で撮影に臨みたいタイプなんです。実際に撮り始めてみたら想定と違っていた、っていうことは珍しくないんですけど、役の“髄”や骨格みたいなものはあらかじめ監督とお話して、構築しておきたいという思いは、どの作品や役に対しても持っていて。幸い、清水監督とは時間の許す限りお話をさせていただいて、生駒ちゃんの演じる未央との関係性やチーム内でのバランスなどについて、ある程度把握することができました。

それと、A4用紙にビッシリと文字が書かれた「シンセカイ」チームのメンバー1人ひとりのパーソナルデータも監督が用意してくださっていたんです。「これはあくまで参考用なので、気に留めるかどうかは各自の自由でーす」と、おっしゃいながら配っていらっしゃったんですけど、自分の役だけじゃなくてほかの人のキャラクターも細かく書かれてあったので、めちゃめちゃ参考になりました(笑)。しかも、「シンセカイ」はずっとチームで動いてきたという設定でありながら、演じる私たちは初めての共演だったので、「葵って、こういう設定もあるんだね」みたいに、お互いに話す糸口にもなって、そういう意味でも大いに助かりましたね。

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──なるほど。川添さんとしては、衣装合わせなどの段階で役のイメージをある程度かためておきたい、というスタンスなんでしょうか?

川添:かためたいわけではなくて、「お互いのイメージや考えを、あらかじめ共有しておきませんか」というニュアンスのほうが近いですね。たとえば衣装にしても、ハンガーに掛かって並んでいるのと私が実際に着てみるのとでは、印象が変わる場合もあるわけです。ビジュアルだけじゃなくて、実際にお芝居をしてみたらキャラクター性も当初のイメージと違っていた、という可能性もあるので、「できれば事前にコミュニケーションをとってイメージだけは共有しておきたいんですが、どうですか……?」という感じですかね──。

とはいえ、現場でも「ここはどうなのかな?」と迷うこともあったりするので、そういうときは監督の近くの椅子にチョコンと座って、「そういえば、あれってどういうことだったんですかね?」とか「こういうとき、どう思っているんですかねぇ」みたいに、あまり深刻な感じじゃない言い方で聞いてみる、ということもしていました。

特に今回は、清水監督の頭の中が知りたかったという思いも大きくて。VRや仮想空間という設定上、どんなCGになるのかは監督にしか見えていないわけですけど、それこそイメージを共有しておきたかったという思いから、あの手この手でいろいろ聞こうとしていましたね。コンテも用意してくださっていたんですけど、ちょっと次元が違っていて今イチ把握しきれてはいなかったのが実際のところで(笑)。なので、関係者向け試写を観て、ようやく全貌が見えたという感覚が私の中ではありました。

現場で抱いた西畑大吾の印象は?

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──その撮影期間をともにした「シンセカイ」チームとは、どんな雰囲気でしたか?


川添:最初から無理にいい雰囲気にしようと努めなくても心地よく過ごせる人ばかりだったので、めちゃくちゃ楽しかったです。でも、今にして思えば……山本春樹という役が明るいキャラクターだったこともあって、平岡(祐太)さんを筆頭にみなさんがそういう空気にしてくださっていたんだなって。キャスト陣には1人1台ずつオフショット用に「写ルンです」が渡されていたんですけど、空き時間になると平岡さんが「心霊写真撮ろうよ〜」って、いたずら少年みたいな顔で言ってきたりして。で、(園田環役の山本)美月さんに「最年長が一番小学生だね」ってツッコまれるという(笑)。

でも、「シンセカイ」チームでのお芝居のニュアンスや方向性に迷ったときは、ボソッと鋭いことを言うのも平岡さんだったんです。もし、全部分かっていて少年っぽく振る舞っていらっしゃったとしたら、現場で感じていた以上に助けられていたんだなって。そこは聞いてみないと分からないですけど……それぞれ「せっかくだから楽しい現場にしようよ」っていう思いは共有していたし、そのように心がけていた感覚もあります。

──主演を務めた西畑大吾さんの姿は、川添さんにはどう映っていたんでしょう?

川添:これは褒め言葉として受け取ってほしいんですけど、「おしゃべりが面白くて気さくな、近所のお兄ちゃん」感にあふれていて。ただ……ちょっとモノの見方に若さが感じられないときがあるというか、お兄ちゃんというよりもオジサンっぽいところもあったりしましたね(笑)。そんなふうに、ふだんは親しみやすいんですけど、なにわ男子のメンバーとしてテレビに出ているときは輝きが全然違っていて! 撮影期間中、西畑くんは東京でのお仕事もあるから結構、奄美(大島=ロケ地)と行ったり来たりしていたんですけど、大変な素振りをまったく見せないんですよ。かと言って、無理に元気よく振る舞っているわけでもなくて、スッと自然に現場へ戻ってくる感じでしたね。その“周りに気をつかわせない”たたずまいは、まさしくプロフェッショナルだなと思いました。

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──聞いた話ですが、東京から急いで戻ってきたものの、その日は西畑さんの手だけが映ればいいシーンだったと。それでも西畑さんは「全然大丈夫ですよ〜」と神対応を見せたという……。

川添:覚えてます! 清水監督もそのエピソードが大好きで、「西畑くんはさ、手しか映らない日もあったけど、やってくれたからね〜」って、ドヤ顔でご自分のことのようにお話するっていう(笑)。実際は、現場のスケジュールの都合でそうなってしまったんですけどね。

──そうだったんですね。何にしても、西畑さんの心意気は素敵ですよね。

川添:撮影の合間とかにグループに対する思いや考え方を聞かせてもらう機会があったんですけど、すごく熱い気持ちを持っていらっしゃるのが伝わってきて。しかも、情熱だけで突っ走る感じじゃなくて、西畑くん自身やグループが置かれている状況をすごく客観的に捉えてもいるんです。そういった視点は長いキャリアによって培われたんだろうと思うんですけど、撮影現場でも同じように彼自身を客観視して、どうすれば良い感じで場が回っていくか理解して行動しているように感じました。なので、私の中で西畑大吾という人は情熱的かつクレバーな人という印象があります。その存在感がまさしく座長でした……って、私が言うのもおこがましいんですけど──。

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