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2023年07月17日

「どうする家康」第27話:「俺を支えろ」信長(岡田准一)が口にした率直な思い

「どうする家康」第27話:「俺を支えろ」信長(岡田准一)が口にした率直な思い

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2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。

古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。

本記事では、第27話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「どうする家康」第27話レビュー

最期のときが迫っている。

 

織田信長(岡田准一)を討つ決意をした家康(松本潤)。計画を伝えたときの平八郎(山田裕貴)の目の輝き。家康に失望したり、期待したり、失望したり。それでも家康に希望を抱いている人なのだろう。

家臣団の反応はさまざまだ。
賛成派もいれば反対派もいる。が、酒井忠次(大森南朋)により、「殿を守る」で一致する。


信長を討つ計画は万全。妻と息子を亡くしてからの3年でいかに家康が変わったのかが分かる。

計画のうちに含まれるのが、信長に招かれた安土城でのふるまいだ。信長を討ったあとに、自分が討たれてはかなわない。信長が重用している武将たちは揃って各地に散らばっていた。残っているのは明智光秀(酒向芳)のみ。その明智を遠ざけるための計画。
出された料理……鯉が匂う、と言う。明智の準備に不備があったとするのだ。
無理をして食べようとする家康に、信長はやめておけ、と制する。

この日のために準備を重ねてきた光秀は心外そうだ。
そんなはずはない、家康が高貴な料理に馴染みがないからだろう、という。
怒りをあらわにする信長に、光秀は信長が言ったとおりに、と口走る。
光秀は、家康の料理に毒を盛ることができると信長に提案していた。酒宴にも関わらず、緊張感があったのは、家康も家臣団もそれを警戒していたからだろう。万千代(板垣李光人)だけもりもり食べていてかわいい。ずっとそのままでいてほしい……。

信長は光秀の提案を退けたのだろう。なんとなく、そういう姑息な真似はしない、見せないイメージだ。
どちらかというと、「鯉が匂う」ことより光秀の言動そのものがとても無礼である。家康にも、そして信長にも。

見事、明智を遠ざけることに成功する。

 

そしてその日の夜。信長は家康ひとりを呼び出す。

信長は、家康が自分を討とうとしていることを察していた。
家康の妻子を奪ったことに触れ、謝ってほしいか、と問う。しかし、信長は「謝らんぞ、くだらん」と言い放つ。ここまで、自分自身を抑え込んでいた家康だったが、これには怒り、感情をあらわにする。

信長は「だからお前に俺の代わりは無理なんじゃ」と言い放つ。

人を殺すということは、その痛み、苦しみも、恨みを全て受け止めるということ。10殺せば10の痛み、万殺せば万の痛み。

「俺は誰かに殺される。誰よりも無残に」

家康にできるのはせいぜい信長を支えることぐらい。
恨んでも憎んでもいい。俺をそばで支えろ。

なんという、熱烈なラブコール。

しかし、家康も受け入れるはずがない。
そんな家康に信長はわずかな手勢で本能寺に入る。覚悟があるなら自分を討て、と言う。
待っててやるさ」と。

家康が去ったあと、立ち上がる信長の後ろ姿。力なく見える姿が辛い。ここまで、信長は圧倒的な強さとカリスマ性を見せていた。
が、今回どこか老いを感じる姿はもの悲しさがある。だからこそ、信長は家康にそばにいてほしかったのかも。

周りを信じろと教えられた家康と、誰も信じるなと教えられた信長。
ふたりの運命をかつての教えが分かつのか。


信長は予告通り、わずかな手勢で本能寺に入る。
その知らせを聞いた家康は、本能寺にて信長を討つことを決意する。


……が、知っての通り、信長を討つのは明智光秀だ。
「来たな、白兎」と思ったら明智光秀なのはさすがに信長がかわいそうなのだが。
しかし、望む死に方ができないのも、信長が背負わなければならない業なのか……。

無敵に感じられた信長。その姿をしっかりと見届けたい。


(文:ふくだりょうこ)

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