「転職の魔王様」4話:来栖嵐(成田凌)が転職エージェントになった理由
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成田凌主演、小芝風花がヒロインをつとめる“月10”ドラマ転職の魔王様」が2023年7月17日放送スタート。成田凌が毒舌転職エージェント・来栖嵐を、小芝風花が3年で広告代理店を辞めた新卒社員・未谷千晴を演じる。人生のステージを変える「転職」をテーマに、異色のタッグが繰り広げる爽快エンターテイメントドラマ。
本記事では、第4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
「転職の魔王様」4話レビュー
思っていたよりも、来栖(成田凌)が抱える過去は闇深かった。海外エネルギー事業の会社に勤めていたが、26歳の頃に事故に遭い、左足を引きずる後遺症に。そのせいで会社では総務部へ異動の辞令を出され、結果、辞めることになった。性格もずいぶん変わってしまった事実を、彼の元恋人・剣崎莉子(岡崎紗絵)がシェパードキャリアに訪れたことによって知る千晴(小芝風花)。リハビリに疲弊し、会社も辞めることになり、自分の存在そのものが恋人の負担になっているかもしれない……。そう考えたら、性格が真逆になってしまってもおかしくはない。莉子が大学の元同期と仲良さげに話しているのを見かけたことで、来栖の心はささくれ立った。些細なことで喧嘩をしてしまったのが、二人の別れの理由だった。
来栖は、どうして転職エージェントになったのだろう。
もともとは、アフリカに支社も持つ海外エネルギー事業会社で営業をやっていた来栖。怪我をきっかけに夢や目標を断たれたことで、働くとは何か、仕事とは何か、それがどのように人生を形成するのかを考えたのかもしれない。
その証拠に、来栖は千晴や求職者に繰り返し聞いている。「それがあなたの本音ですか?」と。本心でそう思っているのか、本当にやりたいと思っている仕事なのかを問うことで、周囲の人間や環境に押し付けられたのではなく、自分で考え決めた選択だと覚悟を決めてもらう。
仕事=人生だと突きつける来栖の“サービス”は、荒いが、どこまでも本音だ。
莉子は、新しい恋人・周介(曽田陵介)と同居していた。連載の仕事を得るために日々、漫画を描き続ける周介を経済的にも支えるため、今よりも年収が二倍のライバル企業へ転職を検討する莉子。
しかし、いつだって「その人が考え抜いた最善の選択をしてほしい」と考える来栖は、元恋人の“転職支援”にも手を抜かない。本人にとって、その転職が良い結果にならないと思えば、考え直すように促す。「あなたの人生、このままでいいんですか?」と。
来栖のやり方はいつだって荒っぽいが、今回ばかりは彼に軍配が上がる。いくら周介が売れない漫画家だからって、話し合わないままに勝手に転職を決められたら、良い気はしないだろう。それが、自分を経済的に支えるためだと知ったら、なおさらだ。
“本音”で向き合った莉子と周介は、二人で協力し合い、窮地を乗り越えることを決めた。「二人なら、なんとかなると思う」と取り合った手は、きっともう、些細なことでは離れない。本音で話すことの大切さを知った彼らなら、結婚しても、次から次へとやってくる波を上手く乗りこなしていけるだろう。
次回、来栖のもう一段階深い闇に触れることになる。
どうやら例の事故によって、加害者は亡くなっていたようだ。その関係者が転職のためシェパードキャリアにやってくるようだが、どんな一波乱の種をまきにくるのやら。
(文:北村有)
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