「転職の魔王様」6話:宮野真守、白洲迅、西垣匠……中盤の折り返しにて新キャラ続出
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成田凌主演、小芝風花がヒロインをつとめる“月10”ドラマ転職の魔王様」が2023年7月17日放送スタート。成田凌が毒舌転職エージェント・来栖嵐を、小芝風花が3年で広告代理店を辞めた新卒社員・未谷千晴を演じる。人生のステージを変える「転職」をテーマに、異色のタッグが繰り広げる爽快エンターテイメントドラマ。
本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「転職の魔王様」6話レビュー
これまで幾度もの転職を繰り返してきた39歳の転職王子・八王子(宮野真守)と、彼が勤める不動産会社の営業マン・小池(西垣匠)。そして千晴(小芝風花)が偶然出会う謎の男性・天間聖司(白洲迅)と、6話の折り返し地点にて新キャラが続出した。八王子と小池は6話限りのゲストキャラだろうが、天間は今後も物語に絡んできそうだ。
39歳の転職王子・八王子が転職を繰り返す理由は、「出世したくないから」。今回のテーマは、出世=キャリアアップは幸福に繋がるのか? である。
出世して管理職になったら、みんな数字やノルマに追われて、幸せそうな人なんていなかった……。八王子の言葉に、それぞれの過去や現状を省みる視聴者も多かったのではないか。現場でバリバリ仕事をし、結果を残して評価されることにやりがいを見出すタイプもいれば、ガンガン出世してマネジメント側に移りたい人間もいるだろう。
しかし、出世をすればするほどついてまわるのは、責任だ。自分のミスや至らなさだけを背負うならまだしも、上に立つ者として部下の管理も必要となる。八王子のように、現場での仕事に生きがいを見出すタイプはとくに、出世が幸福に繋がるとは限らない。
来栖(成田凌)は言う。「あなたはどんな上司になりたいんですか?」「夢は何ですか?」と。地位が上がれば上がるほど、数字やノルマなど現実的な指標ばかりが際立って見える。夢なんて煌びやかな言葉は、いち早く忘れてしまうものかもしれない。
しかし、来栖が重ねて言った「せっかく出世して部下を持っても、夢の一つも語れない。あなたの人生、このままでいいんですか?」に、八王子は覚悟を決めた。
彼が彼のまま、変わらないままで楽しく仕事ができる社会。実際のところ、その実現は難しい。仕事ができる人間ほど出世を打診され、それを断ったまま同じ会社で働き続けることは、不自然とされる……それが現実だ。
しかし、八王子は独立することを決めた。変な悪習のない、自分らしく不動産営業ができる会社を作る。新しい夢を持った彼は、転職ではない道を選んだのだ。
果たして、キャリアアップは自分の人生において、必要なことなのか。仕事をしていると、より良いキャリアアップや人生設計が必須だ、と思い込んでしまう。
しかし、きっと、そうとは限らない。世間一般に流布した基準ではなく、まず「自分がどうしたいか」を考え、それがわかったら、はっきりと覚悟を決めること。
振り返れば、来栖はずっと同じことを伝えてくれている。自分の心の声を聞くことが、何よりも重要だと。
(文:北村有)
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