©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

【2023秋アニメ】アニメ好きライターが選ぶおすすめ作品“5選”


2023年の秋アニメが盛り上がりをみせている。人気作品がアニメーション化したり、新シリーズがスタートしたりなどラインナップがアツイ。

今回はアニメ好きライターが独断と偏見で選んだおすすめ5作品を紹介していく。

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1:「葬送のフリーレン」



山田鐘人(原作)とアベツカサ(作画)が週刊少年サンデー(小学館)で連載中の「葬送のフリーレン」。コミックスは既刊11巻で累計発行部数1100万部を突破。2021年には「マンガ大賞2021」大賞、「第25回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞するなど、今大人気のコミックスがついにアニメーション化された。

物語は、勇者・ヒンメルとそのパーティによって魔王が倒された“その後”の世界が舞台。ヒンメルと共に魔王を討伐した千年以上生きる魔法使いのエルフ・フリーレンと、フリーレンの弟子である魔法使い・フェルンが新たな目的を目指して旅をしていく。

アニメーション制作は「四畳半神話大系」や「Sonny Boy -サニーボーイ-」などを手掛けてきたMADHOUSEが担当。声はフリーレン役を種﨑敦美が、フェルン役を市ノ瀬加那が務めている。

本作は、フリーレンの心の動きを丁寧に描いているのが特徴だ。

これまで他人に関心を示さず、ソロで活動していたフリーレンだが、ヒンメル死後に徐々に気持ちが変化していく。フェルンを弟子に迎えたり、新たな仲間を探したり。誰かと一緒に過ごす時間の、楽しさや難しさを知る。

物語が劇的に展開するのではなく、ひとつの場面ごとにゆっくりと進んでいくテンポ感は、フリーレンの心の変化の速度にあわせているようである。フリーレンやフェルンたちの会話を聴きながら、長い旅路をゆったりと見守ってみてほしい。

▶︎「葬送のフリーレン」を観る

2:「SPY×FAMILY Season2」



遠藤達哉が集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+」にて連載中の「SPY×FAMIL」。TVアニメは2022年4月に第1クール、10月から第2クールが放送され、子どもから大人まで楽しめる人気作となった。2023年12月には『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』の公開を予定しており、今勢いのある作品のひとつである。

父・ロイドはスパイ、母・ヨルは殺し屋、娘・アーニャは超能力者と強者揃いの3人が正体を隠して家族になり、さまざまな試練を乗り越えるスパイ×アクション×ホームコメディ。“家族あるある”な日常や絶対に起こりそうにない非日常を、時に面白く時にシリアスに描いている。

Season2では、よりキャラクターたちの個性が炸裂する。ロイド、ヨル、アーニャに加え、ボンドやダミアン、ユーリなどの意外な一面が展開されていくのが楽しい。

そしてOP(オープニング)とED(エンディング)にも注目だ。



Season1と同様にSeason2の楽曲も、OPはAdo「クラクラ」、EDはVaundy「トドメの一撃」 feat. Cory Wongといった豪華なアーティストが手掛ける。



OPは疾走感のあるAdoの歌声とコンビネーション抜群な活気溢れる作画が流れ、EDはノスタルジックなVaundyの歌声にのせて、やわらかいタッチの画が流れる。土曜日の夜、わくわくする時間がまた戻ってきた。

▶︎「SPY×FAMILY Season2」を観る

3:「め組の大吾 救国のオレンジ」



曽田正人と冨山玖呂が「月刊少年マガジン」(講談社)で連載中の「め組の大吾 救国のオレンジ」がアニメーション化された。本作は1996年に第42回小学館漫画賞、1998年に第2回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した「め組の大吾」の続編である。

卓越した才能を持ち、人の何倍もの努力をして臨む十朱大吾、自身の壁にぶつかり葛藤する斧田駿、数少ない女性の特別救助隊員を志す中村雪の3人が、特別救助隊(通称:オレンジ)を目指す成長物語。

アニメーション制作は「夏目友人帳」シリーズや「ゴールデンカムイ(第四期)」などを手掛けたブレインズ・ベースが担当。十朱大吾役を榎木淳弥が、斧田駿役を八代拓が、中村雪役を佐倉綾音が務める。

「火災現場や災害現場から人々を救う」特別救助隊の仕事を詳しく紹介している本作。ナレーションの津田健次郎の声を聴きながら、彼らは今どんな訓練を、何のためにしているのかを教わる。他の職業と異なるのは、常に死と隣り合わせの現場であること。特に2話の模擬消化訓練棟での耐火建物対応訓練は、観ているこちらが息苦しくなるような訓練であった。

そして、特別救助隊員たちの人間関係の様子も濃く描いている。緊急時は命を預けるかもしれない相手だからこそ、人と人との結びつきが強い。最初はギスギスしていた大吾や駿、雪たちの関係も訓練を励むにつれて変化していくので、注目してほしい。

▶︎「め組の大吾 救国のオレンジ」を観る

4:「ミギとダリ」



2013年度「コミックナタリー大賞」 第1位、「このマンガがすごい!2014」オトコ編 第2位など、数々の賞を受賞し人気を博した「坂本ですが?」(KADOKAWA)の佐野菜見によるコミックス「ミギとダリ」(KADOKAWA)がアニメーション化された。

アニメーションはGEEKTOYSとCompTownによる共同制作で、ミギ役を堀江瞬が、ダリ役を村瀬歩が務めている。

児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリが、2人の少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、1人の少年「園山秘鳥」として裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられるところから始まる。正体を隠して2人で1人の人間を演じ、とある目的のために動いていくが……?

文字通り「2人で1人の人間を演じている」様子が面白い。両親に気に入られたり、友達を作ったりするため、2人は謎の合図を送り合い「園山秘鳥」として1人では絶対に実現不可能なことを成し遂げていく。中でも、1話で両親に気付かれないように食事中に入れ替わった描写は見事であった。

2人が綿密に作戦を練っている様子は聡明そうに見えるのだが、完全に見当違いだったり、抜けたりしている部分もある。そのギャップが個人的にツボにハマってしまった。2人で1人の人間を演じてまでして達成したいことは何なのか。計画は上手くいくのか。シュールな画を楽しみながら謎を追ってみてほしい。

▶︎「ミギとダリ」を観る

5:「薬屋のひとりごと」



小説投稿サイト「小説家になろう」発の日向夏による小説「薬屋のひとりごと」(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)がアニメーション化された。作画・ねこクラゲ、構成・七緒一綺によるコミカライズ(スクウェア・エニックス刊)は、「次にくるマンガ大賞 2019」でコミックス部門1位を獲得。シリーズ累計2400万部を突破している人気作である。

人さらいによって後宮へ連れてこられた、花街育ちの薬師の少女・猫猫(マオマオ)が主人公。宦官・壬氏(ジンシ)によって帝の寵妃の毒見役を任される中で、後宮内で起きる噂や事件についての謎を解いていくストーリー。

アニメーション制作はTOHO animation STUDIOとOLMの共同制作で、猫猫役は悠木碧、壬氏役は大塚剛央が務める。

まず印象に残るのは、建物や衣装、背景の描き方だ。花街も後宮も建物は全体的に赤がメインで使われ、そこに色彩豊かな衣装や自然の緑が加わり、美しいビジュアルとなっている。

そして本作は女性一人ひとりを魅力的に描いているのも特徴だ。帝の妃や侍女、下女など様々な立場の女性が登場するが、表情や佇まい、話し方などが立場によって異なる。帝の妃たちは艶やかで、侍女たちはチャーミングであった。

そんな中で猫猫は独特な雰囲気を醸し出す。何事にも動じず常に冷静。だが毒や薬を前にするとはしゃいで喜び、デフォルメ化された画で描かれる。悠木碧の演じ分けも相まって可愛らしいのも見どころだ。

▶︎「薬屋のひとりごと」を観る



ここまで、アニメ好きライターが独断と偏見で選んだおすすめの秋アニメ5本を紹介してきた。

どれも秋の夜長のお供にピッタリな作品なので、まだ眠りたくないと感じた時にぜひ観てみてほしい。

(文:きどみ)

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