続・朝ドライフ

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2024年03月08日

「ブギウギ」新居に六郎の写真がなかったのが悲しかった<第111回>

「ブギウギ」新居に六郎の写真がなかったのが悲しかった<第111回>


「木俣冬の続・朝ドライフ」連載一覧はこちら

2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第111回を紐解いていく。

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梅吉の葬儀に

梅吉(柳葉敏郎)が亡くなりました。
祭壇には、ちょっと気取った顔の遺影が。自然な笑顔を撮影するのは得意だった梅吉ですが、弟が100回も撮り直したと涙ながらに語る写真はよそ行きという皮肉。でも、いつでも自然な笑顔だったので、よそ行きの表情もたまにはいいでしょう。

そこへ、キヌ(中越典子)が現れます。
15年ぶりの再会です。
キヌはすっかり老いて、白髪が多く杖もついています。

スズ子(趣里)とキヌは香川の海岸、大きな松に座って語り合います。

梅吉は香川に戻ってから、キヌとその息子たちとも交流していたようです。子供たちの写真もたくさん撮ってくれたとキヌ。
ツヤ(水川あさみ)がキヌと連絡を断っていた分、何かしないとと思ったのかもしれません。

成長したふたりの息子(スズ子の異父兄弟)は何も知らずに愛子と楽しく遊びます。

スズ子、キヌ、愛子、ふたりの息子。複雑な家族関係です。

息子たちに「お母さんを大事にな」とスズ子が言ったとき、キヌは何かそわそわした表情をします。「お母さん」という言葉が響いたのでしょう。
スズ子はあえて、「お母さん」と言ったのでしょうか。あるいは「お母さん」と言ったとき、ふと、何か気づいたのかもしれません。

別れ際、スズ子はややためらいがちに「また 会いましょうね」と声をかけました。

さらに、ふたりの息子たちに支えられ、去っていく背中に向かってスズ子は、愛子(小野美音)にキヌのことを「マミーのマミーや」「愛子のおばあちゃんや」と教えます。

それを背中越しに聞いたキヌは喜びに心震わせ、振り返ります。

このとき、ちょっと先を歩いていた息子たちは「マミーのマミー」が聞こたでしょうか。聞こえたらびっくりだし、どう思ったのか。いや、ここではキヌにしか聞こえなかったということなのでしょう。スズ子のファンだったという息子、母とスズ子が友達であるだけでも嬉しいのですから、異父きょうだいと聞いたら腰を抜かすでしょう。

おそらく、スズ子は自分も母になって、しかもシングルマザーの苦労を味わっているので、ようやくキヌの思いもわかるようになり、心を軟化させられたのだと思います。

愛子は、「マミーのマミー」「おばあちゃん」と言われてもピンと来てないようです。

幼い愛子は、梅吉の死を理解できません。いないことが不思議でならず、梅吉の寝室で亀を抱えてきょとんとするばかり。

東京に戻る日、愛子は「この子、うちと離れとうないみたい」と亀に未練たっぷりですが、スズ子は東京に連れていくことを許しません。

愛子は、自宅に戻ってからも、梅吉が撮ってくれた愛子と亀の写真を見ながら「ホンモノのほうがいい」とさみしそう。ちょうど、そのとき、スズ子は、15年前にキヌからもらった、実の父・菊三郎からもらった金の懐中時計を見つけます。

時計を手にした愛子は「かいらしい時計や」とにっこり。

えええ、時計をもらったら、亀のことはもういいの? やっぱり幼いからそういうもの?

いずれにしても、亀は六郎と梅吉の魂を宿して香川に残り、時計は、キヌと菊三郎の魂として血の繋がった愛子に託されました。

でも、新居の仏壇代わりに飾った写真が、梅吉、ツヤ、愛助(水上恒司)の3枚で、六郎(又野暁仁)が写った家族写真が外れていました。六郎〜〜(涙)。

単に画角に収まらなかっただけで、隅に飾ってあって、来週になったら飾ってあることがわかるようになっていたらええなあ。

(文:木俣冬)

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