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映画コラム

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2024年05月11日

『猿の惑星/キングダム』を観て『ゼルダの伝説』の実写も任せられると思った「10」の理由

『猿の惑星/キングダム』を観て『ゼルダの伝説』の実写も任せられると思った「10」の理由


1:冒険の基本的な移動手段は馬


「ゼルダの伝説 時のオカリナ」では、主人公のリンクは馬に乗り移動をする。そして、今回の主人公であるノアの移動手段も基本的に馬なのだ。

これまでの『猿の惑星』シリーズでも「猿が馬に乗る」画はよくあったのだが、今回は主人公がひとつの場所にとどまらず、旅に出るアドベンチャー要素が強めなため、さらに馬での冒険にゼルダっぽさが出ているのだ。

2:断崖絶壁の高低差アクション


今回の冒頭から大きな見せ場として、崖を登ったり、あわや落ちかけてしまう、ハラハラドキドキの「崖っぷちアクション」が繰り出される。

3Dになってからの「ゼルダの伝説」シリーズも、同様に「高低差」を生かしたアクションやギミックが多い。両者に共通しているのは、「高所恐怖症の方は要注意」なヒヤヒヤがあること。「怖すぎるよ!」と、どちらかといえば良い意味での文句も言いたくなるだろう。

3:孤独な(だがお供もいる)冒険


「ゼルダの伝説」の魅力として、いい意味での「孤独感」があると思う。基本的に主人公のリンクはひとりで冒険し、その道中でプレイヤーは不安も抱えるが、だからこそ様々なキャラクターとの出会いと、自由で未知なる冒険そのものを楽しめるのだ。

その一方で、そのリンクにヒントを与えてくれる、お供となる妖精などのサブキャラクターもいて、そちらもとても愛おしくなったりもする。

今回の『猿の惑星/キングダム』の冒頭では、主人公のノアはとある悲劇を経て、まさにたったひとり、孤独での冒険を余儀なくされる。早めに冒険の仲間を得たりはするものの、それぞれの主人公をサポートする役割も、「ゼルダの伝説」のお供のキャラクターを連想させたのだ。


何より、美しい自然の多い、広大な世界での冒険そのものが、ビジュアルからして「ゼルダの伝説」にかなり近い。随所に人間の文明を感じられる、まるで廃墟を体験しているワクワク感があるのは、同じく任天堂のゲーム「星のカービィ ディスカバリー」もほうふつつとさせた。

ちなみに、冒頭で主人公が旅立つ流れは『もののけ姫』を思い出す方も多いだろうが、ウェス・ボール監督が意識していたのは2006年の映画『アポカリプト』らしい。そちらへのリスペクトは「観ればわかる」と言っておこう。

4:冒険には鳥もついてくる


さらに「ゼルダの伝説 時のオカリナ」では“ケポラ・ゲボラ”という、道ゆく先々でヒントを与えてくれる(ちょっとウザくもある?)フクロウのキャラクターがいたりもする。

今回の『猿の惑星/キングダム』では、同じように鳥のキャラクターが陰ながら冒険についてくるのだ。なんだかかわいい鳥のキャラクターを愛でたい方も必見だ。

5:ほぼほぼ「Z注目」していた


突然だが「ゼルダの伝説 時のオカリナ」におけるゲームの歴史を変えた大発明として、「Z注目」がよく挙げられている。これは対象の敵や物体をロックオンし、回り込んだり攻撃を加えることができるシステムで、3Dゲームの操作性やカメラワークの問題を解決した画期的なものだと絶賛されたのだ。

そして、『猿の惑星/キングダム』では、偶然なのか意識したのか、カメラが後ろに周り、敵と間合いをとりながら回り込み攻撃を隙を窺うという、まさにZ注目をしているようなカメラワークおよび「動き」のアクションが展開していたのだ。

その他のダイナミックなアクションそれぞれでも、ゼルダっぽさは大いに感じられるだろう。

6:明らかに怪しい罠もある

「ゼルダの伝説」シリーズでは「落とし穴」をはじめとした罠もよく登場する。それと同様に、『猿の惑星/キングダム』でも冒険の道中で明らかな罠が登場するのだ。

特に、流れの激しい川を横切る「橋」はあからさまに危険な雰囲気に満ち満ちていた。具体的にこの橋を渡るとどうなるのかはネタバレになるので秘密にしておくが、そこにもゼルダっぽさを感じたのだ。

7:見つからないように潜入するミッションも展開


「ゼルダの伝説」シリーズでは、「敵に見つからないように目的地まで潜入する」こともよくある。ゲーム「メタルギア」シリーズを思い出す方もいるだろう。

同様に、とある理由で『猿の惑星/キングダム』でも「スニーキングミッション」が展開する。「見つかったら終わり」なシチュエーションは、やはりシンプルにハラハラできるはずだ。

8:「文化」を感じさせる場所があり、その支配を目論む大悪党もいる


「ゼルダの伝説」シリーズは作り込まれた世界観、個性豊かなキャラクター、はたまた様々な人種が登場することも大きな魅力だ。

今回の『猿の惑星/キングダム』で登場するのは見た目こそ同じ猿ではあるが、異なる文化や価値観を持つ、それぞれの種族の特徴が表れているのも面白い。特に終盤に訪れる場所は、テントが張られた見た目から「ゼルダの伝説」シリーズの「ゲルド族」の文化も連想させたのだ。


とはいえ、『猿の惑星/キングダム』のその場所は冷酷な独裁者が支配している。

その独裁者の正論めいた言動に理性を感じる一方で、本質的には邪悪な存在に見える様は、「ゼルダの伝説」シリーズにほぼ共通して登場する大悪党・ガノンドロフを思い出す方もいるだろう。

9:場所に「歴史」も感じさせる


『猿の惑星』シリーズはSFではあるが、現実の人間の社会や人種にまつわる問題を風刺しているのも大きな見どころだ。今回は前述した通り、独裁者の浅ましさをストレートに描いているわけだが、さらに「現実の人間の歴史」をつぶさに見せる場面もある。

とある場所で、書物やアイテムから「過去に起こったこと」を読み取る様は、どちらかといえばゲーム「バイオハザード」シリーズっぽくもある。

同時に、とあるギミックを半ば「謎解き」的にクリアーしていく様や、それぞれの文化に長い歴史があると想像させるほどの作り込みも、またゼルダっぽいと思わせるのだ。

10:ネタバレ厳禁の衝撃のラストもゼルダっぽい?


初代『猿の惑星』は、何しろ衝撃的なラストが取り沙汰されやすい。今では「ネタバレ前提で語られるほどに有名なオチ」ではあるが、知らない方は是が非でも知らないまま観ていただきたいと願うばかりだ。

そして、今回も「ネタバレ厳禁の衝撃のラスト」が待ち受けていた。なるほど初代の二番煎じにもならないし、『猿の惑星』を知らない方にも十分すぎるほどの驚きがあると思えたし、それもまた「ゼルダの伝説」シリーズある感動に通じていると思えたのだ。

筆者個人は、「ゼルダの伝説 夢をみる島」のとある“秘密”に震えるほど衝撃を受けたことをよく覚えている。

ともかく、『猿の惑星/キングダム』は「ゼルダの伝説」シリーズのような世界観やアクションはもちろん、(ベクトルは多少異なる気もするが)物語上での感動にも、ぜひ期待してほしい。

(文:ヒナタカ)

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