続・朝ドライフ

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2024年07月03日

「虎に翼」寅子の娘・優未への対応が気になる<第68回>

「虎に翼」寅子の娘・優未への対応が気になる<第68回>


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2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。

日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となる“とらこ”こと猪爪寅子を伊藤沙莉が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第68回を紐解いていく。

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平等じゃない尊属殺

初代・最高裁長官・星(平田満)が亡くなって、2代目・山本(矢島健一)が就任。穂高(小林薫)は最高裁判事のひとりになっていました。

穂高もだいぶ、老いてきていますが、”出涸らし”として、やれることをと思ったのか、尊属殺に関して、意義を唱えました。人数的にはたったふたりの反対でしたが、寅子(伊藤沙莉)は声を上げ続けることが大切なのだと思っています。それは判例として残るからと。

穂高の「雨だれ石を穿つ」の心が最近はだいぶ、寅子のなかにも浸透してきているようです。米津玄師さんも「さよーならまたいつか!」で”100年先”と歌っていますから、いまこの瞬間、意見が通らないとしても、未来のためにも声を上げ続ける必要があるのです。

第68回は親子問題がいくつも出てきます。年下の者が年上の者(子供からみて祖父母、父母、叔父叔母)を殺す尊属殺に関して、刑が重いのは平等の法律に反するのではないかと問われていました。

穂高が異議を唱えた尊属殺の事例は、父親が暴力を奮われた子供が殺人を犯してしまった事件でした。平等という法律もいいことばかりではないようです。

その頃、寅子は、日本人男性とフランス人女性の離婚調停を担当していました。離婚にあたって揉めているのは親権問題。梅子(平岩紙)のように親権が欲しいのではなく、夫婦そろって親権を手放したがっているのです。どちらにも欲しがられていない息子・栄二(中本ユリス)が数度、窃盗事件を起こしているのは、親の愛情に飢えているからでしょうか。それとも御夫婦は、素行の悪い息子に手を焼いてのことでしょうか。

栄二の事件は少年部が担当しています。家事部と協力しあえないかと寅子は壇(ドンペイ)に相談しますがけんもほろろです。

こんな忙しいときに、月経が来て辛い寅子。昭和22年に生理休暇が労働基準法に盛り込まれたものの、正当に休暇をとる間もないほど忙殺されています。

労働基準法に盛り込まれた経緯をドラマでやってほしかった。誰がどういう経緯で法律に盛り込むための行動を起こしたのでしょうか。寅子のモデルの三淵さんと関係なくても、かなりオリジナルドラマなのだから、せっかく月経エピソードを描いているのだから、法律になるまでの経緯も描いてほしかった。

寅子がつらそうなので、優未は遠慮して、学校への見送りもしてもらいません。「優未とじゃキラキラしないから」というセリフが気になります。お母さんは仕事をしているときはキラキラしているが、自分の前ではキラキラしていないと感じているのでしょう。

しかも、テストで84点をとったら、100点とるまで努力するように言われてしまうのです。

女性は仕事も家事もなんでも100点を求められるのがつらいという話もあったし、花江(森田望智)は家事を手抜きしたいと宣言したにもかかわらず、寅子はそのことを忘れてしまっているようです。現実的な性格だから、それと学業の点数は切り分けているのかもしれませんが。それに寅子は勉強大好きですから。

寅子の言動の極端さは、これから物語として何かが描かれる前フリと思いますので、様子見です。

忙しいなかでも日比谷から神田へ電車に乗って、昼休憩に航一(岡田将生)とお茶する時間はあってよかった。月経中で動くのもつらいなら法曹会館のラウンジでいいんじゃないかと思いますが、せめて甘いものを食べて気分転換なのかも。
お昼ご飯を食べずにお茶だけってことはないですよね。昼ご飯食べないと午後からの仕事で力出ないよ〜と心配になります。余計なお世話ですが。

(文:木俣冬)

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