「おむすび」ギャルも書道もやめ農業に励む結(橋本環奈)【第26回】


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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第26回を紐解いていく。

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すき焼き家族会議

第6週「うち、ギャル、やめるけん!」(演出:小野見知)のはじまり。父・聖人(北村有起哉)が娘たちの変化を心配して号泣を目の当たりにした結(橋本環奈)はギャルを辞める宣言をします。
そして翌朝、家の農業を手伝いはじめます。これから土日はギャルと遊ばず、家の手伝いをすると宣言。ギャル嫌いだし、と言っていますが無理して見えます。結はいつも心と裏腹のことをしてしまうようで。彼女が何かをやめたほうがいいとしたら、心を抑えないことだと思います。

さらに結は書道部も辞めます。
家の手伝いがあるという理由に風見先輩(松本怜生)は休部という手もあると助言しますが、そういうことではない。彼は自分にも原因があるとは思いもよらないのでしょう。

恵美(中村守里)は風見先輩に彼女がいたから?とずばり指摘します。結はそうじゃないと否定しますが、「こんな急に気持ちが変わるとかおかしいもん」は視聴者の代弁のようです。

視聴者は聖人が荒れるシーンを見ているので結が気を使ってしまった気持ちもわからないではないですが、それにしたって書道部まで辞めてしまうのは、恵美の言うように風見先輩に彼女がいたからテンションが下がったように見えてしまいます。

もともと、ゆくゆくは農業を継ぐと決めていましたから、元に戻ったわけですが、一度変化したものは完全に元通りにはなりません。
結の変化を心配する家族。でも聖人は自分が原因と言われれも昨夜のことをまったく覚えていません。お酒を飲んでいたからです。まったく人騒がせであります。

歩(仲里依紗)は気を利かせて、永吉(松平健)に相談し、すき焼きしながら緊急家族会議を行います。歩がおじいちゃんに話しかけたとき縁側でやっていたのが、缶釣りで、それがおもしろかった。

すき焼きが美味しそう。その前に、二日酔いに聞く、大根おろしの生姜汁も美味しそうでした。二日酔いするほどお酒を飲まない筆者ですが生姜汁は飲んでみたい。

このドラマは、結は栄養士になるドラマなので、じょじょに美味しそうなものの登場率が高まってきているように見えます。美味しいものがたくさん出てくることは良い傾向です。

せっかくのすき焼き会議ですが、歩が神戸に戻らないのかと切り出し、不穏な空気に。
愛子(麻生久美子)は、住む場所はどこだっていい、家族がただいまと帰ってこられる場所であればいいとあたたかいことを言いますが、聖人は神戸に帰りたいが、いまとなったら糸島にも義理があってカンタンにはいかないとくよくよ悩んでいます。
結は、歩が急に家族の本音をさらけ出させたことに苛立ちます。

自分が気を使って、やりたいことを我慢して糸島で農家をつごうとしているのに、突然戻ってきてカンタンに神戸に戻ろうと言うことに腹が立ってしまうのでしょう。結局、結が
自分のしたいことを無理に我慢しているから、ストレスが溜まってしまうのだと思います。

ちなみに、「煮詰まる」という言葉がありますが、間違いやすい言葉とされています。
焦げ付いて停滞するみたいなネガティブな意味と誤用されますが、本来は前向きに内容うを「煮詰める」という意味です。家族会議のすき焼きは、美味しく煮詰められず、誤用的に煮詰まってしまったようです。



(文:木俣冬)

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