続・朝ドライフ

SPECIAL

2024年12月16日

「おむすび」社会人に編突入するも立川(三宅弘城)に冷たくされる結【56回】

「おむすび」社会人に編突入するも立川(三宅弘城)に冷たくされる結【56回】


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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第56回を紐解いていく。

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あんなにニコニコしていたのに

第12週「働くって何なん?」(演出:盆子原誠)は新章のはじまり。

結が星河電器の社食に就職しました。

出勤初日。翔也(佐野勇斗)につれてきてもらったときと立川(三宅弘城)は別人のように不機嫌。

「このひと、あんなにニコニコしていたのに」と結はショック。

確かにノリツッコミしていて、「おもろい?」「おもろい?」と繰り返していて

おもしろい大阪のおじさんかと思ったら、じつは頑固そう。

こういう人、います。触れてはいけないところに触れてしまうと急変する人。

でもそれはその人のとても大事にしている部分なのです。

立川に関しては、調理場が彼の聖域であり、簡単に若い栄養士にいじられてたまるかということでしょう。結婚して嫁がお姑さんの台所に入るときみたいな感じと似ていると思います。

さらに、彼は澤田(関口メンディー)の推薦と聞いて、へそを曲げています。なぜなら澤田は関西の球団でなく巨人にいったからです。

面倒くさそうな立川。結に仕事を振ってくれません。見かねた若い調理師の原口(萩原利久)が仕事を振ってくれ、そうこうしているうちにランチの時間。

目まぐるしいランチタイムに振り回されてぐったり。

栄養士らしい仕事はできず、ただただ雑用。まあそれはそんなものだとは思いますが。ところで、栄養士らしい仕事ってなんでしょう。「栄養士らしさって何なん?」です。

夜9時まで働き詰めで、社食のお仕事がいかに大変かはわかります。でもそこは翔也と同じ会社。待ち合わせて初日の不安を話して、励ましてもらって、そのあと、たこ焼きを食べに出かけます。幸せな結。たぶん、翔也がいるから、やっていけます。

一週間、冴えない日々でしたが、じょじょに冷静に社食事情を観察するようになり、利用者の意見――とくに女性のーーを聞いて、果敢に社食のメニューに関して立川に物申します。

結の指摘は、味が濃く、量が多すぎるというものでした。量が多いうえ、カラダによくないラードを使っているということ。メニューの見直しを提案すると、立川は「ほな俺辞めるわ」と激しく怒り出して……。

まず、賄いが美味しかったと言ってから本題に入ったのはよかったものの、そもそも話しかけるタイミングがよくなかった。阪神が負けてイライラしているときでしたから。

帰宅して父母にこの話しをすると、聖人(北村有起哉)は、一週間で意見を言うのは早すぎないかと言います。正論。聖人も職人ですから、そのへんわきまえがあるのでしょう。

たぶん、聖人も立川タイプ。ふだん、のほほんとしているけれど、自分の大事にしているものに関しては譲らず、頑固な人だと思います。

最近のドラマでは、こういういきなり他者に乱暴な口調で対応する人を、ハラスメントとみなして、描かない選択をするようになりましたが、「おむすび」はコンプライアンスが厳しくなる前の時代を描いているからか、乱暴な口調のおやじを堂々と出すのです。これはご立派。頭ごなしに何か言う人はいやなものではありますが、誰もがみんなものわかりがいいのもなんだかへんな気がしますから。でも、このままずーっと立川が面倒くさいままでもいやだし……。どう料理するかお手並み拝見であります。

パートの大堀さんと小堀さんって。メガネで少し大きなほうが大堀さんで、小柄な人が小堀さんでわかりやすい。

もう覚えました!脇役にこういう配慮があるのはいいですね。

星河電器の新たな有望選手・大河内勇樹(中山翔貴)も気になります。演じているかたの名前が翔也と同じ「翔」がついていてややこしい。この中山さんは野球経験者だそうですよ。

 
(文:木俣冬)

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