私が愛したリーアム・ニーソン主演映画5選

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6月7日より『スノー・ロワイアル』が公開されます。これは息子を殺された善良な父親が一転して復讐の鬼になり、善良なギャング団に復讐を図るも意外な方向へなだれこんでいきます。

ノルウェー映画『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』を同じ監督(ハンス・ペテル・モランド)のメガホンでハリウッド・リメイクしたこの作品の主演はリーアム・ニーソン。今では押しも押されぬ大スターですが、リアルタイムで彼の映画に接してきた者としては、いつのまにかすごい存在感を発揮する映画俳優になったなあといった感慨もあります。

そこで今回は、リーアム・ニーソンの個人的お気に入り作品を選んでみました!

ヒーローから実在の人物、元CIAまで
多彩な役柄を演じ分ける才人

その前にリーアム・ニーソンのキャリアを振り返ってみますと、1952年6月7日、北アイルランドの出身。ダブリンで舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、ジョン・ブアマン監督に気に入られて81年の『エクスカリバー』で映画デビュー。その後『銀河伝説クルール』(83)『ミッション』(86)『死にゆく者への祈り』(87)などに出演し、徐々に注目を集めるようになっていきました。

●ダークマン(90)

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そんなリーアム・ニーソンを日本でも大きくクローズアップさせるきっかけとなった作品がこれ。
殺し屋に襲われて大やけどを負い、その治療で痛覚をなくした科学者が、変わり果てた姿の超人ダークマンとなって殺し屋たちへ復讐します。
監督は『死霊のはらわた』シリーズなどで名を挙げた時期のサム・ライミ。初公開時はライミ監督がこういったヒーロー映画を撮ったことに映画ファンは注目したものですが(原案・共同脚本も彼)、やはりブラックでコミカル、そしてダークなヒーローの構築は彼ならではのものがあり、この作品が後の『スパイダーマン』3部作に繋がっていったように思えます。
もっとも、ここでのリーアム・ニーソンは火傷で顔をなくしている設定なので、その名は覚えても顔は覚えてないといった感じであったことも、今振り返ると思い起こされるのでした!?

●シンドラーのリスト(93)

シンドラーのリスト(字幕版)

リーアム・ニーソンを一躍スターダムに押し上げたのが、第二次世界大戦中のホロコーストがまかり通っていたドイツ国内で1100人ものユダヤ人を救出したドイツ人実業家オスカー・シンドラーを主人公にした超大作『シンドラーのリスト』でした。ユダヤ系アメリカ人スティーヴン・スピルバーグ監督が映画生命をかけて取り組んだ魂の叙事詩で、アカデミー賞作品・監督・脚色・編集・美術・作曲賞を受賞。決して善人とは言い切れないシンドラーの清濁併せ呑む魅力を体現したリーアム・ニーソンも、ここから大きく羽ばたいていくことになるのでした。

●マイケル・コリンズ(96)

マイケル・コリンズ (字幕版)

20世紀前半、アイルランドの独立運動家として活動したマイケル・コリンズの波乱の生涯を描いた作品で、アイルランド生まれのリーアム・ニーソンが一段と気を吐いて取り組んだことが画面からうかがえる力作で、監督は『クライング・ゲーム』などのニール・ジョーダン。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞および主演男優賞を受賞し、『シンドラーのリスト』からさらなるステップアップを果たしました。

●「96時間」3部作(08・12・14)

96時間 (字幕版)

この後『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(99)や『バットマンビギンズ』(05)などヒーロー系ファンタジー映画や、『愛についてのキンゼイ・レポート』(04)のようにSEXを学術的に語る異色作などに出演するリーアム・ニーソンですが、彼のイメージを決定づけることになったのは、この『96時間』3部作ではないでしょうか。

離婚した妻のもとで暮らす愛娘が誘拐され、その奪還に向かう元CIA工作員ブライアン・ミルズの活躍を描いた超絶ハードアクション。何といっても昔のキャリアを活かしながら確実に敵を追い詰めていく手口の見事さに、プロフェッショナルの凄みに圧倒されるとともに、リーアム・ニーソン自身のプロフェッショナルとしての誇りまでをも感じさせるものがありました。好評につき、全3部作となりましたが、個人的にはこれが彼の最大の代表作ではないかなと思ったりもしています。

●ザ・シークレットマン(17)

ザ・シークレットマン(字幕版)

当時FBI副長官を務めていたマーク・フェルトが、1972年に勃発したウォーターゲート事件の情報提供者“ディープスロート”として暗躍していった実話を基に描いたポリティカル・サスペンス映画の快作。事件当時ディープスロートの正体はわからずじまいだったのですが、時を経て2005年に自身が正体を公表したことでも話題になりました。ここでのリーアム・ニーソンは静の魅力を醸し出しながら、国家の陰謀と対峙しながら内部告発していく男を巧みに演じています。

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このようにヒーローから実在のキャラクター、スパイアクション的要素を兼ね備えた男など、さまざまな役を演じ分けるリーアム・ニーソン。『スノー・ロワイアル』公開を機に、彼の魅力をいろいろ振り返ってみてはいかがでしょうか?

(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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