『アリータ』監督による遊び心満載の『スパイキッズ4:ワールドタイム・ミッション』

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

2019年2月から3月にかけて日本で公開されるハリウッド超大作はどれも激ヤバなくらい面白いものばかりですが、中でもジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲス監督の『アリータ:バトル・エンジェル』は映画ファンならずとも必見の傑作です。
そこで今回はロドリゲス監督の出世作の中から『スパイキッズ4:ワールドタイム・ミッション』(11)をご紹介!

『スパイキッズ』シリーズの概要
その面白さとは?

スパイキッズ (字幕版)

まず『スパイキッズ』シリーズから軽く説明しておきましょう。これはパパ(アントニオ・バンデラス)とママ(カーラ・グギノ)がOSSという組織の凄腕スパイであったことを知った姉カルメン(アレクサ・ヴェガ)と弟ジュニ(ダリル・サバラ)が、やがて自分たちもスパイとなって大活躍するというもので、彼らが主軸となる作品が2000年から2003年にかけて3本製作されました。

それまでユーモアを利かせたハード・ヴァイオレンス映画の才人といった印象が強かったロバート・ロドリゲス監督ですが、ここでは童心に戻ったかのように遊び心満開のドタバタ&コミカルなアクション・ファミリー路線を確立。次々と繰り出させるハイテク・メカも007シリーズのパロディというよりも、やはり子どものオモチャ感覚といった感じです。

そんな遊び心はエスカレートして第3作『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』(03)は3D映画として製作。これはジェームズ・キャメロン監督が『アバター』(09)で3D映画ブームを築き上げる前の、アナグリフ方式(要するに赤青メガネのヤツです)作品でもありました。

そして時を経て2011年に発表されたシリーズ第4作『スパイキッズ4:ワールドタイム・ミッション』は、それまでのカルメン&ジュニのスパイキッズ姉弟が成長したこともあって、新たなキャラクターがメインとなって活躍します(カルメン&ジュニもゲストで登場)。

OSSのスパイ、マリッサ(ジェシカ・アルバ)は出産を機に引退し、自分の素性を隠したまま夫ウィルバー(ジョエル・マクヘイル)と彼の連れ子であるいたずら好きの双子レベッカ(ローワン・ブランチャード)&セシル(メイソン・クック)の姉弟、そして生まれたばかりの赤ちゃんと一緒に暮らしていました。

正直、マリッサとレベッカの仲はまだぎこちないものがありますが、ある日マリッサがレベッカにプレゼントした赤い石のネックレスが、悪党タイムキーパー(ジェレミー・ピヴェン)に奪われてしまいます。

実はこの石、クロノスサファイアと呼ばれる、時空を操る秘石だったのです!

やがてマリッサの正体や事の真相を知らされたレベッカ&セシルは新たなスパイキッズとなり、マリッサとともにクロノスサファイア奪還に乗り出した!

前3作から7年後に登場した
新たなスパイキッズ!

(C)SPY KIDS 4 SPV, LLC.

本作はシリーズをこよなく愛するロドリゲス監督が第1作のリブート的感覚で取り組みつつ、前作から7年後という設定も活かしながら、シリーズのファンには懐かしくも嬉しい展開を示してくれます。
(成長してぐっと大人っぽくなったカルメンにも驚かされる!)

またテレビシリーズ『ダークエンジェル』で人気を得たジェシカ・アルバのお色気と、愛らしいキッズたちを両立させた作り(さらには彼女のベイビーも実は…!)。

おしゃべりするスパイロボット犬アルゴノートの登場もなかなかユニークです。

実はこの作品、前作同様3D映画として制作され(今回は赤青メガネではなく『アバター』以降の方式です)、さらには劇場公開の際はこすると匂いがするカードを配布され、上映中は状況に応じて匂いを楽しむ4D映画として上映されました(今の4D映画は椅子が動いたり水をかけられたり、良い匂いがしたりといった感じですが、当時はこういうアナログなやり方を4Dとみなしていたのです)。

さすがに自宅での鑑賞でそれらを再現することはできませんが、いろいろな匂いのお菓子を並べながら鑑賞すると、4D気分を味わえるかと思われます。

ハードヴァイオレンスだけでなく、こういった童心を全開させた遊び心満載の作品を同時に作る続けるロバート・ロドリゲス監督だからこそ、『アリータ:バトルエンジェル』の成功もあるように思われます。

ぜひ本作及びシリーズを見直しつつ、『アリータ』も楽しんでみてください。

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(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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