映画コラム

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2017年08月21日

私と映画Vol.11「丸商 福田学社長支えるストーリー」[PR]

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顧客満足度が高い企業だ。滋賀県の住宅メーカー・丸商。宅地開発から設計・建築まで一貫して請負い、スケールメリットを活かしてコストダウンを実施。何より、顧客のライフスタイルや個性を重視し「変わり映えのしない建て売りなどはつくらない」と信念を貫く姿勢が共感を集める。福田学社長に聞いた。



丸商・福田学氏

自らが描いたビジョンの
実現を追求する「海賊」


岡田准一さん主演の『海賊と呼ばれた男』は、経営者にとっても、起業を目指す方にとっても必見だと思います。経営者が大切にすべき何かが凝縮されていて、学びがあるからです。あと、勇気が持てるようになります。起業家は苦しい局面を迎えることもありますが、そんな時、主人公と自分を重ねあわせられるのです。
主人公・国岡鐡造のモデルは、出光興産創業者の出光佐三さん。映画では彼が率いる国岡商店が荒波に翻弄されながらも大企業に成長していく過程が描かれます。
なかでも私が共感するのは「次の時代を創ろう」とする思い。鐡造は「エネルギーと言えば石炭」だった時代に石油へ目を向けます。そして日本が第二次世界大戦に敗れても、欧米の資本に世界の石油を牛耳られても屈せず、商売を世界へと広げていきます。
もちろん一筋縄ではいかず、彼の周囲は敵だらけです。ライバルとの利権争いを制するため、海に漕ぎだして漁船に石油を売り、彼は「海賊」と呼ばれます。イランとの取引では、英米の石油会社だけでなく、日本政府にも秘密が漏れないようにします。そんななかでも、彼は自分が思い描いた「未来はこうなる」というビジョンの実現を求め続けるのです。
じつは私も、鐡造と自分を重ね合わせる場面がありました。
当社は元々、売上数億円の不動産業でした。社員数も数名。しかし私は、不動産業だけでなく、家のデザイン・施工にも踏み出したい、と考えました。お客様は、ただ「家を建てたい」わけでなく、その家で幸せな暮らしを実現したいはず。そこまで関わりたかったのです。
また、いわゆる「建売住宅」が並ぶ町並みがありますが、私はこの景色を少しずつでも変えていきたいと考えました。例えば当社は、クルマが好きなお客様にご自分の部屋からクルマが見えるガレージハウスをご提案し、施工したことがあります。サーフィンが好き、バーベキューが好き、家族でいつも一緒にいたいなど、お客様の様々な個性を尊重すれば、住まいも違ったものになるはず。そして、材料を規格化するなど様々なアイデアを活かせば、建売住宅とほぼ同額でできることもわかっていたんです。
しかし、信じてもらえるのはごく一部の人だけ。例えば必死で業績を伸ばしたにも関わらず、金融機関の部長クラスが当社を評し、部下に「今だけやで、そんなに貸せん」と話すのを聞いたことがあります。また、ライバルに敵視され、周囲に「あの会社の仕事は請けるな」と言われたこともあります。
起業家は多かれ少なかれ、こんな思いをするものだと思います。そんな時、鐡造のストーリーと自分を重ね合わせれば、きっと勇気が出てくるはずなのです。

理想を描き、実現する
その仲間が社員たちだ


あとは社員との関わり方です。じつは私のビジネスが成長したのも、私を信じてくれた社員がいたから。社員に媚びるわけでなく、大変な高給を出しているわけでもありません。しかし、社員は私のビジョンを信じ、全力を出してくれています。彼らのブログを読むと、ところどころにお客様への思いがあふれているのがわかってほほえましい。時には社長の私が「そこまで頑張ったら赤字やぞ?」と言ってもやめないほどです。
なぜ彼らがそこまでするのか。理由は、やはり私自身が強い思いを持っているからではないでしょうか。私はメンバーの成長に対し責任を負い、彼らを成長させ、今まで見えていなかった景色を見せたい、と強い思いを持っています。だからメンバーのことを考える時間もとても長い。これが奏功しているのか、離職率もゼロだったりします。
そしてこれも「海賊と呼ばれた男」の様々なシーンと重なるのです。敗戦により鐵造は海外の資産をすべて失いました。還暦を迎え、手元には借金と、たまたま消失しなかった本社だけしかありません。でも彼は、自分のことより社員のことを考えます。誰一人として解雇せず「愚痴をやめよ」「ただちに建設にかかれ」と鼓舞するのです。
会社はきっと、理想を実現する集団なのでしょう。お互いが絆でつながり、実現すべきビジョンを共有し、初めて組織として機能するんです。だから国岡商会も、そして私事ながら丸商も、成長軌道に乗ったのだと思います。
映画では、国岡商店に危機が訪れるたび、鐵造がアイデアを出し、それを社員が必死で実現するシーンが描かれます。そして、皆が高らかに社歌を歌います。こんな場面を見ると、私はやはり、仕事に力が入ります。本当に、経営者として大切なことを教えてくれる名作ですね。


【プロフィール】
福田学



1976年、滋賀県生まれ。大学在学時に簿記や宅建などの資格を取得し、卒業後半年で不動産業を起業。現在は丸商社長として、marusho home designing(http://design.marusho-shiga.co.jp)、MARUSHO PROPERTY( http://www.marusho-shiga.co.jp/)を率いる。

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