「ベイビー・ドライバー」、大ヒットの自信あり!!ソニー・ピクチャーズ 後藤優ディレクターに聞く。

■「役に立たない映画の話」









見たら誰もが惚れてしまう、希有な作品



 ここまで絶賛される作品も珍しい。

この19日から公開される、ソニー・ピクチャーズ配給のエドガー・ライト監督作品「ベイビー・ドライバー」は、1度見れば誰もがぞっこん惚れ込んでしまうような作品だ。




もとはといえばアメリカの映画批評サイト「ロッテントマト」で絶賛されたことがきっかけだが、いざ日本でもマスコミ試写が始まるや、全回満席。その評判はアメリカと同様、絶賛が相次ぐこととなった。
 

そこでこの「ベイビー・ドライバー」の宣伝を担当する、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント映画マーケティング部ディレクターの後藤優さんに、公開を間近に控えた現状とヒット見込みなどを語ってもらった。
 

──「ベイビー・ドライバー」は目下大評判ですが、先日のエドガー・ライト監督の来日キャンペーンでも、多くのメディアの取材を受けたのではないですか?


後藤 はい。TV2、新聞5、雑誌3、オンライン16、ラジオ1+ミニ会見で30媒体、計57件の取材に対応しました。
 

──「ベイビー・ドライバー」のマスコミ試写は毎回満席とのことですが、見に来られる方は、この映画にどんなことを期待してくるのでしょう?

後藤 そうですね。もともとのエドガー・ライト監督ファンは、今度はどんな新機軸を観せてくれるのだろうかということ。それから音楽と映像が一体となった映画ってどんなものだろう、アメリカでこんなに大ヒットしているのは自分の期待を上回る出来なのか?

何か新しい映像世界、新しい映画ジャンルが展開しているのだろうという期待感があるのだと思います。
 


──試写を鑑賞された方の反応は? 色々な要素のある映画ですが、どの要素に対して反応されていますか?私の場合はウォルター・ヒル監督の「ザ・ドライバー」へのリスペクト感でしたが。多くの人は、やっぱり音楽に萌えるんでしょうか?


後藤 そのとおりですね。選曲センスがすばらしい、とかポール・ウィリアムズが出てた!とか、あそこは『俺たちに明日はない』だとか。試写の初めのころにいらした方は、通な感想が大多数。その後評判を聞いていらした、それほど通ではない方からは、とにかく楽しい、ノレた、というご感想が多かったです。






「幕の内弁当のような映画!! すべてがてんこ盛り!!」 





 ──後藤さんが最初に「ベイビー・ドライバー」を見た時、どんなことを感じましたか?


後藤 すみません・・・私、このジャンルにもこの監督にも疎いのですが・・幕の内弁当のようだと思いました! 音楽、アクション、演技、オマージュ、クライム、ラブ・・一級なすべてがてんこ盛りにつまった豪華な映画!
 

──ズバリ、この映画の顧客ターゲットは、どの層と設定していますか?

後藤 エドガー・ライト監督ファンの映画コア層です。年齢を問わず、このジャンル、この監督が好きな人ですね。


──全国上映スクリーン数は、どのくらいでしょうか?


後藤 40スクリーンです。






「ドント・ブリーズ」など、中小規模公開作品が好調な理由。




このところ、ソニー・ピクチャーズが配給する作品のうち、全国100スクリーン未満からスタートする、中小規模公開作品の中からヒット作がコンスタントに出現している。「今年正月の「ドント・ブリーズ」は33スクリーンでスタートし、現在までに興収4億8000万円を、4月に86スクリーンで公開した「T2 トレインスポッティング」も1億8000万円をあげている。
 




──昨今、御社の中小規模公開作品が、良好な興行成績をあげています。作品の上映規模は何を基準に決められるのでしょうか?また「ドント・ブリーズ」「T2 トレインスポッティング」などの中小規模公開作品がヒットした理由は、どのようなこととお考えでしょうか?


後藤 映画がもともともっている日本マーケットでのポテンシャルを冷静・客観的に、プロ目線で判断することです!過去の類似作品や最近の日本マーケットの動向もふまえて。その後、海外の評とか海外の成績を加味して最終的に上映規模を確定させます。「ドント・ブリーズ」のヒットは、まさにファンの皆様がSNSで この映画の良さを発信し続けてくれたことにつきます!少ない宣伝費だったのでパブリシティに重点をおき、テレビスポットのような高額なメディアではなくデジタルアドに予算を使ったこと。一般の方も喜ぶ(怖がってもらえるような)怖面白いweb動画を作り、大量に拡散させたことで、少ない予算で最大の効率をねらいました!


──「ベイビー・ドライバー」を大ヒットさせる自信が、ありますか?

後藤 ありますっ!!!

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(取材・文:斉藤守彦)

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