『バッド・ジーニアス』ラスト28分間の手に汗握るカンニング対決に観客釘付け!

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アラフォー世代には非常に懐かしいのが、学校の試験でのカンニングを題材とした様々な作品たち。

そういえば昔は映画や漫画でよく目にしたが、最近はすっかりご無沙汰だったこのジャンルを見事に現代に蘇らせた! と話題なのが、9月22日より公開中のタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』だ。

実は、第27回のタイ・アカデミー賞において、なんと史上最多12部門受賞の偉業を成し遂げた作品だけに、ネットでの評価も非常に高い本作。果たしてその内容とは、どのようなものだったのか?

ストーリー

小学生の頃からずっと成績はオールA、さらに中学時代は首席と天才的な頭脳を持つ女子高生リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)。裕福とは言えない父子家庭で育った彼女は、その明晰な頭脳を見込まれ、晴れて進学校に特待奨学生として転入を果たす。新しい学校で最初に友人となったグレース(イッサヤー・ホースワン)を、リンはテストの最中に“ある方法”で救った。その噂を聞きつけたグレースの彼氏・パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)は、リンに“ビジネス”をもちかける。

それは、より高度な方法でカンニングを行い、答えと引き換えに代金をもらう――というもの。リンが編み出したのは、“ピアノ・レッスン”方式。指の動きを暗号化して多くの生徒を高得点に導いたリンは、クラスメイトから賞賛され、報酬も貯まっていく。しかし、奨学金を得て大学進学を目指す生真面目な苦学生・バンク(チャーノン・サンティナトーンクン)はそれをよく思わず…。そして、ビジネスの集大成として、アメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試<STIC>を舞台に、最後の、最大のトリックを仕掛けようとするリンたちは、バンクを仲間に引き入れようとするが…。

予告編

実は昔からあった、カンニングを題材とした作品たち

冒頭でも触れた通り、古くは1970年代に「週刊少年サンデー」に連載された人気漫画『試験あらし』を始め、1980年代にはフランス映画『ザ・カンニング[IQ=0]』が公開。そして1990年代には、先頃惜しまれつつも音楽活動から引退した、安室奈美恵主演の映画『That’s カンニング! 史上最大の作戦?』が公開されるなど、それぞれの時代に必ず出現していたのが、カンニングを題材としたメディア作品の数々だった。

だが最近では、こうしたカンニングを題材とした作品にはほとんど出合うことがなくなっていたのも事実。確かにデジタル技術が進歩した現代では、昔のように学生が個人レベルで工夫を凝らして作るカンニング道具や、あるいはカンニング行為自体が時代遅れに感じられるのかもしれない。

だが、おそらくそれ以上に大きいのがコンプライアンス上の問題だろう。実際、先頃公開された『万引き家族』でも、犯罪行為を描く内容はいかがなものか? との意見が散見されたのは、記憶に新しいところ。本来公正であるはずの試験において、不正行為を英雄視すると取られかねない題材だけに、もはや日本ではこのジャンルの作品を作ることは、非常に難しいのかもしれない。

そんな中で久々に我々の前に現れたのが、このタイのカンニング映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』だった。

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アナログ×最新のカンニング方法が見事!

本作に登場するのは、消しゴムやえんぴつのバーコードを利用した、昔ながらのアナログ的方法から、スマホを使用した一世一代の大カンニング作戦まで、非常に多岐に渡るテクニックの数々だ。デジタル機器の発達やスマホの普及など、近年の時代背景を反映させた最新のカンニング方法と、昔ながらのアナログ方式。この二つが同時に味わえるのも、本作の魅力の一つと言えるだろう。

その見事なアイディアの数々は、思わず「そんなに準備して手間かけるなら、いっそ勉強したら?」と言いたくなってしまう程! その具体的な方法は、是非劇場でご確認いただければと思う。

最後に

宣伝コピーにもある通り、なんといっても本作の見どころは、ラスト28分に及ぶ史上最大のカンニング対決だ!

入念に準備された計画の決行当日に、次々と降りかかる予期せぬトラブル! 果たして主人公たちは、その障害にどう立ち向かいカンニングを成功させるのか?

今までの作品では、各個人が自分一人で行うカンニングが描かれることが多かった。しかし本作が凄いのは、リンとバンクという二人の秀才がビジネスとしてカンニングを請け負い、多数の他の生徒に良い点を取らせるために、様々な工夫とテクニックで正解を彼らに伝えなければいけない、という点にある。自分だけが見つからずに良い点を取るよりも、遥かにハードルの高いこのミッションに果たして彼らがどんな秘策を用いるのか? そこは劇場で観てのお楽しみと言っておこう。

往年の映画『大脱走』や、近年では『オーシャンズ』シリーズなどに代表される、集団計画物としても非常に良く出来ている本作。モラルに反した行為と知りつつ、いつしか主人公たちに声援を送ってしまうほど盛り上がるカンニング対決は必見です!

(文:滝口アキラ)

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