「僕らのごはんは明日で待ってる」は、中島裕翔版のロッキー!全員必見!

僕らのごはんは明日で待ってる 中島裕翔 新木優子

(C)2017『僕らのごはんは明日で待ってる』製作委員会

瀬尾まい子の人気恋愛小説を、「箱入り息子の恋」の市井昌秀脚本・監督で映像化した、話題の映画「僕らのごはんは明日で待ってる」。
主演にHey Say Jump の中島裕翔と、ヒロインに新木優子を迎えた本作は、新年の幕開けに相応しく、見る人の心を癒してくれるラブストーリー。
1月7日より全国公開された本作を、今回は初日に鑑賞して来た。男一人で見に行った結果、果たしてその出来はどうだったのか?

ストーリー

高校のクラスメイトとして出会い、付き合い始めた亮太と小春。
無口でネガティブ思考な亮太と、正反対に明るくポジティブな小春、正反対な性格の二人だが、運命の恋だった。
二人が大学生になったある日、デートの途中、いきなり小春は亮太に別れを切り出す。
実は、小春は亮太に言えないある秘密を抱えていたのだった。
理由の判らない別れに納得いかない亮太は、小春に何度も真っ直ぐな想いを伝えるが、小春は全く取り合わない。
亮太が社会人になったある日、遂に小春の隠す真実を知った亮太は、彼女の元に再び走り出す。
出会いから7年、今再び運命の恋が動き始める!(公式サイトより)

悪人が一人も出ない本作。出演俳優全てが魅力的!

他のラブストーリーと違って、「壁ドン」などの派手な要素は敢えて排除した本作の魅力は、何と言っても脇役の一人々に至るまで、魅力的で印象に残る演技を見せてくれる点だろう。

とにかく主演の二人が素晴らしい好演を見せる!
等身大の男の子を見事に演じた、Hey Say Jump の中島裕翔に加え、ヒロイン役の新木優子も、原作通りのセリフ回しを違和感無く演じていたのには驚いた。
今回、セリフはほぼ原作小説の通りであり、一歩間違えば話し言葉とは異質の感じを与えてしまうのだが、新木優子の魅力と演技により、逆に小春の個性を際立たせる効果を上げていたのは、見事としか言い様が無い。

そして、また脇役が全員いい。
今まで黒髪の地味な女の子役が印象にあった美山加恋ちゃんが、本作では今風の「ゆるふわ女子」を好演!
正に男にとっては理想の彼女候補なのだが、「微妙に重い・・」感じを見事に演じていて、鑑賞後も彼女のその後が凄く気になった、と言っておこう。
その他にも、小春と同じ病室の入院患者を演じた片桐はいり。彼女の抜群の存在感!後半の暗くシリアスなシーンでの彼女の登場は、絶妙のアクセントと笑いを呼んで、観客の緊張を解いてくれる。

市井昌秀監督の演出がとにかく上手い!

こうした役者の自然な演技を引き出す、市井昌秀監督の確かな演出力は、スクリーンの画造りにも度々見ることが出来る。
中でも印象的だったのが、ラストで亮太と小春が初めて和食を食べるシーンだ。それまでは「ケンタッキー」や「ガスト」、ピザやオムライスなどの、ファーストフード系中心の食事シーンが描かれていたのだが、ラストで二人が結婚を意識するシーンで、初めて家庭料理を思わせる煮物定食を食べる。
もちろん、それまでは若者の好む食事をしていた二人が、和食の煮物=家庭の味を選ぶということで、この二人の意識の変化と成長をも表現しているのだが、このシーンの画造りが本当に見事で、一目で二人の幸せな将来の姿までも同時に観客に分からせるのだ!
果たしてどの様な表現がされているのか?それは是非、劇場でご確認を!

実は自分も、出演してました!

自分が参加したのは、昨年の2月14日に国立で撮影された、高校の体育祭のシーン。
ところが、あいにく撮影当日は朝から雨!
取りあえず撮影現場までは行ったものの、降り続く雨とぬかるんだグラウンドの状況に、「いやいや、これは中止でしょう」と思っていたのだが・・。
なんと、スタッフ総出でグラウンドに土を入れてぬかるみを無くしつつ、次第に雨は止んでくるという天気予報を信じて撮影は続行!とはいえ、小雨の中での体育祭シーンの撮影に、「果たして、これってスクリーンにはどう映るんだろう?」と心配になっていたのも事実だった。

まだ雨の降る午前中に撮影されたのは、中学生時代の亮太の回想シーン=リレー競争。今回劇場で鑑賞したが、とても雨が降っていて地面がぬかるんでいるとは判らない出来に、撮影スタッフのチームワークと努力、その熱意には本当に頭が下がる想いがした。

幸い雨の上がった午後からは、二人が付き合うきっかけとなる「米袋リレー」が撮影されたのだが、短時間の限られた撮影状況にも関わらず、主演の二人が自分の登場シーン撮影の前と終了時には、グラウンドに集まったエキストラの皆さんに、きちんとお礼の挨拶をされていた。
特に主演の中島裕翔くんの神対応!には、やはり普段のこうした誠実な態度や姿勢こそが、確実に映画の中には反映されるのだ、との想いを強くしたと言っておこう。

最後に

この様に、監督以下スタッフ・キャストの真摯な姿勢そのままに完成した、この「僕らのごはんは明日で待ってる」。
本編のOPで、果たして主人公が双眼鏡で何を見ていたのか?
それが明かされるラストからの・・・な主人公の行動!
下手な監督や役者ならドン引き間違い無し、観客の嘲笑を買いかねない展開なのだが、市井昌秀監督のエピソードや伏線の丹念な積み重ね。そして、中島裕翔の演技と誠実なキャラクターにより、観客の琴線に触れる名シーンとしてスクリーンに展開する!

ただ、残念ながらポスターには、このシーンのネタバレが含まれているので、出来ればチラシやポスターは見ないでのご鑑賞をオススメする。
近年氾濫している、マンガ原作による凡百のラブストーリーや、単に泣かせ目的の「胸キュン映画」だと思ってスルーすると、絶対に損をすることは確実な本作。
男一人で観に行っても全然OK!
いや、むしろ主人公である亮太の成長を描いた「男の映画」として十分に楽しめるので、全男性にこそオススメします!

あ、ちなみに主人公である亮太のあだ名が、何で「イエス・キリスト」なのか?映画では全く説明されてませんが、原作小説にはその理由が書かれてますので、気になった方は是非原作の方もチェックしてみては?

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(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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