全米興収レポート(3/18〜3/20付)、ディズニー『ズートピア』が3週連続の1位で絶好調!

ズートピア 本編映像


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全米興収ランキング(3/18〜3/20付)


1『ズートピア』(→)
2『The Divergent Series: Allegiant』(New)
3『天国からの奇跡』(New)
4『10クローバーフィールド・レーン』(↓)
5『デッドプール』(↓)
6『エンド・オブ・キングダム』(↓)
7『Whiskey Tango Foxtrot』(↓)
8『The Perfect Match』(↓)
9『The Brothers Grimsby』(↓)
10『レヴェナント:蘇えりし者』(↑)
(速報値/Box Office Mojo参照)

初登場1位が期待されていた『ダイバージェント』シリーズの最新作『The Divergent Series: Allegiant』が大方の予想を裏切るスタートで2位となった。これまでの2作は初週末で5000万ドルを突破していただけに、3000万ドルに満たないスタートとなったのは、あまりに寂しいスタートである。『トワイライト』シリーズに端を発したYA小説の映画化のブームを牽引していた『ハンガーゲーム』シリーズの終焉によって、低調になってきたことを象徴としていると思える。

一方で、V3を達成した『ズートピア』の勢いは計り知れない。3週目の興収が速報値で3800万ドル。参考にしづらいタイプではあるが、『アナと雪の女王』は3週目の時点で3100万ドルだったことと比較してもかなりの大ヒットであると見える。ましてや『アナと雪の女王』は2週目で拡大公開をスタートさせたので、実質的に2週目で3000万ドル前後の数字だったことになり、この勢いが続けば、3億ドル超もあり得るのでは無いだろうか。
現に、昨年公開された『インサイド・ヘッド』は9000万ドル→5000万ドル→2900万ドルと推移しており、オープニングこそ7500万ドルで負けてはいるが、2週目以降の勢いはそれ以上。大ヒットすることは、アカデミー賞長編アニメーション賞受賞への大きなアピールポイントになりやすいだけに、期待が高まる。

3位に初登場した『天国からの奇跡』は難病の少女に起こる奇跡を描いた宗教ドラマで、わりと頻繁に作られるタイプの感動作でありながらも、まずまずの好成績を記録している。監督のパトリシア・リゲンといえば、昨年の秋に『チリ33人 希望の軌跡』が公開されたばかりのメキシコ出身の新鋭女性監督。前作は期待に添え無い興行成績となったが、1週目にして制作費を回収することができたことは、彼女のキャリアへプラスに働く作品となったことだろう。

4位から8位までは先週から2ランクづつのダウン。相変わらず『デッドプール』が前週比73%ほどの安定した推移を見せており、現在はマーベル作品歴代興収で6位に浮上。また、10位に『レヴェナント:蘇えりし者』が再浮上してきたことも興味深い。
ベストテン圏外では、限定公開となったジェフ・ニコルズ監督の『Midnight Special』が1館あたり36800ドルほどの好スタートを切り、好評価も獲得していることから、今後の拡大公開へ期待したい。また、今年の外国語映画賞にエントリーされていたアルゼンチン映画『El Clan』は凡庸な出だし。同賞受賞作である『サウルの息子』の3分の1ほどのオープニング成績は、やむを得無いといったところ。

来週はついにベールを脱ぐ超大作『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』が公開される。オープニングで1億ドルを超えた『マン・オブ・スティール』を超えることができるのだろうか。その前に立ちはだかるのは、14年前に超サプライズヒットを叩き出し、1年にも渡るロングランを記録した伝説のロマンティックコメディ『マイ・ビック・ファット・ウエディング』の正統続編『My Big Fat Greek Wedding2』。どちらも超拡大公開で、『ズートピア』の牙城を崩しにかかる。来週の全米興収は今年の春の目玉というわけだ。

(文:久保田和馬)

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