『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』はバットマンの優しさへ注目すべし

シネマズ編集長の柳下修平です。3月25日(金)より公開される『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を一足お先に鑑賞させて頂きましたので、本作を見る上での注目ポイントをまとめていきたいと思います。

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生


(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC



クライマックスに完全にやられた


注目ポイントの前にまずはざっくりと感想を。

「終わり良ければ全て良し」とはよく言うものですが、本作は「終わりも良いので全て良し」でした。全編通して様々な魅力に圧倒され、クライマックスは完全に想定外の事態が起きて放心状態に。このクライマックスは公開後も絶対に口にしてはいけないと思います!

クライマックスのドラマ性や各々の台詞、そして映像と音楽が醸し出す雰囲気に完全に飲まれてしまいました。来年2017年公開予定のDCコミックのヒーロー集結映画『ジャスティス・リーグ Part1』へと繋がる物語なのですが、それを感じさせつつも感じさせない一連のクライマックスは本当に心に残りました。

編集長個人ブログには長文感想を書いています。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』感想、わたし、心ここにあらず【ネタバレ無し】

 

「スーパーマンは悪なのか?」を問う濃密なドラマ


本作は究極的には「愛する人を守る」という物語なので、ご家族とでも、恋人とでも、もちろん友人とでも堪能できる一作に仕上がっています。

2時間32分の映画の中では時折笑いも起きますが、オープニングからエンディングまでシリアスなテイストは一貫しています。様々な大迫力のアクションシーンの中で、同時に非常に濃密な人間ドラマも展開されます。スーパーマン誕生を描いた『マン・オブ・スティール』の18ヶ月後の設定ですが、予習はせずまずは本作を鑑賞する方が良いと思います。その上で『マン・オブ・スティール』の鑑賞を検討しましょう。

「バットマンVSスーパーマン」というタイトルそのままの戦いにはちゃんと決着が付きます。見掛け倒しのタイトルでは無いのです。これを目撃するだけでも見る価値があるのではないでしょうか。もちろん決着が付いてそのままめでたしなんて簡単な物語ではありませんよ。

そして「スーパーマンは悪なのか?」と問うていく映画でもあります。人を助けつつも時に街の破壊もしてしまう力を持っているスーパーマン。ある銃撃戦がきっかけに大衆の「スーパーマンは悪なのか?」の声はどんどん大きくなっていってしまいます。

そんなスーパーマンなどいらないと思うブルース・ウェイン/バットマンが立ち上がるというわけです。もう一人立ち上がる人物がいて、これが実質悪役のレックス・ルーサー。若手社長なのですがこれがまあカリスマ性のある悪役で…。

ジェシー・アイゼンバーグが演じていますがファンを増やすこと必須かと思います。レックス・ルーサーの凄まじさは是非スクリーンでご堪能ください。

バットマンの優しさは本作の注目ポイント


本作のブルース・ウェイン/バットマンの「優しさ」は注目ポイントです。注目ポイントというのは「見どころ」ではなく「より映画を堪能できるヒント」です。

まず、映画の冒頭で倒壊するビルの間にいる女の子を救出します。「お母さんは?」とブルース・ウェインが聞くと女の子は炎上するビルを指差しました…。生存が絶望的であることは誰の目にも明らかな状況でした。そしてブルース・ウェインは女の子を抱きしめるのでした。

このシーンはただ「女の子かわいそう」というだけのシーンでは無いのです。

ブルース・ウェインは幼い頃に両親を亡くしています。(本作でもしっかり描かれます)ブルース・ウェインは「親を失う悲しさ」、「親を守る大切さ」を人一倍感じているわけです。それが滲み出ているシーンなのです。

これは映画の終盤でも同じです。スーパーマンとの戦い中に、スーパーマンが発したある言葉にブルース・ウェイン/バットマンは激怒します。その後の展開、これは詳しくは言えませんが、ここも冒頭のシーンと同じで「親を失う悲しさ、親を守る大切さ」故に行動に表れたシーンというわけです。

このようにブルース・ウェインの過去を意識することで、彼の行動や決断の背景も見ることができるわけです。

アメコミアクション映画でありつつ、重厚な人間ドラマ、悲しみという感情も溢れる映画である『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』。あらゆる角度から楽しめる魅力溢れる映画です。公開は3月25日(金)からです。



(文:柳下修平)

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