酒と野菜と小津監督…銀座で涼やかな映画祭? 第20回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭プレイベント

※当記事は「松竹シネマクラシックス」の記事を引用して紹介をしております。

8月1日、「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭プレイベント「東京物語」スペシャル上映会+トークショー @銀座~蓼科の新鮮野菜と地酒を楽しみながら~」が、開催されました。

上映会場となった築地松竹ビル(@東銀座)では、当日、1階の吹き抜けの階段スペースを客席にして、大きなスクリーンがお客様をお迎えしました。

当日、会場にお食事として並んだのは、蓼科からやってきた彩り豊かな新鮮野菜たち。

こちらをマヨネーズと味噌のディップでいただきます。

ニンジンをいただき、しゃきしゃき感に感心していたら…予想外の甘みが口の中に広がってビックリ!

野菜独自の甘みがとても深く、味噌ディップとの相性も抜群でした!

飲み物では、小津監督が愛した日本酒「ダイヤ菊」、そして、こけももジュースなどが楽しめました。

映画の上映前に行われたトークイベントには、映画監督の森ガキ侑大さん、「名画座かんぺ」発行人・のむみちさん、個人冊子『映画酒場』の発行人・月永理絵さんが登壇。

2014年の蓼科高原映画祭・短編映画コンクールにて、「ゼンマイシキ夫婦」で準グランプリを受賞した森ガキ監督。蓼科高原映画祭について、「僕が飲んでいるとき、右に市長さんがいて、『監督たち、飲めよ』とたばねる勢いだった」と振り返り、「いろいろな映画祭に参加したけれど、こんなにも温かい映画祭はない」と大絶賛。当時、小津監督の別荘を訪ねたことも明かし、「小津さんがここで名作を書き上げていたんだという空気感が本当に伝わってきた」と語りました。

大学時代に小津監督の作品を見て衝撃を受けたという森ガキ監督。映画「東京物語」の見どころとして「家族の絆の深さ」をあげ、「父親が死に向かうとき、たぶん、その年代の子供は、毎日仕事や子供の面倒を見て、親をないがしろにするつもりはないけれど、気づいたらないがしろになっていたというのが、戦後の話だけれど現在とあまり変わらないんじゃないかと、ドキッとさせられる」と語りました。

自身の初の長編映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」(主演:岸井ゆきの テアトル新宿他にて11月公開予定)でも「小津さんに影響された部分がある」と話していた森ガキ監督。同作をすでに見たというのむみちさんから、「東京物語」と「おじいちゃん死んじゃったって。」には同じセリフがことも出てくることも明かされました。

「おじいちゃん、死んじゃったって。」 公式HP

映画と酒の小雑誌『映画横丁』(株式会社Sunborn)の編集人でもある月永さんは、「東京物語」のお酒が出てくるシーンに注目。「原節子さんが、義理のお父さんとお母さんをアパートに招くシーンで、隣の部屋にお酒をもらいに行くんですけれど、隣の人が「これくらいしかないよ」っていう量がけっこうあるんです(笑)。どのくらいの量かぜひ見ていただきたい」と話しました。

また、「東京物語」のキャストについて、のむみちさんからは、「小津映画というと、笠智衆さん、原節子さんというのがお決まりですが、主役ではないけれど、長男の山村聡さんのお嫁さん役の三宅邦子さんがすごく素敵なので、注目してみてください」というおすすめポイント紹介がありました。

「東京物語」は尾道に暮らす周吉(竜智衆)ととみ(東山千栄子)が、東京で暮らす子供たちに会いに出かける物語。

長男(山村聡)も長女(杉村春子)も仕事が忙しく、決して大歓迎とはいかないけれど、それでも、次男の妻の紀子(原節子)からもてなされたり、温泉に出かけたりして、二人はそれなりに楽しく過ごします。

東京、熱海…と出かけていき、やがて、「そろそろ帰ろうか」と尾道へ帰っていく老夫婦の姿、その背中をゆったりとした涼やかな風が流れるように描く「東京物語」。

この日、松竹ビル1階の吹き抜けた、やはり涼やかな雰囲気のスペースで、さながら野外上映会のようなムードでこの往年の名作が上映されました。

上映後はお楽しみ抽選会が開催!

日本酒「ダイヤ菊」に映画祭オリジナルのお猪口、こけももジュース、蓼科高原映画祭のフリーパスチケットなど、豪華な賞品がご来場いただいたお客様に贈られ、イベントは幕を閉じました。

小津安二郎監督・ゆかりの蓼科で行われる「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」(長野県茅野市)に先駆けて開催された今回のイベントですが、20回目を迎える小津安二郎記念・蓼科高原映画祭は、2017年9月16日(土)~24日(日)まで開催予定です。
(公式HP: http://www.tateshinakougen.gr.jp/cinema/

記事元:松竹シネマクラシックス

(取材・文:田下愛)

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    田下愛

    田下愛

    フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなして活動中。ファンタジー映画が大好物で、『オズの魔法使い』『ナルニア国物語』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魔法やおとぎの国を扱った作品にはすぐ飛びついてしまいますが、一方、『レインマン』のような人間をきっちり描いたドラマも好き。石ノ森章太郎先生をリスペクトする昭和特撮フリークでもあります。

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