フランス映画祭オープニング作品『エール!』出演者によるトークショーレポート

手話は万国共通の素晴らしい言語

質疑応答も佳境に入ったところで、エリック監督から会場に質問が投げかけられました。

エリック「ところで、この会場に聴覚障害の方はいらっしゃいますか?」

会場にいらっしゃった、聴覚障害をお持ちの方が手を挙げられました。

ルアンヌ「実は『エール!』には2バージョンあるんです。1つは健常者用ですが、もう1つは聴覚障害者用になっています。こちらは字幕も出ますが、色を変えて『ここでドアが閉まった』とか『音楽が流れた』いう説明も書かれているんです。

そこで私から質問なのですが、フランス手話は日本手話と大きく違いますか?日本人である貴方は、映画の中で行われている(フランスの)手話を理解出来ましたか?」

観客「素晴らしくて泣きました。ブラボーです。すべて理解出来ました。ですから日本手話とフランス手話の意味は同じだと思います!」

この言葉に、会場から大きな拍手が巻き起こりました。

エリック「聴覚障害を持つ方のコミュニティは、とても素晴らしいのです。フランスの聴覚障害者たちは次のような言葉で我々を日本に送り出しました。『(フランス手話と日本手話で)若干の違いはあれども、おそらく日本でもこの映画の内容は理解される』と。」

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エリックに呼ばれたお客様が、登壇者と熱いハグを交わしました。

エリック「私たち健常者は、日本の言語を覚えるのに最低でも15年ほどかかってしまいます。けれど聴覚障害者は“手話”というツールを使って、外国に行っても1~2日でコミュニケーションを取ってしまいます。これはとても素晴らしいことだと私は考えます。」

10月末に公開!映画『エール!』をぜひお見逃しなく

司会:楽しい時間も残り少なくなりました。最後にエリック監督から一言お願いします。

エリック「(日本語で)アリガトー!!」
(トークイベント終了)

皆さん、いかがでしたか? 主演のルアンヌと聴覚障害を持つお客様が、手話で嬉しそうに話す姿…そして、エリック監督とルアンヌさんとハグをする様子に、ホール中が感動に包まれました。

エリック監督のフラットで気取らないお人柄と、ルワンヌさんの知性と表現力が、映画『エール!』を大ヒットに導いたのだと筆者は思いました。幸せで温かい時間を、本当にありがとうございました。

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そんな奇跡の映画『エール!』は、10月31日から新宿バルト9をはじめ、全国の映画館で上映されます。ルアンヌ・エメラさんの演技、そしてエリック・ラルティゴ監督の紡ぎ出す世界観をぜひお楽しみくださいね。

(取材・文/大場ミミコ)


    ライタープロフィール

    大場ミミコ

    大場ミミコ

    小学生の息子を持つ主婦ライター。美大卒業後、ストーリー漫画家を目指してシナリオ学校の門を叩く。その後10年ほど、映画・ドラマ・コミック原作などのプロットやコンペ原稿などの下積みを経験し、出産を機に引退。現役中は、お金を浮かせるために飯田橋ギンレイ、早稲田松竹などの名画座に通う傍ら、フリーペーパーなどのシネマコラムも執筆する。好きな映画は「真夜中のカーボーイ」「アメリカン・ビューティ」「チョコレート・ドーナツ」など、切ない&救いのない系の作品。一方、「ウェインズワールド」「プロデューサーズ」などのおバカコメディも大好物♡好きな俳優は佐藤健、好きな監督は中島哲也、内田けんじ。

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