『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が世代を超えて必見な「3つ」の理由!

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前作の公開から実に5年。2014年に製作されたアメリカ版『GODZILLA ゴジラ』の待望の続編となる『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が、遂に5月31日から日本でも公開された。

今回はゴジラだけでなく、モスラ、ラドン、キングギドラの三大怪獣が登場して戦うという、正にファン待望の内容に加えて、既に次回作ではキングコングとの共演が予告されているだけに、最大限の期待を胸に鑑賞に臨んだ本作。

果たして気になるその内容と出来は、どんなものだったのか?

ストーリー

前作から5年後の中国。雲南省にある、巨大生物研究組織「モナーク」の前線基地に住むエマ・ラッセル(ヴェラ・ファミーガ)博士と娘のマディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)は、モスラの卵から幼虫が孵化する瞬間を目撃する。その時、ジョナ(チャールズ・ダンス)をリーダーとする傭兵部隊が基地を襲い、ラッセル博士とマディソンは連れ去られてしまった。
モナークの幹部・芹沢博士(渡辺謙)は、博士の元夫であるマーク(カイル・チャンドラー)に協力を要請。やがてラッセル博士たちが、キングギドラが眠るモナークの南極前線基地を目指していることを知ったマークは南極へ向かう。
傭兵部隊との激しい銃撃戦の中、遂に氷漬けの状態から目覚めたキングギドラ。ギドラを追って南極に現れたゴジラとの死闘が繰り広げられる中、果たして怪獣たちと人類の命運はどうなっていくのか?

予告編

理由1:怪獣バトルがメインの内容が凄い!

観る者を圧倒する大迫力の予告編通り、何といっても本作最大の見どころは、三大怪獣とゴジラが繰り広げる大バトルシーン!

映画の序盤から早くも登場するモスラの巨大さや、期待を裏切らないキングギドラやラドンの登場シーンを経て、遂に大スクリーンで実現した壮絶なバトルロイヤルには、「これが観たかった!」、そう思った観客の方も多かったはずだ。

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ただ前作と今回の『ゴジラKOM』では、怪獣に対するアプローチが多少変更されており、怪獣が出現する予兆として鳥の大群が飛び立ったり、破壊された戦車が川を流れてくるなど、期待と不安を高めて怪獣を登場させた前作に対して、映画の序盤から出し惜しみすることなく登場する怪獣たちのお蔭で、本作では観客の興味や期待がラストの決戦まで持続するのは、我々にとって実に嬉しいところ。

実際、前作でゴジラが完全に姿を現すのは、何と映画開始後、一時間が経過してからなのだ。

しかも、ムートーとの大バトルが展開する直前でカットが切り替わり、すでに二匹はその場を離れて移動中であることが、軍によって説明されるカットに繋がることになる。

だが、巨大未確認生物の生体を手探りで解析しながら行動を予測し、彼らの本能を逆手にとって撃退作戦を考える軍の描写など、ゴジラを含めた怪獣たちを”巨大な生物”として描こうとした前作のアプローチには、やはり怪獣映画の基本を押さえた丁寧な作り方を感じることが出来るのも事実。

GODZILLA ゴジラ(字幕版)

ただ一点だけ、前作で印象的だった、溜めに溜めて遂にゴジラが放つ放射熱線の一発の重みや、互いに死力を尽くした戦いの果ての勝利といった部分よりも、序盤から怪獣が登場して何度となくバトルが繰り返され、怪獣たちに人間臭いキャラクター性を与えた本作のアプローチには、後述する人間ドラマ部分の弱さと合わせて、若干の不満を抱く観客も少なくないのでは? そんな印象を受けたと言っておこう。

とはいえ、思い出に残る怪獣たちが大挙してスクリーンに登場して戦うとなれば、もうそれだけで全て許せる気になるのも、ファンの偽らざる気持ちだと言えるのだ。

とにかく鑑賞中は、怪獣同士のバトルの連続に幸福感しか感じない本作、全力でオススメします!

理由2:平成ゴジラへのオマージュ満載!

実際に巨大生物が出現した際の、リアルな軍事シミュレーション的展開が中心だった前作とは変わって、本作ではその代わりに、これでもか! と言わんばかりの怪獣バトルの大サービスと、過去のゴジラ映画へのオマージュ全開で最後まで爆走するという、正に多くのファンが夢に見た内容で描き切ってくれたことには、もはや感謝の言葉しかない。

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でも、「欲を言えば、三大怪獣以外の怪獣との対決も見たかった」、そんな考えを持った方も多かったのでは?

実は本作の監督であるマイケル・ドハティ自身のインタビューによれば、残念ながら東宝の過去作に登場した怪獣を登場させるには、一体ずつそれぞれに使用料が決められていたので、今回は仕方なくオリジナルの怪獣を登場させたとのこと。

実際、本作のコンセプトアートには、三大怪獣以外にもガイガンや、何とガメラ! の姿までが描かれていただけに、次回作以降の「モンスターバース」の中で、これらの有名怪獣が登場するのかしないのか? ファンでなくとも非常に気になるところだ。

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実は今回ゴジラに加えて、キングギドラ、ラドン、モスラが登場するということで、事前に昭和ゴジラの『三大怪獣 地球最大の決戦』と『怪獣大戦争』を観返して鑑賞に臨んだのだが、昭和ゴジラ以上に平成ゴジラシリーズへのオマージュが多かったのは、正直意外だった。

特に1991年公開の大森一樹監督作品『ゴジラvsキングギドラ』からの影響は大きく、出来ればこちらの作品をご覧になってから鑑賞された方が、本作をより深く楽しめるはずだ。

ゴジラVSキングギドラ

幸い、アマゾンプライムや多くの動画配信サイトでは、過去のゴジラ映画が見放題で配信中なので、予習復習には最適な環境が整っているのも、ファンにとっては非常に嬉しいところ。

昭和と平成の世代を繋ぎ、正に劇場の観客が一体となって楽しめる作品なので、是非劇場へ!

理由3:実はコミュニケーションを巡る物語だった!

怪獣同士の覇権を賭けた大バトルに加えて、本作で一貫して描かれるテーマは”他者とのコミュニケーション”ということ。

例えば、娘のマディソンが父親のマークに自分の想いをメールで送ろうとして中断されたり、家族に理解されないラッセル博士の真意など、本作での人間同士のコミュニケーションは、明らかに一方通行だったり上手くいっていないものとして描かれており、その描写は「ひょっとして、怪獣と人間の方がコミュニケーションが取れているのでは?」、そう思えてしまうほど。

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そのため前作と同様に、過去の事故で愛する家族を失った一家の再生の物語を期待した観客からは、怪獣バトルへの絶賛と相反する様に、ストーリー部分の弱さや矛盾への厳しい意見もネットに上がっているようだ。

実は前作でも、ムートーの求愛行動としての音声によるコミュニケーションが描かれたのだが、今回の『ゴジラKOM』では更に進んで、モスラからゴジラ、そして人間から怪獣へのコミュニケーションツールとして、音声による意思疎通が重要な要素として描かれることになる。ただその結果、まるで人間が演じている様なキャラクター性を怪獣たちに与えることになったのは、観客によって評価が分かれるところだろう。

特に印象的だったのは、今回キングギドラの三本の首それぞれに異なった性格が与えられている描写だった。

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ちなみに本編中では、モナークの研究員がキングギドラの三本の首を、往年のコメディグループ「三ばか大将」のメンバーである、ラリー、カーリー、モーの3人に例えているセリフが登場するのだが、これが英語版では日本語字幕に全く訳されていないのが残念だ。

実際この形容は、今回のキングギドラに与えられた性格設定を非常に的確に表現したものなので、これから鑑賞される方は是非この部分のセリフにも注意して頂ければと思う。

最後に

予告編で観客を圧倒したダークな宗教的イメージや、正にこの世の終わり! といった終末感が、人間ドラマが挟み込まれることにより、本編ではかなり薄まった印象を受けた本作。

それに加えて、既に多くの方がネットで発言している通り、文字通り”歩く原子炉”であるゴジラの基本設定や放射能汚染の影響と相反するエンドクレジットでの説明など、やはり日本人観客にとっては若干の違和感や矛盾を感じさせる点がドラマ部分に多いと感じたのも事実。

ただ、本作で明らかになる秘密組織モナークの活動の秘密や、怪獣と人間との意思疎通により両者の関係性が変化していく展開は、確かに『キングコング:髑髏島の巨神』からの流れが引き継がれていると思わせるもの。

キングコング:髑髏島の巨神(字幕版)

実際、今回多くのファンにとって長年の夢だった”大怪獣バトル”の実現と、来年公開予定の『ゴジラVSキングコング』(原題)への橋渡しを見事に果たした本作は、昭和ゴジラと平成ゴジラシリーズの垣根を越えて、文字通り世代を超えて楽しめる待望の怪獣映画に仕上がっていた。

ゴジラとキングコング。次回作で遂に共演する、この日米を代表する2大モンスターだが、過去の日本版の様に両者引き分けのリングアウトで終わるのではなく、今回は完全に決着をつけるとのニュースをネットで見て、果たしてこの両雄がどんな強敵と戦い、またどうやって出会うことになるのか、今から公開を楽しみにしている方も多いのでは?

ただ心配なのは、『キングコング:髑髏島の巨神』の舞台設定が1973年と、両者のタイムライン上に45年以上の時間差が存在する点。

この時間差をどう処理するかについては、『ゴジラvsキングコング』の脚本にも参加したマイケル・ドハティ監督が自身のインタビューで、「1970年代から時間が経過して大きく成長したキングコングが登場する」と語ってくれているので、期待通り互角の戦いが繰り広げられるのは間違いないようだ。

来年3月13日の全米公開まで、まだまだ我々を楽しませてくれそうな「モンスターバース」。今はただ、一日も早いその日本公開を待ちたいと思う。

(文:滝口アキラ)

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