レジェンダリー春の怪獣映画まつり第二弾!!全編これケレンの嵐!!「グレートウォール」

■「役に立たない映画の話」

グレートウォール メイン

(C) Universal Pictures

万里の長城が出来上がるまでを描いたエピック・ロマン・・ではなくて。

先輩 昨年の9月のことだけど、レジェンダリー・ピクチャーズが製作しながら、日本では劇場公開されなかった「セブンズ・サン ~魔法使いの弟子~」という映画を上映するというので、その前にトークをやったんだ。

女の後輩 営業も大変ですね、先輩。

先輩 まあな。

女の後輩 で、何について喋ったんですか?

先輩 ズバリ、レジェンダリー・ピクチャーズとトーマス・タルについて。ちょうど昨年の年明けに、レジェンダリーが中国の不動産王に買収されてしばらく経った時だったし。レジェンダリーのオフィシャルサイトから過去のプレスリリースを根こそぎダウンロードして、訳しまくったよ。

女の後輩 そこの社長が、怪獣映画大好きなトーマス・タルって人なんですね。

先輩 そうそう、タルさん(笑)。ただ、この人は辣腕の実業家なんだぞ。怪獣映画が大好きなおたくなだけじゃないぞ。

女の後輩 この「グレートウォール」は、そのタルさんにしては異色作ですよね。中国の万里の長城が出来るまでのプロセスを描いたエピック・ロマン・・・。

先輩 はああ? キミは何を言ってるんだ? これぞまさしくタルさんが「キングコング:髑髏島の巨神」に続いて放つ怪獣映画の新作だよ。

女の後輩 えーーーーっ!? そーなんですか? そんな風に見えないじゃないですか!!

先輩 ちょうど昨年の9月頃、この映画の特報が海外のサイトにアップされたので、それを観たんだよ。そしたら・・・今、画面の上のほうを飛んでいた、ラドンみたいな怪獣はなんだ!?と(笑)。

女の後輩 また怪獣を出したか!?

先輩 それでその直後に「グレートウォール」に触れたタルさんのインタビューがあって、やはりここでも「また怪獣やんか、タル」と突っ込まれている(笑)。そしたら「あれは中国に昔から生息している空飛ぶ生き物で・・」って言い訳してるんだけど、怪獣じゃん(笑)!!

グレートウォール サブ

(C) Universal Pictures

中国古来の飛翔怪獣VSアジアン・ビューティー司令官。

女の後輩 いやあ、レジェンダリーにはダマされたなあ。そんなに怪獣映画ばかり作っているから、中国の不動産王からクビを言い渡されるわけですね。

先輩 まあオレやご隠居は、タルさんの怪獣映画を心待ちにしているんだけどね。

女の後輩 監督はチャン・イーモウ。今やアジアを代表する大作監督ですよ。

先輩 最初はエドワード・ズウィクが予定されていたんだけど、まあアジア・マーケットを意識してイーモウ監督にしたんだろうな。でもチャン・イーモウって、ここ数年ですっかり作風が変わった感じ。

女の後輩 最初が「紅いコーリャン」でしたからね。日本ではミニシアターで公開されましたし。

先輩 「HERO」あたりからCGバリバリ使ってやたらに派手なビジュアルを撮るようになり、それは「LOVERS」にも受け継がれるんだけど、今度の「グレートウォール」なんて、もう日本のアニメかよっていうぐらい、演出が凄い。ケレンに次ぐ外連。言うなれば外連の嵐みたいな映画になっちゃった。

女の後輩 それはそれで、面白いじゃないですか。しかも空飛ぶ怪獣がたくさん出てくるんでしょ。少なくとも先輩とご隠居はご機嫌でしょうよ(笑)。

先輩 空飛ぶ怪獣じゃなくて、60年に一度現れると言われる、「とうてつ」という生き物だそうだ。

女の後輩 「とうてつ」?

先輩 いや、正確には漢字で表記するんだけど、難しい文字なので変換しても出てこないし、機種依存文字になるかもしれないので、この際ひらがなで表記しておけ、と(笑)。

グレートウォール サブ

(C) Universal Pictures

チャン・イーモウ監督の今川泰宏化が止まらない!!

女の後輩 主演はマット・デイモンとジン・ティエン。この女優は「キングコング:髑髏島の巨神」にも出てましたよね。

先輩 そうそう。あっちでは今ひとつ地味な学者の役と思いきや、最後の最後に正体を明かす。何と彼女は、あの組織の一員だった・・。

女の後輩 こちらは弓矢でとうてつと戦う女司令官の役で、「キングコング・・」とは対照的に、大活躍を見せますね。

先輩 うん。彼女は美人でスタイルが良くて強い。こんな女上司だったら、仕えてみたいわい(笑)。

女の後輩 でも、演出が外連味たっぶりなわけでしょう。ちょっと不安かな。

先輩 いやいや、外連味たっぷりなのは戦闘シーンの画作りで、人間側のドラマはどちらかと言えばハリウッド調だよ。まあ見終わって印象に残るのは戦闘シーンで、まさに外連に次ぐ外連。中国の今川泰宏監督かっ!?とさえ思ったよ。

女の後輩 誰ですか?今川泰宏監督って?

先輩 アニメの監督だよ、日本の。「ジャイアント・ロボ THE ANIMATION-地球が静止する日-」とか「鉄人28号/白昼の残月」とか「機動武闘伝Gガンダム」とか「ミスター味っ子」とか。知らないの?

女の後輩 知りませんっ!!!

先輩 まあともかく、この外連ビジュアルのつるべ打ちには驚くと同時に、爽快感を感じることだろうよ。映画館ではIMAX 3Dでの鑑賞を推奨するぞ。

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(企画・文:斉藤守彦)

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    ライタープロフィール

    斉藤守彦

    斉藤守彦

    斉藤守彦(さいとうもりひこ) Morihiko Saitoh 静岡県浜松市出身。映画館、ビデオ会社でのアルバイトを経て、映画業界紙「東京通信」記者 (後に編集長)に。1996年からフリーの映画ジャーナリスト/アナリストとなり、以後多数の劇場用パンフレット、「キネマ旬報」「HiVi」「ザテレビジョン」「日経エンタテインメント!」「宇宙船」「スターログ日本版」「INVITATION」「東京カレンダー」「アニメ!アニメ!」「フィナンシャル・ジャパン」「Pen」などの雑誌・ウェブメディアに寄稿。2007年秋に「日本映画、崩壊 -邦画バブルはこうして終わる-」を、08 年「宮崎アニメは、なぜ当たる -スピルバーグを超えた理由-」、09 年「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」、 10 年に「『踊る大捜査線』は日本映画の何を変えたのか」(共著) を上梓。 他の著書に「図解でわかるコンテンツ・ビジネス」1〜4(共著)、「ソノラマ MOOK/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(構成・執筆) 、電子書籍「日本映画、飛躍と困惑の過去・現在・未来」等があり、ここ数年は「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」と、独自の視点による書籍を執筆。2016年3月には新作「映画を知るための教科書 1912−1979」が世に出る。現在、水道橋博士編集長のメールマガジン「メルマ旬報」で「2016年映画館物語」を連載中。また「BOOKSTAND映画部!」で、「映画を待つ間に読んだ、映画の本」と「映画惹句は、言葉のサラダ」の2つの連載を行っている。

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