映画コラム

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2019年04月27日

「オススメの映画ってなんですか?」俳優・橋本淳が後輩へ勧めた2作とは?

「オススメの映画ってなんですか?」俳優・橋本淳が後輩へ勧めた2作とは?

■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。

32回目、今回もよろしくお願いします。

「オススメの映画ってなんですか?」

突如聞かれる、用途多めのこの質問。たしかに相手の趣味嗜好やどういう育ちかは、好きな映画を聞ければ大体の方向性は分かる。(気がする)

しかし、今回のこちらは"オススメの"ときたもんだ。
相手の好みを知った上でだったら、その人ならこういうの好きそうだなぁとか、こういうの見たことないだろうなぁとか、答えやすいが、前情報はナシ。その上で答えを導き出さなくてはならない。

「え〜わかんな〜い」と逃げの一手を取るのは簡単なのだが、、否っ!!ここは立ち向かうべしと脳内の小さい橋本が吠えている。何事も立ち向かってこその人生ですものね(知らんっ)。

幸いなことに、そんな相手は歳下の同業者。弟のような存在。まだ知り合って日は浅い。ここはサラッと映画名を出すのがスマートな先輩ってものだ。(とカッコつけるあまり少し手が震えていることは、小声でいっておく。)

しかしまぁ、失敗するよりはマシなので、とりあえず質問する。

「最近見た映画はなんかあるの?」
「さいきんは、、、うーーん、、えっとぉ」
「うん」
「金曜ロードショーのぉぉ」
「うん」
「覚えてないっす」

そかそかそかそか。

これは全然観てないパターンのやつですね。ということは、あまり静かな映画より、割と分かりやすく且つ若干のエンタメ感があるものがいいはず。と推理をする。その上役者ということを含めると、、うーん。

名作の中で、自分が若い時に、衝撃を受けた俳優さんの芝居を楽しめる映画を勧めてみる。

タイトルあげて、ネタバレに触れない程度に軽くどんな物語かを説明する。しているうちに自分のほうが、また観たくなってくる。何かあるたびにこういう映画ってみたくなるものですよね。そんな感じで今回はコチラの2作を。。。

『真実の行方』


真実の行方 (字幕版)



言わずとしれた名作ですね。リチャード・ギア主演の弁護士もの。わたしが、エドワード・ノートンを追いかけるキッカケになった映画。自分と若かりし頃に先輩に観てみなと勧められた作品。

大司教惨殺事件の容疑者として青年アーロン(エドワード・ノートン)が逮捕される。野心に満ち満ちた敏腕弁護士(リチャード・ギア)がその弁護をかってでる。弁護をしていくうちに、その青年は二重人格ということが分かってきて、、、

これ以上言うと、数少ない未見の方にこの作品の面白さを掠めとってしまうので、ここらへんで。

ノートンの為の映画と言っても過言ではないほどの素晴らしい二重人格の芝居。何か芝居に行き詰まった時に何度もこの映画を観ている気がします。声、姿勢、目つき、そして何より雰囲気や空気感までもガラッと変わるその芝居に、何度も鳥肌が立つ。画面越しでも、その空気を感じてしまうくらいすさまじい。なんとも魅力的です。

ノートンは2000人を超えるオーディションで選ばれ、しかもそのオーディション映像は、関係者の中で話題になり、色んな人へ出回る程だったようで、それほど衝撃の芝居。

毎作品、影響を残すノートンをこれからも自分は追いかけていきます。皆さまも是非。

『ユージュアル・サスペクツ』


ユージュアル・サスペクツ (字幕版)



もう一本はこちら、伏線回収が堪らない作品。終わった後にすぐにもう一度見返してみたくなる作品ですね。ケヴィン・スペイシーが本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞。

多額の現金や麻薬が積まれた密輸船が爆破事件が起こった。この事件によって、首謀者である五人の犯罪者集団と密輸船のマフィアの多数の死者が出た。その五人の犯罪者集団で生き残ったのはヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)という詐欺師、ただ1人。警察はその彼を尋問し、そこで何があったのかを聞き出すことに。ヴァーバルの口からは、"カイザー・ソゼ"という謎の男の名前が出る。カイザー・ソゼとはどんな人物だったのか、、、真実が語られていく。

絶対、うあーーーちょーーきもちいいーーと、騙されること間違いなしです。何度見ても、その快感に包まれます。伏線の貼り方、回収の仕方、ケヴィン・スペイシーの足の引きづり方、いつも嗚呼、、、とさせられる。嫌いな人ってあまりいないかも、と言えるほどの映画ですね。

未見だった場合、人生を損してますよ。と言えるほどの作品です。

紹介した歳下役者くんは、楽しんでくれたかしら。次はどのような映画を紹介しようかなと、日々考えています。

最終的にはカウリスマキ作品を、ね、やはりこれを。

そんな感じで、今回もおこがましくも紹介させていただきました。

(文:橋本淳)

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