地球が真っ二つ!三股されて生まれた作品『愛を語れば変態ですか』福原監督インタビュー・前編

一段ずつ上るところを、三段飛ばしで上がる映画

―― 本作品は、起承転結など映画の定義に当てはまらない上に、「地球が割れる」など映像化が難しい描写も頻出する作品です。普通の映画会社・配給会社は手を出さないであろう、ある種実験的な作品が、結果的に大手配給から映画化されたのは何故でしょうか?

福原監督「舞台(キング・オブ・心中)の映像が残っていたというのは大きいと思いますね。編集の西潟弘記さんにも似たような事を言われました。『コレ、本当に松竹のマークつけて公開するんですか?』ってね(笑)。」

―― 同感です(笑)。

福原監督「映画にも、起承転結のようなセオリーがあるかと思いますが、舞台では、エチュードという、即興で芝居を作るという手法があるんですけど、原作の台本ではそれを取り入れているんです。稽古しながら台本を書いて、話に飽きたら別の話始めちゃうみたいな…。」

―― 現場で思い付いたものに寄せてストーリーを変えていくというやり方ですね。

福原監督「そうですね。原作となった舞台は約120分だったのですが、映画版は73分なんですよ。もし、エピソードの1つ1つをしっかり描けば、起承転結まではいかなくても『序破急』ぐらいはなったと思うんですけど。でも、その辺はあえてすっ飛ばしましたね。勢いが欲しかったので。」

―― またまた映画のセオリー話で恐縮ですが、一般的な映画って「このキャラはこういう人です」と観客に紹介しながら話を進めていく流れがありますよね。この作品でのあさこだったら、エプロン姿で「あなた〜。どっちの器にする?」なんて言ってるのがそれに当たると思いますが。

福原監督「若くて可愛い奥さん、みたいなキャラ紹介ですよね。」

―― でもその後は、どんどんキャラが変動していく。その場合、一般的なドラマだと「今は可愛い奥さんだけど、そのうち激変するからね」と観客への示唆があったりするんです。エプロンのポケットから凶器がチラ見えするとか、予感を前もって植え付けておくみたいなテクニックがあったりするんですけど…。

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福原監督「観客の理解とか一切関係なく、あさこはガンガン変わっていきますからね。逆に観客が『え?え?』と目が離せない状況が続いて、最後に『あ〜。こういう人だったんだ』って解る作りにしたかったんです。本来、階段を1つずつ上るところを、三段跳びで上がる感じになるよう心掛けました。」

―― なるほど。観客が作品に“付いていく”イメージですね。

福原監督「でも、付いて来てもらうには、どうしてもキャラクターを力技で持っていく必要があるんですよね。淡々とした芝居で三段跳びしてしまうと、完全に破綻しているように観られてしまうので…。まぁ、映画にしろ舞台にしろ、登場人物を上から見ていたくないんです。むしろ(登場人物に)引っ張ってって欲しい。」

―― 福原監督も、爆走するあさこに付いていく男性たちと同じ視点ですね。

福原監督「自分の理解の及ばない人がドンドン突っ走っていく。最後に意図が解って、僕達はヨロヨロと付いて行く…。それでいいんじゃないかな。例えば、映画監督って巨匠になるとロリコンになっていくじゃないですか(笑)。」

―― ロリコン…ですか?

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アウトな話が乱れ打ち!続きは後編でどうぞ

「巨匠になるとロリコンになる」という、衝撃発言の意味するものは・・・?!
この後は、さらにアブない世界へと皆さんを連れて行くことを約束しますので、引き続きインタビューの【後編】もぜひぜひお楽しみ下さいね!

演劇界の鬼才・福原充則氏の初監督映画『愛を語れば変態ですか』は、2015年11月28日より新宿ピカデリーをはじめ全国の劇場で一斉公開となります。スクリーン越しに降り注ぐ、愛のシャワーを存分に浴びて、覚醒モードに突入しちゃいましょう!

(取材・文:大場ミミコ)

映画『愛を語れば変態ですか』予告編


    ライタープロフィール

    大場ミミコ

    大場ミミコ

    小学生の息子を持つ主婦ライター。美大卒業後、ストーリー漫画家を目指してシナリオ学校の門を叩く。その後10年ほど、映画・ドラマ・コミック原作などのプロットやコンペ原稿などの下積みを経験し、出産を機に引退。現役中は、お金を浮かせるために飯田橋ギンレイ、早稲田松竹などの名画座に通う傍ら、フリーペーパーなどのシネマコラムも執筆する。好きな映画は「真夜中のカーボーイ」「アメリカン・ビューティ」「チョコレート・ドーナツ」など、切ない&救いのない系の作品。一方、「ウェインズワールド」「プロデューサーズ」などのおバカコメディも大好物♡好きな俳優は佐藤健、好きな監督は中島哲也、内田けんじ。

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