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愛は地球を救う!次元シフトした映画『愛を語れば変態ですか』でバスと闘う女優・黒川芽以さん独占インタビュー・前編

編集部公式ライターの大場ミミコです。
2015年11月28日、日本の演劇界を牽引する鬼才・福原充則氏の初監督作品『愛を語れば変態ですか』が公開となります。タイトルからしてインパクト大の本作ですが、展開もキャラも、既存の映画の斜め上を行く映画ということで、巷の話題をさらっています。

愛を語れば変態ですか

そんな作品で、主役のあさこを演じたのが黒川芽以さん。映画やドラマで大活躍の黒川さんですが、壮大かつショッキングな設定で名高い“福原ワールド”をいかに演じ切ったのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

ということでシネマズby松竹では、公開を目前に控えた黒川芽以さんにロングインタビューを敢行いたしました。主役・あさこが放つ果てしない愛のバイブスを表現し切った黒川さん。現場での思わぬエピソードや、あさことの共通点など、様々なお話を伺ってきましたので、ぜひ本編と共にお楽しみ下さいね。

「お前たちの思ってる愛は、まだまだ小さい!」

―― 映画『愛を語れば変態ですか』、とても楽しく拝見させていただきました。映画のセオリーである「起承転結」を完全に無視した展開に、新鮮な驚きを感じました。黒川さんが初めて台本に目を通した時の感想を教えていただけますか?

黒川さん「最初に手渡された台本は、『キング・オブ・心中』というタイトルだったんです。でも、最初っから『愛を語れば変態ですか』というタイトルの台本だったら『え!?』って思ったかもしれませんね。」

―― この作品の原案は、映画を監督された福原さんが以前手掛けた『キング・オブ・心中』というお芝居なんですよね。最初は、そのタイトルが台本の表紙に書いてあったと。

黒川さん「そうなんです。この『愛を語れば変態ですか』というタイトルは、私が演じた主人公・あさこが劇中で発する決めセリフなんです。このセリフだけでなく、台本に書いてあるセリフの数々がかなりブッ飛んでまして、こんな面白い作品だったら是非出演したいと思いました。」

―― 今回演じた“あさこ”という役ですが、黒川さんが今まで演じたことのないタイプの女性だと感じましたが。

黒川さん「ですね。あさこのようなキャラクターには、なかなか出会えないと思います。」

―― キャラやセリフだけでなく、設定やストーリーも相当ブッ飛んでましたよね。“カレー屋の開店準備に追われる夫婦の元に、次々と珍客がやってきて、すったもんだの末に何とかオープンする話”なのかな〜と思いきや、途中から何と、カレー屋にまつわるアレコレが、物語から消えてしまうという展開に度肝を抜かれました。

黒川さん「そうなんですよ。後半はカレーの話なんて出てきませんし、登場人物全員、カレー屋じゃないところでお芝居してますからね(笑)。」

―― もう、どうやって終わるのかとハラハラしながら観ましたが、この映画らしい着地点が用意されていましたよね。作品をまとめ上げる軸として、魅力的でテンポの良いセリフ回しというのがあったと思うのですが、黒川さん的に印象に残ったセリフや、お気に入りのセリフはありますか?

黒川さん「(フライヤーのタイトル『愛を語れば変態ですか』を指差しながら)いや〜。やっぱりコレにつきますよね。インパクト凄いですし!」

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―― よく意味が解らないけど、凄くパワーを持った言葉ですよね。

黒川さん「あとは、あさこがカレー屋で啖呵を切り始めたシーンがあるんですけど、その時に『みんな私のこと好きなの?本当に好きなの?』とか『何かそれじゃ伝わらないんだよね、そういうんじゃないんだよね、愛ってさ』みたいなのがあったじゃないですか。」

―― ありましたね!『2人だけの幸せなんて全然小さい』みたいな。

黒川さん「『お前たちの思ってる愛はまだ小さいんだ!』とか、あの場面でバーっと叫んだセリフは全部、ロックバンドのMCみたい気に入ってます。あとは『そこで愛に目覚めてろ!』も好きですね。」

―― 格好いいですよね!観ていてスカッとしました。

黒川さん「こういうセリフって、普通言わないじゃないですか。だから演ってて本当に気持ち良かったし、すごく楽しかったんです。」

誰よりもあさこを好きになることで、説得力を持たせる

―― そんなブッ飛びキャラのあさこですが、最初は旦那さんとカレー屋を開く準備をしているホンワカした奥様として登場しました。でも、黒川さんが仰ったように啖呵を切る辺りから、あさこの様子が激変していきます。癒やし系な奥様と、操縦不能な愛戦士…両方を合わせ持つあさこを演じるにあたり、気をつけた事や、参考にした事はありますか?

黒川さん「参考にしたものは特にありませんでしたが、いかに最後にむけて説得力をもたせるかを考えながら演技しました。5人の男性と関係があったにもかかわらず、5人ともあさこについていっちゃうんですから、それなりの説得力を持たせないと、作品として面白くならないと思ったんです。」

―― あれだけ振り回されたのに、結局男達はゾロゾロあさこについて行きましたからね。

黒川さん「先ほども話しましたが、あさこのセリフはインパクトがあるので、観客を納得させる表現をいかに乗せていくかが重要でした。そこは監督とも結構話し合って調整していきましたね。例えば、最初はエプロン姿で、髪も1本に束ねておくことで “女の部分”を隠してるんですけど、ちょっとずつ見せていくみたいな…。」

―― なるほど〜!確かに、束ねた髪もエプロンも、気づいたら変わってましたね。

黒川さん「あとは、永島敏行さんが演じた不動産屋に、大金をバーンって渡された時のリアクションだったりとか。どこまで魅せていくか、どこで爆発させるか…。その辺りを綿密に監督とやり取りしましたし、撮影前のリハーサルも重ねました。」

―― 他に、あさこを演じるにあたって心掛けたことはありますか?

黒川さん「今まで私が演じた役って、嫌われもするし、好かれもするようなキャラクターが割と多いんです。おそらく、今回演じたあさこも、そのタイプだと思います。そういう場合、私自身が誰よりもあさこを好きにならないと、出来るものも出来ないって思うんですよね。」

―― 良いとこも悪いとこも引っくるめて、あさこを愛するって感じですか?

黒川さん「そうですね。演技に現実味や説得力を持たせる為には、あさこを好きなった方がいいと思いました。そういう気持ちで台本を読み込むことで、あさこのセリフ…特に後半のセリフへの共感が増したように感じますね。」

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サービス精神がもたらす、キャラクターとの共鳴

―― エプロン姿で奥さん色の強いあさこも、黒川さんの可愛らしさが反映されていて魅力的でしたが、最後に『うぉー!』って走り去るあさこを演じていた黒川さんは、輝いていたというか、とてもノリノリだったように見えました。

黒川さん「はい、まさにノリノリでした!」

―― 何というか、あさこが黒川さんに乗り移ったような感じでしたよね。あさこは最初と最後では別人ですけど、最後まで違和感なく観られたのは、やはり黒川さんご自身があさこに惚れ抜いた賜物だと思います。その一方で「役が降りてきた」みたいな感覚はありましたか?

黒川さん「物語の終盤で、あさこは『愛で世界を幸せにする』的なセリフを言うのですが、私もそういう風に思っているんです。こう見えて実は、凄くサービス精神旺盛で、相手や周りの幸せの為ならば、出来ることを全てやりたいというタイプなんです。そういう点では、あさことシンクロしたのかなって思います。」

―― 確かにあさこは、本気で『愛は地球を救う』って信じてますものね。凄いサービス精神だと思います。

黒川さん「笑いの部分が多い作品ですが、笑いにしても、あさこのキャラにしても、大真面目に伝えようとするベースがあるように思います。だからイヤな感じになることなく、説得力を持つんじゃないかな。まあ最後は、あそこまでブッ飛んじゃいましたけど(笑)。」

―― 愛を真面目に突き詰めると、きっとあそこまで行くのかもしれませんね(笑)。

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空前絶後の大バトル!女優VS大型バス

―― ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、走行中のバスをあさこが体を張って停めて、運転席に向かってジャンプするシーンありましたよね。

黒川さん「はいはい!も〜、バスに乗るの大変だったんですよー!」

―― え?!もしかして、自力で飛び乗ったんですか?

黒川さん「そうなんです。バスって、運転席側から乗ったことってないですよね。」

―― 普通はないですね(笑)。

黒川さん「走ってるバスを停めて、運転席の窓から乗車したことも…」

―― ないない!…というか、その時の状況を教えて下さい。

黒川さん「あれ、バスってこんなに車高高いんだと思って、自分でこう(身振り手振りしながら)、まずタイヤに右足を乗せて、ここに左足を引っ掛けて…みたいなことを考えながら演りましたね。」

―― もはや、ボルダリング状態ですね。

黒川さん「バスを停めて、そこから登っていくところも、本当はかなりアクティブな動きをしてるんですよ。カメラが引きのシーンだったので、あまり伝わらなかったのが残念でした。」

―― へぇー(驚)!てっきり、CGなどでうまく細工をしたのかなって思ってました。

黒川さん「全然!リアルに体当たりですよ。」

―― これはぜひ、映画のハイライトとして大きく出したいな!あ〜でも、あまり詳しく書くとネタバレになっちゃうか…。

黒川さん「私がバスと戦うってのはどうです?想像力が掻き立てられそうですよね」

―― 面白い!それ、いただきます(笑)。

(インタビュー【後編】へ続く)

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さらに愛が加速!!インタビュー【後編】もお見逃しなく☆

誰よりもあさこを愛することで、役と自分をシンクロさせたというお話が印象的なインタビュー前半でしたが、後編は黒川さんが愛の本質について語って下さいます!!

他にも、あの芸人とのあのシーンや、現場での裏話など、見どころ満載なインタビューとなっております。引き続き【後編】のインタビューもお楽しみくださいね。

(取材・文:大場ミミコ)

映画『愛を語れば変態ですか』は2015年11月28日より、新宿ピカデリーをはじめ全国の劇場にて公開となります。ぜひ劇場に足をお運び下さい。

『愛を語れば変態ですか』予告篇

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    ライタープロフィール

    大場ミミコ

    大場ミミコ

    小学生の息子を持つ主婦ライター。美大卒業後、ストーリー漫画家を目指してシナリオ学校の門を叩く。その後10年ほど、映画・ドラマ・コミック原作などのプロットやコンペ原稿などの下積みを経験し、出産を機に引退。現役中は、お金を浮かせるために飯田橋ギンレイ、早稲田松竹などの名画座に通う傍ら、フリーペーパーなどのシネマコラムも執筆する。好きな映画は「真夜中のカーボーイ」「アメリカン・ビューティ」「チョコレート・ドーナツ」など、切ない&救いのない系の作品。一方、「ウェインズワールド」「プロデューサーズ」などのおバカコメディも大好物♡好きな俳優は佐藤健、好きな監督は中島哲也、内田けんじ。

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