『ジャンクション29』が傑作である「3つ」の理由。ボイメンファン以外も必見!

©2019『ジャンクション29』製作委員会

2016年度日本レコード大賞新人賞に輝いた、名古屋発の人気男性エンタテイメントグループ「BOYS AND MEN」。

歌やドラマ、映画に大活躍中のメンバーの中から、水野勝、田中俊介、小林豊、本田剛文の4人が主演を務めた青春映画『ジャンクション29』が、2月22日から公開された。

今年の1月にテレビドラマとして放送された3本に、新たにオリジナルストーリー1本を加えて長編映画として公開された本作を、今回は公開3日目の最終回で鑑賞してきた。

正直メンバー全員の名前と顔までは一致しない、そんな程度の知識で鑑賞に臨んだ本作だが、果たしてその内容と出来は、どのようなものだったのか?

各ストーリー

第1話:『ツチノコの夜』
29歳になっても自主映画制作を続ける吉田健一(田中俊介)は、高校の同窓会で憧れの小林彩花(佐藤玲)と再会。急接近した二人は、吉田の家に行くことになる。下心を隠しながら、必死にチャンスを伺う吉田だったが、そこに親友の加藤正(本多力)と泥酔状態の担任の飯田(菅原大吉)が現れる。

第2話:『結婚の条件』
鴛鴦ハジメ(水野勝)は“スーパー仲人”と呼ばれる結婚相談所の社長。ある日、風俗店の経営者の鳶田敬一郎(細田善彦)が相談に来る。母親が勝手に申し込んだのだと全くやる気がない鳶田に、トランスジェンダーの白鳥司織(中村中)や、計算高い三十路女・鷹野あゆみ(山田キヌヲ)を紹介するのだが。

第3話:『バズる』
守谷悟(本田剛文)は、動画サイト・バズチューブに動画を投稿するバズチューバー。視聴回数は全く伸びないが、普通に働く気もない。ある日、一人暮らしをしている悟のアパートに借金取りの権田権三(水澤紳吾)と早紀(ゆかりの小雪)夫婦が現れ、借金を返せと脅される。そのとき、悟が思いついた起死回生のアイディアとは!?

第4話:『ジャンクション』 ※映画版オリジナルストーリー
丸山晋輔(小林豊)は、売れっ子漫画家を目指しているが、漫画コンテストに応募しては落選し続けていた。そんな自分に絶望した丸山が死に場所を探してバスに乗っていると、高校の同級生である田中大(福山翔大)が偶然、乗り合わせてくる。楽しそうに昔話をする田中とそれに渋々対応する丸山。そんな中、丸山が高校時代に描いた漫画に話が及ぶのだが…。

予告編

理由1:名古屋発の人気アイドル「ボイメン」の魅力が満載!

本作の主役となる29歳の若者たちを演じるのは、前述した通り「BOYS AND MEN」(略称ボイメン)のメンバー、水野勝、田中俊介、小林豊、本田剛文の4人。

等身大の29歳の青年たちが出会う、様々な”人生の選択肢”を通して、彼らの苦悩と成長が描かれる本作の見どころは、何と言っても主演4人の演技!

2010年の結成以来、舞台公演やステージで鍛えられてきたその演技力が、登場人物に説得力を与え、映画自体のクオリティを大幅にアップさせているのは間違いない。

今年の1月にはナゴヤドームでの単独公演を実現させ、来年は全国アリーナツアーを行うことも発表されている、この「BOYS AND MEN」。

映画を観てその魅力にハマった方は、是非来年のアリーナツアーで彼らの魅力を生で体験してみては?

理由2:誰もが体験した、29歳という人生の転換期が泣ける!

本作に登場するのは、親のスネをかじりながら映画を作る“インディーズ映画監督”、定職に就かずひたすら動画の投稿を続ける“バズチューバー”。そして、なかなか世に出られないまま29歳を迎えた漫画家など、このまま夢を追い続けるにはもはや若くない、29歳という人生の節目を迎えた青年たち。

『ツチノコの夜』 ©2019『ジャンクション29』製作委員会

自分の夢や才能をあきらめて、就職や安定した生活を選ぶべきか? など、きっと誰もが体験する、29歳という人生の転換期。

安定した生活や結婚よりも、自身の夢を優先して追い求めてきた主人公たちが、挫折や苦悩を経験して得た結論とは、果たして何だったのか?

多くの観客の共感を呼ばずにはいられない彼らの選択は、是非劇場で!

理由3:劇場用にオリジナルストーリーを追加!

『仮面ライダー鎧武/ガイム』で仮面ライダーバロンを演じた小林豊が主演するオリジナルストーリー1本を加えて、今回長編オムニバス映画として生まれ変わった本作。

最後まで大いに笑わせてくれる第1話『ツチノコの夜』を除き、第2~4話で共通して描かれるのは、現代社会に生きる若者の孤独と、人と繋がることの意味や大切さに他ならない。

『結婚の条件』 ©2019『ジャンクション29』製作委員会

特に第3話『バズる』での、多くの観客の予想を裏切る終盤の展開は必見!

いわゆる”ネット民”の醜悪な描き方や、スマホのディスプレイにヒビが入っていた意味が明らかになる瞬間の感動など、この第3話を観るためだけでも、劇場に足を運ぶ価値は充分にあり! そう断言出来る完成度になっているからだ。

『バズる』 ©2019『ジャンクション29』製作委員会

加えて、劇場用オリジナルストーリーの第4話『ジャンクション』の完成度も非常に高く、主役を務める小林豊の抑えた演技や、バスの窓を上手く使った映画ならではの表現など、出演キャストの素晴らしい演技だけでなく、脚本・演出の面でも非常に観るべきものが多いのには、驚かされた。

第4話のラストで語られる、「この世界には希望がある!」というメッセージが、我々観客の心にも深く突き刺さる、この『ジャンクション29』。

男性アイドル主演の映画ということでスルーすると、絶対に損をする作品なので、全力でオススメします!

『ジャンクション』 ©2019『ジャンクション29』製作委員会

最後に

本作に登場するのは、理想と現実のギャップや他人の境遇と自分を比べて悩む、4人の青年たち。

現実よりも夢を追い続けてきた彼らが、人生や将来に対して責任を負わなければならない、29歳というタイムリミットを迎えた時、果たして何を選択し、どう行動するのか?

©2019『ジャンクション29』製作委員会

本作で描かれるのは、この人生の重要な転換期において周囲の人々との絆や友人の存在がいかに重要か、ということ。

特に、第3話と4話の主人公が挨拶を交わすエンドクレジット後のエピローグには、人は他者との関わりによってのみ成長、変化することが出来る! そんな人生の真理を感じずにはいられなかった。

なお、3月1日より映画大ヒット記念として、本編終了後に『ツチノコの夜』に登場する劇中映画『アマゾン大捜索! 巨大ツチノコを追え!!』完全版(約3分)の追加上映が決定したとのこと。

果たして、あの巨大なツチノコが劇中でどう使われたのか? 鑑賞中に誰もが思った疑問の答えを得る絶好の機会なので、既に劇場で鑑賞された方も、この機会に是非もう一度劇場に足を運んで頂ければと思う。

(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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