“記憶”にまつわる映画4選 記憶が2人分?記憶を消す?etc 

記憶に関する映画って結構多いですよね。時にミステリーであったり、サスペンスであったり、たまに恋愛ものだったりします。今回は記憶をテーマに扱ったお勧め映画を紹介します。

記憶移植が可能な未来
『クリミナル 2人の記憶を持つ男』




(C)2015 CRIMINAL PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.



CIAのエージェントが極秘任務中に死亡。彼は米軍の核兵器を遠隔操作可能にするプログラムを開発した天才ハッカーの居所を知る唯一の人物だった。そこで彼の記憶を囚人に移植し……。

他人の記憶を他人に移す将来起こり得る話。面白いのは記憶を移植すると、記憶だけでなく行動や人格にも影響を受けていくところ。囚人なんで乱暴で礼儀も何もなかった人が、記憶を移植されたあと、親切にされたあと思わずお礼を言って「今自分は何を言った?」というようなシーンがあったりします。

囚人が善人の記憶を移植されたことにより、人格や行動も少しずつ変わっていき、事件に対処していくようになるところが同作の見どころです。何よりケビン・コスナーが犯罪者で素行不良を演じるというのがかなり珍しいです。アウトロー的な役は何度か演じてると思いますが、ここまで自分に素直で暴力的な役は初めてではないでしょうか。

他のキャストはゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドットとかなり豪華キャスティングです。
公開は2月25日とあと少し先になります。

記憶が10分しか保たない男の復讐劇
『メメント』


メメント (字幕版)


主人公の家に押し入った強盗に妻が強姦され、現場で犯人の一人は射殺するものの、もう一人の抵抗にあい、頭部に外傷を負い記憶が10分しか保てない前向性健忘になってしまう。復讐のため重要なことは自分の体に刺青として彫り、出会った人物や場所にはポラロイドカメラで撮影しメモを書き、犯人を追う……。

クリストファー・ノーラン監督の傑作ミステリー。映画の作りがかなり独特です。映画の始まりが復讐を遂げるシーンからなのです。そして、主人公の10分しか保たない記憶と同じように、それまでの10分間に何があったか遡っていきます。主人公の状態を表現するため、10分ごとに区切られていきます。

画面の区切りや記憶が途切れた瞬間、主人公は自分の体のタトゥーやポラロイドカメラで撮った写真を確かめながら、何をやっていたところかを思い出しつつ行動していきます。

ラストから始まってるから結果がわかってるはずなのに、最後の最後で結構驚く展開が待ち受けているあたり、さすが名匠ノーランといったところです。

認知症を患った老人の復讐劇
『手紙は憶えている』


手紙は憶えている ポスター


(C)2014, Remember Productions Inc.



朝起きた後必ず妻を探す主人公。しかし主人公の妻は一週間前に亡くなっており、近々葬儀が執り行われる予定だったが、そのことも覚えていない、認知症だった。葬儀の夜に友人から一通の手紙を受け取り、自分たちはアウシュビッツの生存者で、当時家族を殺した犯人が名前を変えてアメリカにいることが記されていた。しかし容疑者は4人いて、一人一人会って確かめにいく……。

こちらは一度寝ると前日のことを覚えていない老人の復讐劇。復讐のこと自体を覚えておらずタトゥーもないため、手首に「手紙を読め」と書いたメモを読んで手紙を読んでやることを思い出していきます。重要なのは紙に手書きで書かれたものなので、水や火に弱く、字が読めなくなったり、手紙そのものがダメになる危険性が高いということです。

ミステリー映画なので、細かく説明するといろいろネタバレが生じてしまいますから、詳しくは書けませんが、なかなか上質なミステリーです。

恋人との思い出を消す?
『エターナル・サンシャイン』


エターナル・サンシャイン (字幕版)


バレンタインデーに主人公は別れた彼女から、主人公の記憶はすべて消し去ったという手紙を受け取る。仲直りをしようとしていた矢先だったので、ショックのため自分も彼女との記憶を消そうとする……。

別れた相手のことは忘れたい。そういうことは人生よくありますよね。同作ではその技術が確立されており、商売として成り立っています。

一度この施術を受けたものの、次々消えていく記憶の中で、主人公はヒロインとの思い出が掛け替えのないものと気がつき、彼女の記憶を残そうとするところが見どころ。ちなみに記憶の新しいものからどんどん過去に戻っていくわけではなく、ランダムに消されていきます。そのことを頭において見ていくと時間軸も少し分かるかもしれません。明確なヒントもあるのですが、それは自分で見つけましょう。

また記憶といえば、ヒロインの職業が本屋の店員さん。本も記憶や記録に関係しますね。

まとめ


記憶にまつわる映画というのはミステリーが多いですね。記憶がなくなっているというのはミスリードしやすく、トリックが仕掛けやすいからでしょうか。

どれもトリッキーな作品ばかりなので、謎解きを楽しめます。是非気になった作品からご覧になってみてください。

(文:波江智)

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